安芸灘とびしま海道で7島巡るサイクリング

【呉】安芸灘とびしま海道で絶景サイクリング!7島制覇が叶う1泊2日モデルコース

広島県 サイクリング モデルコース アウトドア るるぶ&more.編集部
Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket

広島県呉市の南側、瀬戸内海に浮かぶ7つの島と7つの橋からなる「安芸灘とびしま海道」。2022年のアカデミー賞受賞作『ドライブ・マイ・カー』のロケ地としても話題のエリアです!今回はそんな安芸灘とびしま海道を爽快にサイクリング。目安となる所要時間や距離感も徹底解説します。

Summary

【1日目:下蒲刈島】1日目のメイン!安芸灘大橋を渡ってゆるポタ島巡り

呉駅でレンタカーを借りて車を走らせること30分。安芸灘とびしま海道の入口・安芸灘大橋へ。映画『ドライブ・マイ・カー』では、安芸灘大橋を真っ赤な車で走行するシーンが印象的でした(通行料は普通車730円、軽自動車等570円。車種によって異なる)。

安芸灘大橋を渡ると1つ目の島、下蒲刈島。橋からすぐの場所にある「白崎園」からは安芸灘大橋が一望できて、印象的で巨大なモニュメントと一緒にフォトタイムが楽しめます!

車で走ること約10分、下蒲刈島の南に位置する「コテージ梶ヶ浜」で自転車をレンタル。ここは、レンタサイクルサービスのほかにも、古民家風のコテージをはじめキャンプ場やコワーキングスペースを備えていて、週末は家族連れで賑わう人気スポットです。

クロスバイクをはじめ各種自転車40台のほか、坂道をラクラク走れる電動アシスト自転車が全部で9台あり、めいっぱいサイクリングを楽しめます。

今回はこちらの電動アシスト付き自転車をレンタル。ヘルメットは無料貸出、乗り捨てや配車のサービスもあるので(1回1台1000円、要事前予約)、返却の時間に縛られずに予定が立てられます。

■コテージ梶ヶ浜(レンタサイクル)
住所:広島県呉市下蒲刈町下島839-16
TEL:0823-70-8151
営業時間:8時30分〜17時(受付時間)
定休日:なし(レンタサイクル)
料金:電動アシスト自転車3時間1500円、8時間3000円(自転車、ヘルメット、ボトルケージ、チェーンロック付き)。1泊2日の利用は応相談

自転車で走ること8分、地元の住民に長く愛されている食堂「麒麟」でランチ!瀬戸内海でとれた旬の魚が楽しめる「刺身定食」1400円をいただきます。この日は鯛、スズキ、タコの3種盛り。分厚くて新鮮な刺身は、身が引き締まっていてプリプリ、店主自慢の逸品です。

「えびふらい定食」1400円は頭までカリッと揚がった大きな2尾のエビが大迫力!「頭までおいしいよ!」と大将に教えてもらい、丸ごと堪能しちゃいました。

■麒麟
住所:広島県呉市下蒲刈町下島2363-1
TEL:0823-65-3121
営業時間:11〜14時
定休日:火・水曜

お腹が満たされたら下蒲刈島の海沿いをゆるポタ。中でも庭園風景や石畳が広がる「三之瀬(さんのせ)エリア」には歴史と文化を感じる多彩な6つの施設が立ち並び、観光にうってつけの場所となっています。
今回は入館料がお得になるセット券で巡ることができる4施設へ。4施設見学する所要時間はおよそ120分ほど、海や橋の風景を借景とした美しいガーデンアイランドを堪能します。

江戸時代、広島藩の海駅だった安芸蒲刈には朝鮮通信使が何度も立ち寄りました。そんな歴史にちなんで朝鮮通信使に関する資料や、その郷里である朝鮮半島由来の工芸品、古伊万里の名品や灯火器コレクションを展示している島の資料館、「松濤園(しょうとうえん)」(広島県呉市下蒲刈町下島2277-3)を見学します。

