【台湾現地レポ】迪化街の路地で見つけた唯一無二のカフェ「菸花⟪Op.118.2⟫」

【台湾現地レポ】迪化街の路地で見つけた唯一無二のカフェ「菸花⟪Op.118.2⟫」

台湾 食・グルメ カフェ リノベーションカフェ レトロカフェ ドリンク
Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket

自家焙煎にバリスタ、映えるスイーツ、リノベカフェ、完全予約制――。台北では大手チェーン店以外にもさまざまなテイストの個人カフェが台頭し、その存在感を増しています。多様なカフェ文化が広がる現地から、オーナーの温かな人柄と絶妙なセンスが光る「菸花(イェンファ)⟪Op.118.2⟫」をご紹介します。

Summary 

こんなところに? 路地の奥に佇む隠れ家カフェ

「菸花⟪Op.118.2⟫」があるのは、歴史ある街並みが人気の「迪化街」。メインロードから路地に入り、台湾のカリスマコーディネーター青木由香さんのショップ「你好我好」に続いて小洒落たカレー屋を通過。「もうこの先は何もなさそう」と引き返しそうな、路地の一番奥です。

「松山文創園区」の閱樂書店内に2021年2月にオープンし、コロナ禍の紆余曲折を経てたどり着いたのがココ。かなりの迷子さんか、正確な住所を知らないとたどり着けない、秘密めいた隠れ家カフェです。

10席足らずのノスタルジックワールドへようこそ

深緑の看板にアンティーク調の木材がしっくりと馴染み、思わず中を覗きたくなる外観…。ガラガラーっと引き戸を開けると、まるで映画のワンシーンのようなノスタルジックワールドが広がります。

そこは、3つのソファと約1000枚のレコード、そして思い出の骨董品が丁寧に配置された10坪あまりの『舞台』。

明るさが少しずつ異なるヴィンテージライトがここに集う人やモノを柔らかな光で照らし、どこを切り取っても絵になります。

オーナーは台湾カフェ界のパイオニア

この素敵なカフェのオーナーは高振御さん。台北のカフェシーンを20年近く牽引してきたカフェ界のパイオニアです。高さんは1995年にコーヒーの世界に入り、まだ台北にあまりカフェのなかった2001年に「Cafe Kuroshio」をオープン。その後も「咖啡小自由」や「一席咖啡」、「寅樂屋」など5軒のカフェを手がけてきました。どれも台湾のカフェ通なら知っている名店。高さんはその世界で一目置かれる存在です。

「『やっぱりコーヒーがとても好きなんでしょう?』とよく聞かれるのですが、コーヒーというよりカフェが好きなのです。コーヒー、デザート、音楽、インテリア、光は媒介であり、それらを通してカフェという空間が訪れた人の記憶に残ればうれしい」と高さんは話します。

ここにしかないドリンクと人との繋がりが運ぶおいしいデザート 

メニューは潔いほどにシンプル。オーナーが厳選したドリンクが10品ほど並びます。ほかのお店でも飲めるラテやアメリカーノはなし!エスプレッソを基調とした創作ドリンクをメインに、紅茶やアルコールをアレンジした飲み物です。

「紫蘇梅酒冰深焙(ジースーメイジウビンシェンベイ)」(NT$300)は、アイスコーヒーとシソ梅酒をブレンドし、グラスの淵にヒマラヤ岩塩をあしらった粋なドリンク。爽やかなシソ梅酒とキリリとしたコーヒーが絶妙な相性で、岩塩も相まって夏にぴったり。すっきりとした飲み口で、香り付け程度のアルコールが入っています。

シャンパングラスで登場したのは「咖啡果乾氣泡水(カーフェイグォガンチパオシュエイ)」(NT$250)。スパークリングワインにコーヒーの実の皮と果肉部分を乾燥させた「カスカラ」をあしらい、少量の氷砂糖で甘みをプラス。目でも楽しめるオツなドリンクです。

デザートは入れ替わるので訪れる度に楽しみアリ!チョコレート専門店「chocoholic」の生チョコ(NT$150)はほろ苦くて、とろ~んとした口どけが美味。カフェ「Belly Daily」のバスクチーズケーキ(NT$180)は底のクッキー生地に「鹹蛋黃(アヒルの塩漬け玉子)」が忍ばせてあり、ほのかなしょっぱさが癖になります。

グッドセンスなデザートたち、聞くとどちらも高さんの友達作。気さくで温和、カフェ界に知り合いが多くて面倒見のいい高さんの元には、人との繋がりが運ぶおいしいデザートが集ってきます。

自転車のコーヒー屋さんに出会えるかも⁉︎

そして毎週金曜日の夕方、カフェの軒先にもう一つのお店が提灯を灯します。それは「武喵咖啡(ウーミャオカーフェイ)」。カフェの前にコーヒー屋さん…つまりは商売仇だと思うのですが、一体どういうこと?

開業3年目の「武喵咖啡」はもともと、台北の萬華地区で移動式の自転車コーヒー屋を営んでいました。
ところが、同地区はコロナ禍で感染者急増となり、営業が困難に……。そんな時、友達であり、コーヒーの大先輩でもある高さんの温かい声がけで「菸花⟪Op.118.2⟫」を手伝うことになったそう。今はこのカフェの軒先、そしてコロナ禍の落ち着きを取り戻した萬華地区で商いを続けています。

Ericさんがゆっくり、丁寧に淹れるハンドドリップのコーヒーは、豆そのものの特質を生かしていてストレートな美味しさ。「菸花⟪Op.118.2⟫」と「武喵咖啡」の素敵なパートナーシップで、1箇所で2軒分の美味しいドリンクに出会えます。

10席足らずの小さな空間に、カフェの面白さと人の温かさが詰まった「菸花⟪Op.118.2⟫」。旅行の合間に、ココでゆる〜りまったり時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。


■菸花 ⟪Op.118.2⟫(イェンファ)
住所:迪化街一段14巷38號
TEL:02-2550-8718
営業時間:13~20時
定休日:第2・4水曜、木曜


Text:大田原結梨(台北ナビ)
Photo:張哲倫

●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。

Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket
記事トップに戻る

編集部のおすすめ

ページトップへ戻る

検索したいキーワードを入力してください