香川うどん|行っておきたい王道4店。オーダー方法と共に美味しさレポート!
1990年代に一大ブームを巻き起こし、香川観光のメインとなったさぬきうどん。当時の有名店は、今も変わらず名店のまま。少し落ち着いた今だからこそ、実力店のうどん巡りを楽しんでみては。手作りのおいしいうどんは、なんと100~300円台!レンタカーを借りてでも行く価値大の名店を「オーダーの仕方」と合わせてご紹介します。
Summary
やわらかい“女麺”にファン多し!セルフ体験も楽しい「なかむら」
まずは高松道坂出ICから車で10分、土器川沿いに立つ有名店「なかむら」をご紹介。作家・村上春樹氏のエッセイに登場、元は製麺所だったため「ネギを畑でとってきて自分で切るスタイル」が話題となったお店です(玉子も客が鶏舎からとってきていたそう!)。今はネギや玉子は用意されていますが、それ以外のセルフ体験が楽しめます。
【オーダーの仕方】
①入口外のメニュー表を見て、カウンターで今回は「かけうどん(小)」をオーダー。
※「小」=1玉、「大」=2玉、「特大」=3玉
②釜のところで、「茹でて水で締めた麺」が手渡されるので、テボに麺を移して約10秒湯に浸けて温めます(かけなど、麺を温めたい場合のみ)。
③天ぷらや温泉玉子など、好みのトッピングを選び、レジでお会計。ゲソやエビ、ナス、ゴボウ、野菜のかき揚げなどが揃います。おすすめは、うま味が濃いちくわ天!
④外に出て、ネギやショウガ、天カスなどの薬味をかけます。
⑤熱いだしを注ぎます。ちなみにテボで麺を温めず、冷たいまま熱いだしをかけると「ひやあつ」で、さぬきうどんらしい食べ方の一つです。夏なら麺もだしも冷たい「ひやひや」がおすすめ。
さぬきうどんというと弾力が強いイメージがありますが、その「男麺」と比べて「なかむら」の麺は「女麺」とも称される中太麺で、やわらかい食感が特徴的。とはいえ、モチモチっとした食感やコシも感じられ、ほかでは味わえない独特のうどん。ファンも多いんです。
黄金色に澄み切っただしは、ウルメ&サバ節を多く使用。芳醇な風味のだしが麺に絡まり、文字通り箸が止まないおいしさです。
ウッディな店内席もありますが、風が心地よいテラス席でいただきました。穏やかな“さぬきの時間”が流れています。
釜あげのアツアツ麺に、生玉子と特製醤油を混ぜる「釜たまうどん」も人気メニュー。やわらかめの麺がさらにやわらかく感じられ、玉子と相まってトロトロの食感に。かけだしを追加してもOKなので、ぜひ途中からは“味変”を楽しんでみて。
■なかむら
住所:香川県丸亀市飯山町西坂元1373-3
TEL:0877-98-4818
営業時間:9~14時ごろ(麺が売切れ次第終了)
定休日:火曜
アクセス:高松道坂出ICから車で10分
青空の下で絶品麺をすする幸せ「がもううどん」
次に紹介する「がもううどん」は、さぬきうどんといえば、まず名の挙がる超有名なセルフうどん店。高松道府中湖スマートICから車で9分、田んぼと住宅街のエリアにあり、うどんのおいしさはもちろん、外にある椅子に座って食べるシチュエーションが大人気。昭和風情たっぷりのレトロな店構えもまるで映画のようで、郷愁がそそられます。
店内に入ると、左側で大きな茹で釜が出迎えてくれます。
【オーダーの仕方】
①麺の量と「温かい」か「冷たい」を選びます。今回は「小(1玉)、温かい」をオーダー。
②お店の方が水締め麺を温めてくれます。麺をもらったら、熱いだしを各自でかけて。
③天ぷら各120円や温泉玉子1個120円、生玉子1個60円から好みのトッピングを選び、支払います。おすすめは、甘く煮た大きなあげ!
