【長野県】浅間温泉にオープンした雑貨とカフェの店「手紙舎 文箱」でノスタルジーに浸る大人な時間を
「紙博」や「蚤の市」といったイベントや、東京都調布市と台湾に雑貨店とカフェを手がける手紙社が、2022年7月、長野県松本市の浅間温泉に「手紙舎 文箱(てがみしゃ ふばこ)」をオープンしました。国内で関東以外への出店は今回が初。その拠点として選んだ浅間温泉は、江戸時代には松本藩の御殿湯として栄え、今でも老舗旅館や共同浴場が残る風情ある温泉地です。店舗はその一角にある元銀行だった建物をリノベーションし、1階には雑貨と喫茶と古書スペース、2階には紙マルシェが入ります。今回はそんな「手紙舎 文箱」の魅力をご紹介します。
Summary
元銀行をリノベしたオシャレな店内
店名を“文箱”と名付けた理由は浅間温泉郵便局の隣に立ち、紙製品中心の雑貨類を取り扱うことから。元銀行の建物をリノベーションした趣のある店舗の入り口で訪れる人を出迎えるのは、多くの著作やブックデザインなどで活躍するクラフト・エヴィング商會デザインの店名ロゴが入った看板です。店内は配管や建材がむき出しになった天井や古道具、ヴィンテージ風の家具、こだわりの照明など、オシャレな空間が広がります。
雑貨と喫茶スペースには、約3週間ごとに内容が入れ替わる展示スペースが設けられ、手紙社が主催する、イラストレーターやデザイナーなどの巡回展が楽しめます。
仕事や暮らしに彩りを添えるアイテムが揃う雑貨スペース
入り口を入ってすぐにある雑貨スペースには、壁一面を彩るポストカードなど、紙雑貨を中心とした手紙社選りすぐりの雑貨類が並びます。木製の棚やテーブルには、作家やテーマごとに品物が配置され、その世界観に触れるだけでも有意義な時間が過ごせます。雑貨の傍らには各作家の紹介カードも置かれているので、気になる作家を見つけたらぜひチェックしてみてくださいね。
雑貨スペースには、長野県の土地柄に合わせてセレクトした紙雑貨が並ぶほか、浅間温泉在住のテキスタイルデザイナー・sanada midori氏(H/A/R/V/E/S/T)デザインの文箱限定切手も登場予定。
松本市の国宝 松本城で出会えるコブハクチョウや、コハクチョウが飛来する安曇野市の御宝田遊水池など、白鳥との縁が深いことでも知られる長野県。それにちなんで羽鳥景子氏が制作したオリジナル商品が、水と白鳥がモチーフのガラスペン、「まつもとスワン」です。
また、長野県ではリンゴをはじめブドウやモモなど果物の生産が盛んなことから、フルーツをテーマにしたコーナーも。石川県金沢市を拠点に活動する今江未央氏が手がける九谷焼の豆皿の中には、ブドウが描かれた文箱限定のデザインもあります。浅間温泉に訪れた記念として購入してみてはいかがでしょう。
本格コーヒーと本店で人気のキーマカレーが楽しめるレトロな喫茶
1階東側にある喫茶スペースには、ダークブラウンで統一された木目調の中に穏やかさを醸すモスグリーンの椅子が映え、どこか懐かしさを感じるレトロな雰囲気が漂います。店内にはテーブル席と2か所のカウンター席があり、そのうちの1ヵ所は、バスを待つ間のひと時をコーヒー片手にゆったりと過ごせるようにと、店の前にあるバス停が眺められる北側の通り沿いにカウンターが用意されています。
喫茶では、手紙社が東京都調布市で営む「本とコーヒー tegamisha」で焙煎した自家焙煎のコーヒー豆を使ったコーヒーを提供。ホットはハンドドリップで丁寧に、アイスは時間をかけてじっくりと水出しするなど淹れ方にもこだわり、芳醇さと深みのある味わいが楽しめます。水出しアイスコーヒーはアイスミルクコーヒーにも使われ、二層に分かれた心ときめくビジュアルはもちろん、まろやかなミルクの中にしっかりとしたコーヒーの味わいが感じられ、コーヒー好きの人にぜひ味わってほしい一杯です。
食事メニューは、カイエンペッパーやクミンなど4種類のスパイスが織りなすスパイシーさと、温泉玉子を絡めてまろやかさも楽しめる、東京都調布市の本店でも人気の「キーマカレー」がおすすめです。
レトロな銀色の器で提供する「抹茶のプリンアラモード」はフルーツが華やかに彩り、豊かな香りとほのかな苦みが絶妙な抹茶プリンと、きな粉とクリームチーズのアイスとの相性が抜群な一品。子どもの頃に味わったプリンアラモードとはまた違う、大人の味わいが堪能できます。
秘密部屋のような金庫室を活用した古書スペース
1階の雑貨スペース奥にある金庫室は古書スペースとして活用され、厳重な分厚い扉を備えた物々しい入口からは、禁断のスペースへと踏み込むようなワクワク感が味わえます。
古書は、長野県上田市を拠点に古書の買取・販売などを行うバリューブックスの協力を得て、手紙社のスタッフが1冊ずつセレクトしたものです。
約100種類のペーパーから選べる“紙マルシェ”
金庫室前の通路を抜け、1階奥の階段から2階へ進むと、その一室にあるのが約100種類の手紙社オリジナルペーパーをバイキング形式で購入できる“紙マルシェ”。
テーブルの上には、イラストレーターやデザイナーが手がける個性あふれるペーパーが並び、見ているだけでも楽しめます。ペーパーは好みで自由に組み合わせることが可能で、5枚600円、10枚1000円で販売。贈り物の包装紙にしたり、ブックカバーにしたりと、使い方を想像しながら選んでいくのも楽しいですね。
各作家さんたちの世界観が詰まった雑貨や、レトロな喫茶スペースで味わう香り高いコーヒーとスイーツ、金庫室を活用した古書スペースなど、魅力がたっぷり詰まった「手紙舎 文箱」。雑貨選びを楽しんだり、喫茶の片隅に腰掛けて読書をしたり、時にはお気に入りの便せんに友人や家族への手紙をしたためたりと、ノスタルジックな空間で、思い思いに過ごしてみてくださいね。
■手紙舎 文箱(てがみしゃ ふばこ)住所:長野県松本市浅間温泉1-30-6
TEL:0263-87-2716
営業時間:10時~16時30分(16時LO)
定休日:火・水曜 ※祝日は営業
Text:児玉さつき
Photo:松本千尋
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