京都の町家カフェ「食と森」に流れるやさしい時間

京都の町家カフェ「食と森」に流れるやさしい時間

京都府 るるぶ&more.編集部 町家カフェ ヘルシーランチ スイーツ
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2022年6月、西本願寺の近くにオープンした「食と森」。大正時代から大事に使われてきた風情ある空間や家具をできるだけ活用した京町家のカフェです。店内でいただける手作りのフードやドリンク、中庭、食器にいたるまで目にするものすべてに癒されに行きましょう。

サステナブルな風が吹く築100年の町家

大正時代に建てられてから、長らく豆腐店としてご近所に親しまれていた古い町家を再生。扉を開けると自然光を浴びて元気に育つ、観葉植物が出迎えてくれます。靴を脱いで過ごせるのも歩き疲れた散策途中にはうれしいですよね。

店長の松田俊昭さんはイタリアン&フレンチのシェフ出身。料理留学したいという夢を実行に移し、フィレンツェ、ミラノなど北イタリアの星付きリストランテを中心に12年もの間、海外暮らしを経験したそう。帰国してからしばらくは神戸のフレンチレストランに勤務し、2022年6月8日に「食と森」をオープン。
「イタリアを拠点にさまざまな国へ旅に出かけ、イタリアに料理修業にやってくる世界各国の仲間と知り合えた経験は、大きな財産です。広い世界を見ているうち、食を通してみんなが交流できる場所をつくることが自分の目標になっていきました」と松田さん。近い将来、食べることに困った時、子どもはもちろん、大人も利用できる地域食堂をしたいと考えているそうです。

1階のあちらこちらで目にするポスターは、福祉事業所「やまなみ工房」の作家たちによるアート作品。不思議と和の空間に馴染んでいますね。

 野菜のおばんざい満載!プレートランチ

「プレートランチ」1350円の内容は日替わり。豆腐ハンバーグ、鶏もも肉の黒酢南蛮漬け、キャロットラペ、赤キャベツのザワークラウトなど、カラフルで栄養バランスのよいおかずが並びます。新鮮な野菜は直接農家さんから受け取るほか、有機や減農薬の野菜を扱う八百屋さんから仕入れているそうです。

赤キャベツのザワークラウトに赤ワインビネガーを使ったり、天ぷらの衣をベニエ風にふんわり仕上げたり、イタリアンやフレンチで培った技術もプレートの中に盛り込まれています。

 人と地球に優しいドリンク&スイーツ

季節のフルーツを使った「日替わりビネガーサイダー」450円も、もちろん自家製。食品ロス削減の観点から発想を得たメニューで、キズがついたり、採れすぎたりした露地モノの苺を農家さんから買い取って、砂糖とビネガーに漬け込んでいます。マイクロプラスチックを減らしたいからと、紙のストローを採用。

いつか純喫茶で食べたような、どこか懐かしい固めの食感で自家製の「丹波のたまごプリン」550円は、地元京都産の卵、牛乳、砂糖だけで作られています。生クリームと真っ赤なさくらんぼのトッピングもかわいい!

豆腐店だったという建物への敬意を込めて、豆腐や豆乳を使ったメニューもスタンバイ。「豆乳100%チーズケーキ」550円は、牛乳と小麦粉は使わず豆乳を使用。クリームチーズのさっぱりとした味わいの奥に、豆乳のやさしい風味をほんのり感じます。

実はカフェ運営を行いながら、企業のメニュー開発や商品開発、フードロス事業なども展開している松田さん。数年のうちに、アフリカで食の貧困問題の改善に取り組んでいきたいそうです。人にも、地球にも優しいカフェ、気軽にのぞいてみてくださいね。

食と森
住所:京都市下京区蛭子水町605
TEL:075-366-5898
営業時間:ランチ 11時30分~14時 (13時30分LO) 、カフェ 15~17時LO、ディナー 18~21時 LO※売り切れ次第、閉店する場合もあり
定休日:不定休

Photo:鈴木誠一
Text:立原里穂

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