【奈良】「吉野葛 佐久良」のかき氷で、希少な名産品・本吉野葛をいただく

【奈良】「吉野葛 佐久良」のかき氷で、希少な名産品・本吉野葛をいただく

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植物の世界で「白いダイヤモンド」とも称される稀少な本葛を扱う専門店「吉野葛 佐久良」。喫茶部では、しっかりとコシがあり、喉をひんやり通り抜ける葛切りなど葛を主役にした甘味を提供されています。そんな吉野葛専門店で夏の間だけ提供されるかき氷をいただいてきました。

Summary

およそ築170年の町家の風情を感じて

商店街や細い路地、迷っても楽しい「ならまち」。平城京の外京(げきょう)と呼ばれるエリアを中心とした街並みを散策していると、いつの間にか時間が過ぎてしまいます。

人気の観光スポットにもなっており、新旧のお店が混在する「ならまち」で、本葛商品の販売と甘味のお店を営んでいるのが、「吉野葛 佐久良」。築160年以上の町家の立派な店構えです。

明治8年から染織呉服店を営む町家の空間をカフェとして利用されており、細部の意匠まで昔のまま。古いモノが好きな人にはたまらない空間になっています。

暑い夏、歩き疲れて腰を下ろすと、窓越しに見えるお庭の緑にほっと癒されます。

門外不出の生葛餅が入った「白雪」かき氷

くず白雪(黒蜜きな粉ミルク)1200円
「くず白雪(黒蜜きな粉ミルク)」1200円

さて、お目当ての本葛かき氷「くず白雪」」がやってきました。蜜は黒蜜または抹茶蜜が選べますが、葛といえばやはり黒蜜で食べたいところ。上にはむちむちの白玉。葛餅は? といえば。

氷の隙間から控えめに顔を出す本葛の葛餅。注文が入ってから本葛粉を溶いたものを火にかけ、練るところから作ります。火にかけて粉から練るのはわらび餅と同じですが、本葛は非常に弾力があり、混ぜるのかなり力がいるそう。葛餅は、門外不出の生菓子で、お持ち帰りの販売はありません。

冷んやりとした葛餅、練り上げるのに力が必要とのお話どおり、やわらかい中にむちっとした食感があります。あんこの炊き方も甘さ控えめで上品。

こちらが本葛の粉。吉野の山で野生する本葛の根を厳寒の真冬に掘り起こし、根に含まれる本葛を抽出します。収穫できるようになるのには、3年以上。巨大に育った根から取れる葛はおよそ7~10%といいます。厳しい環境の中で育つ長い時間、根っこから商品にできる本葛に仕上げるまでのたくさんの作業工程、恐ろしく手間暇がかかるわりに少ない収穫量。そのすべてをクリアして、初めて手に入る本葛です。心していただきたいところ。

必食、葛切りで本葛のつるりとした喉越しを堪能

くずきり 900円
「くずきり」900円

かき氷ではありませんが、やはりぜひとも味わっておきたいのが、葛切り。2015年7月NHK放送の「ブラタモリ」で、タモリさんが召し上がったのも葛切りです。

夏の水菓子として、つるんとした喉越しが嬉しい葛切り。濃厚な黒蜜にたっぷりと浸していただきます。お箸で持ち上げただけでわかる、コシの強さ。口にふくみ、広がる黒蜜の芳醇な甘味。そして、一口咀嚼しようとすると、歯を跳ね返すばかりのしっかりとした弾力。これが本葛か……と感動です。

レシピ付きが嬉しい「本葛」のおみやげ

おみやげには、お湯を注ぐだけで本葛を味わえるこちらをどうぞ。「奈良に来たなぁ」と実感できるおみやげです。本葛のすばらしさを周りの人にシェアするのにもぴったり。

夏の奈良旅なら、本葛を使ったひんやり甘味で、乾きを潤しませんか。

Photo: photo scape CORNER.大﨑 俊典
Text:京都ライター事務所 小西尋子

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