小樽っ子のソウルフード! 「若鶏時代なると 本店」の若鶏の半身揚げ
全国区の知名度を誇る観光地・小樽といえば寿司などの海鮮グルメが有名。と思いきや、実は肉料理でも外せない名物メニューがあるのです。 それが昭和27年(1952)創業の老舗「若鶏時代なると」の若鶏の半身揚げ。 長年地元で愛される、まさに小樽っ子のソウルフードです。 港町・小樽で半身揚げが誕生した経緯と、数十年以上支持され続ける味の秘密を探ってきました!
70年の歴史を持つ老舗が生んだ小樽のソウルフード
札幌から車で45分ほどの小樽市は、小樽運河や、小樽の名店が立ち並ぶ堺町通り、重厚な銀行建築が残る北のウォール街などがある、道内有数の観光地。石造りの倉庫や石畳の道、日が暮れると灯るガス燈の明かりなど、ノスタルジックな街並みが魅力です。
その小樽で70年にわたって愛されるのが「若鶏時代なると」。JR小樽駅から徒歩6分ほどの場所にあり、昔ながらの建物や商店が残る梁川通りに面しています。
店内は一階と二階に分かれ、カウンターや小上がり、テーブル席など約250席と広々。観光客はもちろん、夕食時には地元のファミリー客が訪れたり、居酒屋のように利用する常連客も多いそう。
港町・小樽で鶏の半身揚げが生まれたワケ
なぜ、港町の小樽で鶏の半身揚げなのか? 3代目で副社長の阿部哲也さんに話を伺うと「当初は鉄板焼きの店として焼き鳥やお好み焼きを出していたんです。そのうち常連さんに鶏の半身を鉄板で蒸し焼きにして出すようになったのですが、焼き上がるのに30分以上かかってしまう。それなら揚げたらどうだろう、となって半身揚げが生まれたそうです」とのこと。
鶏肉は肉質の良い伊達市産の、生後38~41日の若鶏を使用。これ以上成長すると肉が硬くなり、逆に若いと小さくなってしまうのだとか。
味付けは塩とコショウのみで、一晩寝かせて味を染み込ませるのがポイント。揚げ方にもひと工夫があり、衣をつけず200度の高温で10~12分ほど揚げることで外はパリっ、中はふっくらと仕上がります。
5~6分ほど揚げたら、一度フライヤーから取り出してササミの部分に包丁を入れます。ここで肉の中への火の通り方を確認し、もう数分揚げれば完成です。ちなみに同店では、半身揚げだけで休日はおよそ600本、お盆休みなどの繁忙期は1日で1200本も注文があるというから驚きです。
ジューシーな鶏肉をがぶりと堪能
銀のお皿に乗せられて「若鶏の半身揚げ」980円が登場。「モモの部分やササミの部分を手で切り分けて、かぶり付いて下さい」ということで、熱々のところを手で割いて頂きます。ちなみに手が汚れるのが嫌な場合は切り分けてもらうこともできますよ。
モモの部分にかぶりつくと、パリパリの皮が香ばしく中はふんわりとやわらか。この一皿でササミやぽんじり、手羽先など鶏のほとんどの部位が楽しめます。味付けが塩とコショウだけとは思えないほど奥深いうま味があって、とってもジューシー。これはご飯にもビールにも合いますね!
揚げ物メニューはほかにもあり、定食や丼でも楽しめます。写真の「ざんぎ丼」810円は若者人気の高いメニューのひとつ。ゴロリとしたザンギをカットし、甘じょっぱい特製ダレを絡めたボリューミーな一品です。そのほか小樽らしい海鮮丼や寿司のほか、チャーハンやカレーなどもあり、サイドメニューも含めると100種類以上が揃います。
ちなみに、店外には半身揚げやザンギの自動販売機があり、24時間購入することが可能。調理済みが冷凍されているため、レンジで温めたりオーブンで焼くだけでお店の味が自宅で楽しめます。全国発送も受け付けており、もちろんお店で揚げたてをテイクアウトすることも可能です。
■若鶏時代なると 本店(わかどりじだいなると ほんてん)
住所:北海道小樽市稲穂3-16-13
TEL:0134-32-3280
営業時間:11~21時(20時30分LO)
定休日:不定休
Text:加藤太一(亜璃西社)
Photo:亀畑清隆
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