【京都・東山】陶芸家の元住まい兼工房の京町家「蘇谷(sokoku)」で、京都らしい朝食を

【京都・東山】陶芸家の元住まい兼工房の京町家「蘇谷(sokoku)」で、京都らしい朝食を

京都府 食・グルメ 和食 カフェ ギャラリー るるぶ&more.編集部
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二度目、三度目の京都の方に、ちょっとツウなお店をご紹介。迷子になりそうに入り組んだ細い裏道を抜けて「蘇谷(sokoku)」で朝食または甘味はいかが? 京焼・清水焼の名工、八田蘇谷の長女である八田さんと近所に住む幼馴染が始めたお店は「京都の親戚の家のおうちごはん」がコンセプト。伝統工芸家の血筋を感じさせる繊細なおもてなしと京都の食文化を伝える朝食をいただけば、すばらしい1日の始まりです。

Summary

静寂を好む人におすすめしたい、清水寺から徒歩10分の穴場

予約困難店になってしまいそうな予感がしつつも、今回おすすめしたいのが「蘇谷(sokoku)」。カフェにしては渋いこの屋号は、京焼・清水焼に従事した八田蘇谷と二代蘇谷の名前を残したもの。というのもこちらは、二代蘇谷の娘、八田さんが2021年11月にオープンさせた陶器のギャラリー&カフェなのです。

年中、観光客が賑わう清水寺から歩いて10分ほどの距離ですが、片道2車線、バイパスの通る五条通を渡りさらに小路へ入り込むと、陶芸家の自宅や工房が数多く残る静かな街並みが広がります。

河井寛次郎記念館の斜め向かいあたりにある立派な京町家、こちらが土・日曜だけオープンするカフェ「蘇谷(sokoku)」です。

二代蘇谷作の京焼・清水焼が購入できるギャラリースペース

エントランスには、祖父や父の作品(そのほとんどは処分されてしまったらしく、残った精鋭)が展示販売されています。

足元の床には、いわば形見でもある作品(香合の蓋)が埋め込まれ、お店を見守ります。

こちらは煎茶道で使用する茶巾筒を竹の節に見立てた装飾。

印象的な照明器具。納屋から出てきた、かつて提灯を吊るした古道具を「提灯を吊るしていたのならば、灯りでしょう」と現代の照明のパーツとして生き返らせました。あちらこちらに遊び心が散りばめられていて、探すとキリがないくらい素敵です。

記憶に残る「京都の親戚のおうちごはん」

台所を切り盛りするのが、幼馴染の神崎さん。メニューの決め方についても教えてくれました。「昔の京都の商家では、毎月1日と15日はあずきごはんを食べたと聞いて、1日と15日にはあずき粥をお出ししてます。いまは土日だけの営業だから当たる日は少ないし、また食べたいという方もいはるので、月1回くらいは作ろうかな」

sokokuの朝ごはん(一汁三菜)1500円(11時まで注文可能)
sokokuの朝ごはん(一汁三菜)1500円(11時まで注文可能)

料理の腕はもちろん、昔の京都の人が大切にしてきた歳時記や風習を守る生き字引のような方。話を伺っていると、自然にすっと背筋が伸びます。気心は知れているけれども馴れ合いにはならない「京都の親戚のおうちごはん」のコンセプトが妙にしっくりきます。

庭の新緑を眺めつつ、ツヤツヤのうすいえんどうが入った豆ごはんをいただく贅沢を噛み締めます。

抜き型を使わずにひょうたんの形に仕上げた出し巻き卵。豊臣秀吉の馬印であるせんなりびょうたんを模しているそう。

豆ご飯、絹さやなど季節の野菜がたっぷり入ったお味噌汁、西京漬けの焼き魚、生麩の味噌田楽、いんげんの胡麻和え、出汁昆布のガラで炊いた塩昆布。一皿ずつ、手間を惜しまずつ作られています。

食後は、ひとくちあんこが提供されて、食事を締めくくり。8時30分から12時までがごはんの時間なので、早めのランチとしても利用できます。

13時から17時までは和カフェタイム

お抹茶と亀山
お抹茶と亀山

13時を過ぎたら和カフェの時間。写真は抹茶と亀山。気温が高くなってくると氷の入った冷やし亀山にかわります。

庭には、手水鉢の水を求めて野鳥が現れます。鳥のさえずり、葉を揺らす風の音だけがBGM。

観光地から適度に近くて騒がしくなく、丁寧なごはんが食べられる「蘇谷」。大人の京都旅行におすすめの一軒です。

■蘇谷(sokoku)
住所:京都府京都市東山区鐘鋳町392
TEL:075-561-8147
営業時間:土曜と日曜の8時30分~12時 (LO.11時30分) 13~17時 (LO.16時30分)
定休日:月~金曜
アクセス:京阪電車「清水五条」駅から徒歩10分


Photo: photo scape CORNER.大﨑 俊典
Text:京都ライター事務所 小西尋子

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