中でも目を引くのは「御馳走一番館(朝鮮通信使資料館)」。「安芸蒲刈御馳走一番」とは、安芸蒲刈で受けたおもてなしがすばらしかったという意を込めて、同行していた対馬藩主から言われた言葉なのだそうです。
松濤園に所蔵されている「朝鮮人来朝覚備前御馳走船行烈図」は、ユネスコの「世界の記憶」に登録されています。
庭には韓国から贈られた「ムクゲ」(韓国の国花)が咲き誇り、海と多島美の景色に彩りを添えています。日本庭園との相性もバツグン!フォトタイムも楽しめます。
松濤園の目と鼻の先にある「蘭島閣美術館(らんとうかくびじゅつかん)」(広島県呉市下蒲刈町三之瀬200-1)は木造建築の美術館。島ゆかりの作品や近代絵画を約2200点所蔵し、会期に応じて企画展示しています。静かで広々としているのでゆっくりと鑑賞することができます。
「三之瀬御本陣芸術文化館(さんのせごほんじんげいじゅつぶんかかん)」(広島県呉市下蒲刈町三之瀬311)では近代洋画壇で活躍した須田国太郎の作品を常設展示。氏の作品所蔵数は国内トップクラスなのだそうです。

施設巡りを楽しんだら、蘭島閣美術館の裏手に立つ茶室「白雪楼(はくせつろう)」(広島県呉市下蒲刈町三之瀬197)でひと休み。1階の座敷ではお抹茶と季節の和菓子をいただくことができます。このお抹茶と和菓子のサービスは、なんと入館料に含まれています。

特にすばらしいのは2階にある書斎からの眺め。障子で切り取られた瀬戸内海の風景はまるで絵画のようです。春は桜、秋は紅葉など季節を感じながら、ほっと一息。


■三之瀬エリア(蘭島文化振興財団)
住所:広島県呉市下蒲刈町下島2361-7
TEL:0823-65-2029
営業時間:9〜17時(入館は16時30分まで)
定休日:火曜(祝日の場合は翌日)
料金:石畳コースセット券/一般1680円、市外高校生1000円、市外小中学生660円(対象施設は松濤園、蘭島閣美術館、白雪楼、三之瀬御本陣芸術文化館)。松濤園/一般800円、高校生480円、小中学生320円。蘭島閣美術館/一般500円、高校生300円、小中学生200円。白雪楼/一般400円、高校生240円、小中学生160円。三之瀬御本陣芸術文化館/一般500円、高校生300円、小中学生200円
1日目のメイン・蘭島エリアを堪能したら蒲刈大橋を渡って次の島、上蒲刈島へ。…とその前に、旅の記念に蒲刈大橋の写真をパチリ。
蒲刈大橋を渡った先にあるサイクルステーション「であいの館」(広島県呉市蒲刈町向985-1)から次の目的地までは約7㎞、立ち寄る場所があまりないので、トイレ休憩などは先に済ませておくのがおすすめです。
30分ほどサイクリングを楽しんだら、上蒲刈島の真ん中に位置する古民家カフェ「tete&tete」でお待ちかねのおやつタイムです。
この古民家は店主・上田咲さんのおばあさんの家で、2018年には西日本豪雨で大きな被害に遭いました。しかし島の人々の助けによって土砂から見事再生し、2021年秋に「tete&tete」をオープン。2階にはハンドメイド作品を展示、販売するスペースもある温かい空間です。
おすすめは国産ハチミツを使った「日本ミツバチはちみつバター ドリンク&アイス付き」1000円。このメニュー、なんと店主・上田咲さんのお父さんが庭先で育てた日本ミツバチのハチミツがたっぷりと味わえる一品です!
沖縄でパン作りの修業をした上田さんがこだわって作り上げた、ふわっとしっとり感のあるスフレは、喉越しなめらかなやさしい味わいのハチミツと相性バツグンです。


■tete&tete
住所:広島県呉市蒲刈町大浦1235
TEL:050-8882-0522
営業時間:11〜16時
定休日:水・木曜

【1日目:上蒲刈島】ドーム型コテージで過ごすプライベートなひととき

日が暮れる前に自転車で移動して約10分、宿泊先の「県民の浜」へ。宿泊施設は館内ホテルのほか2種類のコテージがあり、今回はドーム型コテージをチョイスしました!

まるで異国の雰囲気が漂う白色のドームは2人部屋と4人部屋の2種類。室内にミニキッチンがあるので、好きな食材を買ってきてワイワイと料理を楽しむこともできます。

今回はオプションのバーベキューセット(コンロの貸出3000円、食材2人前2600円など)を堪能!目の前に雄大な海が広がるという最高のロケーションで、旅の疲れを癒やします。

県民の浜の売店には、安芸灘とびしま海道や近隣地域にちなんだ豊富なお土産が並んでいて、何を買って帰るか迷ってしまうくらい。今回は「大長みかんラスク」と「姫ひじき胡麻醤油ドレッシング」「海人の藻塩を使った島レモンとゆこうのポン酢」を購入!
大長みかんは大崎下島を中心に栽培されているみかんで、全国的にもファンの多いブランド。ラスクはほんのりみかんの香りとサクサク食感が楽しめ、爽やかな味わいが特徴でした。
姫ひじき胡麻醤油ドレッシングは、下蒲刈島の特産品である姫ひじきをふんだんに使った風味豊かな和風ドレッシングで、地元の人にも愛されています。
また「ゆこう」とは柚子と橙の自然交配種。まろやかで糖度が高く、すし酢の代わりなどにも使用されていますが、生産量が少ないので「幻の果実」とも呼ばれています。

