神楽坂「Arbor Coffee」の2大名物ホットサンド&ファーブルトンで大充実のカフェタイム

神楽坂「Arbor Coffee」の2大名物ホットサンド&ファーブルトンで大充実のカフェタイム

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神楽坂駅から少し離れた閑静な路地裏にあるカフェ「Arbor Coffee(アーバーコーヒー)」は、地域の方々に愛されるとまり木のような存在。おいしいコーヒーや焼き菓子を楽しみながら、幅広い層の地元住民が思い思いのひとときを過ごしています。奇をてらわない王道のメニューはどれもハイクオリティで大満足♪

Summary

とまり木のように安らぎを感じる上質なカフェ「Arbor Coffee」

神楽坂駅の1a出口から赤城神社の脇を抜けて徒歩7分ほどの裏路地に、深い緑のファサードが印象的なカフェがあります。客層は若者からお年寄り、外国人までさまざま。オープンは2022年5月とまだ誕生したばかりですが、早くも地域に根付いていることが伝わってきます。

店名である「Arbor」とは東屋や木という意味。おいしいコーヒーを飲みながらゆったりとひと休みできる「とまり木」のような雰囲気に、幅広い方々が惹きつけられているようです。

「コーヒーや焼き菓子には当然こだわっていますが、それを売りにしているわけではなんです。ただ、近隣で暮らす人々から必要とされる場所になることを目指しています」と話すのはオーナーの大越智行さん。この道10年以上のバリスタで、以前はシアトル系の老舗カフェとして知られる「Double Tall Cafe」で店長をされていたといいます。

スコーン、クッキー、バナナケーキなどカウンターに並ぶおいしそうな焼き菓子は、すべて店内で焼き上げた手作り。「国産の小麦粉や発酵バター、季節のフルーツといったできる限り安心して食べていただける食材で作っています」と大越さんが紹介してくれました。

満足感たっぷりの「チキンとトマトのホットサンド ドリンクセット」

風が気持ちよかったので、まずは店先のベンチに座りながら「チキンとトマトのホットサンド ドリンクセット」1180円をいただきました。全粒粉を使用しているというパン生地は、サクサクとしたクリスピーな食感。オーロラソースとハニーマスタードが合わさったような味付けが、バジルの香りとバランスよく混じり合います。

全体に染み渡るチキンとチーズのうまみ。そして具材のなかで最も存在感があったのは酸味の利いたミニトマトでした。付け合わせのキャベツは、クミンシードたっぷりのアチャール風で箸休めに丁度よい味わい。全体的によい素材を使っていて質の高さを感じますが、ファストフードに似た味付けも取り入れているようで、幅広い層にとって満足感のありそうなサンドにまとまっていました。

セットで頼んだのは「コールドブリュートニック」(単品の場合は600円)。コーヒーの質がよいことで評判のカフェですが、暑い日に飲むなら炭酸のシュワッと感も楽しみたい、なんて場合にぴったりのドリンクです。コーヒーのコクや香りはしっかり引き出しつつ、柑橘の香りが利いたトニックウォーターがなんともさわやか。浅めの水出しコーヒーの酸味と絶妙に重なり合います。

カヌレより半熟でラム酒も香るフランスの郷土菓子「ファーブルトン」

オーナーバリスタの大越さんは「Double Tall Cafe」出身ということもあり、ラテアートの技術も巧み。「カフェラテ」550円は、フォームドミルクが非常にきめ細かく品のある口当たりです。エスプレッソ用のオリジナルブレンドをダブルで抽出していて、ミルキーながらしっかりとした苦味を感じるのも特徴。一般的なカフェで出るものよりカップがひと回り大きくて飲みごたえもありますよ!

「全部がおすすめ」という焼き菓子のなかでも、お店の一押しはフランスの郷土菓子「ファーブルトン」400円。カスタードクリームを焼いたような味わいで、カヌレに似ていますがより半熟感のある軟らかな食感です。味わいのアクセントは、ラム酒が香る大人っぽい味わいのプルーン。発酵バターをぜいたくに使用しており、全体からリッチな香りも漂います。カヌレと比べればサイズも大きめなので、こちらも満足感あり!

お店を訪れて感じたのは、決して気取ったり奇をてらったりせず、高い技術力と確かな素材でお客さんが喜ぶものを作っている実直さ。SNS映えするようなメニューは少ないですが、店内のお客さんはみんなおいしそうな表情でカフェタイムを満喫している印象でした。これからも末永く地域の方々に愛されていきそうな「とまり木」のようなカフェです!


Text&Photo:柴山たき(effect)

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