白書院夜景

1泊100万円~!?超豪華な「仁和寺 松林庵」で一生に一度の平安文化体験

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真言宗御室派の総本山仁和寺は、代々皇族関係者が門跡を務めたことでも知られる格式高い寺院。皇族にふさわしい誂えがそろい、数多くの宝物を所有しています。平安時代から文化サロンとしての役割を果たしていた仁和寺ですが、令和の時代に「宿泊」という新たな形でその役目を復活させました。夕暮れとともに寺の門が閉まると、そこは世俗から切り離された世界!お坊さんの案内で巡る世界遺産の金堂、御本尊など、文字通り「有難い」体験が待っています。

Summary

寺侍の旧家を改修し、生まれ変わった施設に宿泊!

宿泊施設の外観
宿泊施設の外観
門

境内の一角、非公開の場所にある寺侍の家族の家屋。50年ごとの改修を重ね続けて、2018年に現在の松林庵として生まれ変わったそう。門戸をくぐると、表の喧騒が嘘のような静かな空気が流れています。

内装

玄関から上がると畳の広々としたモダンな空間。季節ごとに入れ替えるソファのクッションカバーは江戸時代から六代目となる染司よしおかの、五代目当主吉岡幸雄氏の作品です。自然で染め上げた優しい色合いが畳やソファ、外の風景と一体化していてとてもオシャレ。

広々とした浴槽
広々とした浴槽
アメニティ
アメニティ
洗面台

清潔で快適な水回りに、京都産とオーガニックにこだわったアメニティは、ゲストの好みに合わせてその都度セットしてくれるもの。せっかくだから、よーじや製の化粧品をリクエストするのもありですね。

内装

松林庵の中でも、ぜひ注目していただきたいのは2階部分。階段をあがって窓の外の庭を見下ろしながらくつろぐと穏やかな時の流れを感じることができます。また、2階部分の建築美もみどころの一つ。透かし彫りの施された欄間や室内に架かる橋(!?)、歴史的にも謎が残る一部屋だけ形の異なる引き手などなど、気になる箇所がいっぱい。

展示ケース
展示ケース
秘宝

室内のガラスの展示ケースに、仁和寺とっておきの秘宝が何気なく置かれているのをお見逃しなく。実はこの寺宝、宿泊客のプロフィールから僧侶が選んでくれたもので、自分とその美術品とのつながりにふと気づいたときの感動は一生モノ。お坊さんは、多くを語らないので自分で想像してくださいね。

閉門とともに訪れる特別な時間

重要文化財

松林庵で過ごす時間の醍醐味は閉門してからがいよいよ本番。訪問客で賑わっていた境内が急にひっそりと静まり返って、山を背景にどっしり居を構える国宝金堂がより一層大きく見えます。霊験あらたかな風が境内を通り抜ける夕景は、言葉に表せない特別な風景です。

声明

お坊さんの案内で、金堂に鎮座する本尊・阿弥陀三尊を独占拝観します。金堂では読経や瞑想、阿字観(呼吸法)などの宗教体験をして。特別なお願い事があれば、護摩焚き、特別祈禱も受け付けてくれるそう。世界遺産と国宝と僧侶が自分だけのために…、そんな特別感と夜の寺院の雰囲気に気持ちが高ぶります。

夜の静寂と独特の空気に酔いしれる

建物の内部

薄明りの中、幻想的に浮かび上がる御所建築の宸殿は、御所郡の中央にあります。天皇以外は足を踏み入れることが許されていない上段の間があって、高ぶっていた気持ちもいったん引き締まります。ここでは声明(しょうみょう)と呼ばれる宗教音楽や、能、雅楽の鑑賞も。仁和寺を舞台とした能があると聞いて、興味津々。こうした演出はどれも、日本の文化伝統を後世に継承するための大切な活動の一環。

精進料理
精進料理

宿泊だけでなく料理も旅の楽しみのひとつ!精進料理や懐石の「仕出し」は京都の文化だとご存知ですか?ここではやっぱり、京懐石や精進料理がおすすめ。

縁側の席
縁側の席

夕食や朝食のセットは、かつて皇族が眺めた御所庭園を望む縁側の席をリクエストしてみましょう。

茶室

境内の高台にある茶室「飛濤亭(ひとうてい)」。光格天皇が特に気に入っていた茶室は、貴人口や広い水屋などが特徴的な造り。飛濤亭の名は、宸殿からここまで上がってくる途中に滝のそばを通るので、飛沫が衣にかかったため、との言い伝えがあるそう。眼下に南庭、北庭と宸殿、書院を一望できる眺めを堪能しながら、仁和寺御用達のお茶とお菓子で一服して、皇族気分のひとときを味わってみては?

朝のお勤めに参加して生まれ変わった自分を体感

修行僧

お寺の朝は早く、夜明けとともに修行僧のお勤めがはじまります。
せっかくの特別な宿泊体験、いつもより早起きをして、新しい日の新しい空気の中、響いてくる読経の声と境内を歩く修行僧たちが立てる静かな音、それに鳥のさえずりに耳をすませてみましょう。お坊さんの指導で目を閉じると、チェックアウト前のハイライト「朝のお勤め」のはじまり。瞑想を終えて目を開けると、新しく生まれ変わった自分と向き合えるかも。

文化の継承をミッションとしながらも、時とともに寛容に変化を受け入れている仁和寺。時代を越えても変わらないものと、時の流れに身をゆだねるしなやかさは、仏様の教えにもどこか似ているのかも?

平安文化を感じられる、癒しと学びの特別な体験、一生に一度の思い出になること間違いなしです。

■仁和寺 松林庵(にんなじ しょうりんあん)
TEL:075-461-1155
住所:京都府京都市右京区御室大内33
交通:名神高速道路・京都南ICから12㎞
料金:1泊素泊まり(5名まで)1棟100万円〜(税別)
チェックイン、チェックアウト: 要相談
室数:1棟
駐車場:100台(無料)

○エアコン
✖Wi-Fi
✖テレビ
○浴室
✖大浴場
✖冷蔵庫
○タオル
○洗浄機付トイレ
✖送迎

Text: 伊勢本ゆかり
Photo: 谷口哲、仁和寺


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表紙

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