やや細めの麺はなめらかな食感で、喉ごし抜群。やわらかめながらも、コシもしっかり。カツオと昆布が利いただしと相性抜群で、全体的にやさしい味わいです。そこに「あげ」の甘味が溶け込み、さらにうま味が増します。
④食べ終わったら、器を各自で返却します。
「がもううどん」では店内にも席がありますが、ぜひ外のさわやかな空気を感じながら、滋味深い「かけ」を味わってみて。オープンは朝8時30分、「朝うどん」する地元の方に混じってうどんをすするのもおすすめです。
■がもううどん
住所:香川県坂出市加茂町420₋1
TEL:0877-48-0409
営業時間:8時30分~14時(土曜、祝日は~13時、麺が売切れ次第終了)
定休日:日・月曜
アクセス:高松道府中湖スマートICから車で9分、JR土讃線鴨川駅から徒歩15分
※カーナビを利用する場合は、駐車場横の売店の℡0877‐48-2101」を入力
生卵がトロ~リ!名物「かまたま」の発祥店「山越うどん」
3軒目は、「かまたま」の発祥の店として知られる「山越うどん」。高松道府中湖スマートICから車で15分、少し郊外の住宅街にあり、半屋外の屋根付きテーブルはなんと約100席。スタッフ手作りの庭が目を癒やし、まるで公園のようなゆったりとした雰囲気の中、うどんが味わえます。
名物「かまたま」は、30年以上前に常連客が玉子を毎日持参し、割り入れた丼に釜あげの麺と醤油を入れて食べていたのが始まり。メニューに昇格後は「卵入り釜揚げ」や「釜揚げ卵うどん」と呼んでいましたが、オーダーを早く通すのに「かまたま‼」という言葉が生まれたのだそう。
もっちり食感の太麺は、甘い玉子に負けない存在感で、釜上げゆえの「ぬめり」もうま味になった“和風カルボナーラ”!茹でたてアツアツの提供にもこだわっています。
【オーダーの仕方】
①入口のメニュー表からメニューを選び、入ってすぐのカウンターで注文。今回は「かまたま・小」をオーダー。
②茹で麺と生玉子の入った丼をもらったら、細長い通路を進み、天ぷらコーナーへ。好きな天ぷらを選び、お会計。
③さらに通路を進み、イートインゾーンへ。卓上の「かまたま用だし醤油」をかけていただく(色が薄いのでかけ過ぎに注意)。
④食べ終わったら、各自で器を返却する。
ほかに「かまたま」に山芋が入る「かまたまやま」400円といった、派生メニューも。ここでは緑を眺めつつ、約30年前の柔軟な発想や、おおらかな讃岐の人々に思いを馳せながら「かまたま」を味わってください。
■山越うどん(やまごえうどん)
住所:香川県綾歌郡綾川町羽床上602-2
TEL:087-878-0420
営業時間:9時~13時30分
定休日:水・日曜
アクセス:高松道府中湖スマートICから車で15分
熱々の釜あげ麺の代表格「釜あげうどん 長田 in 香の香」
最後は、うどんの人気メニューで一度は食べておきたい「釜あげ」の専門店「釜あげうどん 長田 in 香の香」。高松道善通寺ICから車で5分、香川県のなかでも西側に位置します。店内は広く、120席!通常の店と同様、配膳・片付けはスタッフが担当してくれます。
オーダー後に大きな釜で麺を茹で、常に茹でたてを提供しています。この様子を見るだけで、テンションがアップしますね。
釜あげ用にブレンドされた粉を使った太麺を水で締めずに、そのままをつけだしに浸していただきます。外側が少し溶けたようなトロンとした口当りで、もっちりとしたやわらかい弾力が魅力。
甘辛いつけだしは、陶器の徳利に入れ湯煎することで、角が取れ、驚くほどまろやかになります。このつけだしも絶品!
「香川の香り」という意味で名付けられた、「釜あげうどん 長田 in 香の香」。うどんのふくよやかうま味に胃も温められ、食べるだけで癒やされる気持ちに。季節の炊き込みご飯300やおばぎ2個200円もおすすめなので、ぜひお腹を空かせて訪れてみてください。
■釜あげうどん 長田 in 香の香(かまあげうどん ながた いん かのか)
住所:香川県善通寺市金蔵寺町1180
TEL:0877-63-5921
営業時間:9~15時
定休日:水・木曜(祝日の場合は営業)
アクセス:高松道善通寺ICから車で5分、JR土讃線金蔵寺駅から徒歩10分
以上4店はどこもブームを作った名店ばかり。さぬきうどんのすごさが感じられるお店へ、ぜひ足を運んでみて。素朴なのにパワフルなうどんメニューの数々に、きっと元気がもらえること、間違いなしです!
日曜・祝日が休み、午前中のみ営業、麺が売切れ次第終了などの店が多い。お目当ての店は営業日、時間を調べ、午前中に行こう。また、2人以上で1オーダー、無料トッピングの大量掛け、長居など、店の迷惑になる行為は控えて。カードや電子払い不可の店が多いので現金(小銭)の用意を。
『るるぶ四国’23』は好評発売中!
「さぬきうどんMAP」の特別付録付き!中面特集では、香川のさぬきうどん王道店ベスト10や高松の名物うどんを紹介しています。
Text:こばやしみもざ
Photo:竹田俊吾、鈴木誠一
●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。