【奈良】かき氷から湯気?「猿沢豆花」のかき氷は金木犀シロップと熱々のごま団子で
奈良公園、猿沢池の近くにある豆花を中心とした台湾スイーツの店「猿沢豆花」。夏になると登場するかき氷が話題です。ふわふわに削った氷の上にパティシエ特製の金木犀のシロップと熱々のごま団子をのせた、瞬間を楽しむかき氷をいただいてきました!
Summary
歴史ある街道沿いの台湾スイーツ店「猿沢豆花」
奈良公園、猿沢池からならまち大通りへ続く、上ツ道(かみつみち)。大和の古道と呼ばれる古くからの街道沿いにあるのが目指すお店「猿沢豆花」です。
「ずっと“ならまち”という素敵な場所でお店をしてみたいと思っていました」と話してくれたのは、憧れの場所で店を切り盛りする店主の岩崎さん。
格子の直線、窓の曲線が組み合わさり、雅なデザインの内装。
珍しいのは、丸くくり抜かれた引き戸。この奥にあるのはお手洗い。入口のすぐ近くに配置し、使い勝手のよい動線を計算されています。
氷から湯気? 瞬間を楽しむ名物かき氷「桂花胡麻湯圓かき氷」
さて「猿沢豆花」を代表するかき氷といえば、こちら「桂花胡麻湯圓かき氷」。茹でたて熱々の団子がかき氷の上に6つも! 団子の茹で上がりと氷をかき終えるタイミングをぴったりと合わせて、氷もお団子もベストな状態になるように仕上げているそう。
運ばれてきた瞬間、氷からふわふわっと湯気が立ちます。湯気の立つかき氷なんて初めてみました。
熱でどんどん溶けていきます……。「瞬間を楽しむデザートですので、すぐに食べ始めて熱冷の対比を楽しんでください」と岩崎さん。まずは熱々の団子からいただきます。お! ごま団子です。むちむちの団子からざらっとした舌触りの練り黒胡麻が現れて、胡麻の風味が広がり、美味。氷も上品で爽やか、どこかアジアの香りがするシロップ。これは?
特別にシロップを見せていただきました。中に浮かんでいるのは、金木犀の花。金木犀の甘い香りと隠し味に添えた酸味がほのかな余韻となって広がるかき氷は、食のアートです。
見た目でもわかる、医食同源のかき氷「八宝かき氷」
「医食同源をスイーツでも」というスピリッツがひしひしと伝わってくのが「八宝かき氷」。薬膳コーディネーターの資格を生かした、カラダに優しいかき氷です。
カシューナッツ、緑豆、ハトムギ、小豆、ハスの実、胡麻団子が、これでもかとばかりに盛られています。ナッツも豆もほっくり炊かれて柔らかく、自家製黒糖シロップとの相性も抜群。“かき氷で健康に”という発想は斬新ですね。
かき氷の後は、台湾烏龍茶でほっこり。「桂花胡麻湯圓かき氷」の余韻にさらに浸りたいので、金木犀の香りの烏龍茶、「桂花烏龍茶」をオーダー。可愛らしい茶器で楽しみます。
台湾で出会った感動を再現した豆花
さて、最後に店名にもなっている看板メニューの豆花をご紹介。アジア圏を旅し、医食同源の文化に感銘を受けた岩崎さん。中でも台湾には足繁く通い、南から北まで回ったそう。現地で、初めて食べた豆花に「スイーツとしておいしくて、さらに体にも良さそう!」と感動。日本でもたくさんの人にぜひ知ってもらいたい気持ちからお店をオープンさせたそうです。
店名を冠した「猿沢豆花」、「伝統豆花」、「美人豆花」などの定番豆花に加え、「白桃豆花」などの季節限定メニューがあり、どれを選ぶか非常に迷います。今回いただいたのは、「美人豆花」。美容に良いとされる食材がたっぷり入っているので美人豆花。
豆乳を固めて作ったつるんとなめらかな豆花はいくらでも食べられそう。
本格的な台湾スイーツが楽しめる「猿沢豆花」。期間限定の豆花や台湾式かき氷、冬季は温かい豆花や紅豆湯なども登場します。今回はご紹介できませんでしたが、ランチタイム限定で提供される鹹豆漿(シェントウジャン、豆乳のスープ)も人気だとか。訪れる時間や季節によってさまざまな味に出合えそうです。
Photo: photo scape CORNER.大﨑 俊典
Text:京都ライター事務所 小西尋子
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