■県民の浜 コテージかまがり
住所:広島県呉市蒲刈町大浦7605
TEL:0823-66-1177
IN/OUT:15時/10時
定休日:年数回の休館日あり
料金:シーズン、部屋によって異なる

暗くなってきたら同敷地内にある「かまがり天体観測館」へ。海のそばという立地は全国的にも珍しく、波の音に耳を傾けながら天体観測ができる風情ある施設です。満天の星は思わずため息の出る幻想的な美しさ。夜になったらぜひ、星空を見上げてみてください。

■かまがり天体観測館
住所:広島県呉市蒲刈町大浦8160
TEL:0823-66-0925
営業時間:9〜21時(定例観察会・イベント時以外は要予約)
定休日:月・火曜、年末年始
料金:大人200円、小学生以上100円(イベント等の内容によって変更あり)

【2日目:豊島】おしゃれな雑貨店と地元のお好み焼店で感じる島時間

2日目は県民の浜からスタート!自転車で約20分走り、豊島大橋を渡って3つ目の島・豊島へ。トンネルを抜けてすぐに現れる橋とオーシャンビューは思わず息をのむ大迫力です。
豊島北側の海沿いを走ること約17分、イラストレーターで焼き物作家のおりでちせさんが営むアトリエ兼ショップ「Shimau.」に到着。

おりでさんが制作したアクセサリーやポストカード、便箋などのオリジナル雑貨をはじめ、自身が焼いて絵付けを施した陶器なども並ぶ素敵な空間です。

もともと動物が好きだったというおりでさんの作品には生き物がたくさん。イカやタコなど海の生き物がモチーフとなった作品もたくさんあります。島で過ごした思い出になるものがきっと見つかるはずです。

■Shimau.
住所:広島県呉市豊浜町豊島3534-8
営業時間:10〜16時
HP:https://www.oridechise.net
定休日:臨時休業あり ※HPで営業日を確認の上来店を
自転車を置いて島をのんびり散歩。豊島は古くからの漁師町で、人々の暮らしが間近で感じられるのんびりとした島です。住宅が密集していて細い路地はまるで迷路のよう。ねこが多く、路地裏のコンクリートには足跡がついていることも。
島散歩を楽しんだら、路地を入った先にある「お食事処 マリちゃん」でランチ。もともと漁師だったという店主の西中マリ子さんが切り盛りする島の飲食店です。

たっぷりかかったネギがうれしい「お好み焼き そば肉玉(シングル)」650円をぺろりと完食。島の集会場のような温かい空間で、マリちゃんとざっくばらんな会話を楽しんでください。

■お食事処 マリちゃん
住所:広島県呉市豊浜町大字豊島3597-1
TEL:0823-68-3199
営業時間:10時30分〜15時
定休日:水曜
お腹がふくれたところで、自転車に乗って次の島へ出発!安芸灘とびしま海道で4番目の橋、豊浜大橋を渡って大崎下島に向かいます。

【2日目:大崎下島〜岡村島】旅のしめくくりは御手洗地区がおすすめ

約10分で、安芸灘とびしま海道4つ目の島・大崎下島に到着です。ここからは7島制覇を目指してひたすら自転車をこぎます!
島北側の海沿いを走ること25分、5番目の橋・平羅橋(へいらばし)が見えてきます。ここまで来たらゴールは目前!
平羅橋を渡ると平羅島、中の瀬戸大橋を渡ると中ノ島、そして最後の橋・岡村大橋を渡ると旅のゴール、岡村島へ!平羅橋から岡村島までは1.8㎞弱(自転車で約8分)で、岡村大橋の上には広島県と愛媛県の県境が。
安芸灘とびしま海道の7島制覇、お疲れ様でした!サイクリングを楽しんだら大崎下島に戻り、ノスタルジックな町並みが魅力の御手洗地区を散歩するのが旅のしめくくりにおすすめです。次の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

Text:安藤未来
一部画像提供:かまがり天体観測館、Shimau.

●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。

Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket
記事トップに戻る

この記事に関連するタグ

編集部のおすすめ

ページトップへ戻る

検索したいキーワードを入力してください