【長野県】2022年8月オープンの「OYAKI FARM(おやき ふぁーむ) BY IROHADO」が、おやきカルチャーを世界へ発信!

【長野県】2022年8月オープンの「OYAKI FARM(おやき ふぁーむ) BY IROHADO」が、おやきカルチャーを世界へ発信!

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2022年8月「OYAKI FARM BY IROHADO(おやき ふぁーむ ばい いろはどう)」が、長野自動車道長野インターチェンジすぐそばにオープンしました。2025年に創業100年を迎えるおやきの老舗「いろは堂」の新工場です。工場と言っても、その洗練されたデザインはおしゃれなカフェやモールをイメージしてしまうほど。実際に工場オリジナルメニューが食べられるカフェスペースやおやきの販売ブースもあり、信州おやきの世界を心ゆくまで堪能することができる施設です。プロジェクト誕生秘話なども交え、その魅力をご紹介します。

Summary

おやきの本場、北信を代表する「いろは堂」

おやきの具材に使われる野菜が描かれたパッケージは約20年以上変わらない
おやきの具材に使われる野菜が描かれたパッケージは約20年以上変わらないデザイン

おやきと言えば長野県を代表する郷土食として有名です。なかでも、おやき発祥の地と言われる西山地域のある長野県の北側に約半数以上のおやき専門店が集中しています。そんな北側エリアの中でも“揚げて焼く”という独自の製法で高い人気を誇っているのが、長野市鬼無里村(きなさむら)に本店を構える「いろは堂」。焼いたものや、蒸したものが一般的ですが、揚げるという手間を加えた「いろは堂」のおやきは全国にファンを抱えます。百貨店や駅ビルにも店舗を展開しているので、長野県を観光で訪れたことがある人なら、このパッケージのイラストには馴染みがあるかもしれませんね。

国内最大級の製造量を誇るおやき工場

工場にカフェ、ショップが併設されています
工場にカフェやショップなどが併設されています

そんなおやきの人気店「いろは堂」が、2022年8月、長野インターチェンジ近くの広大な敷地に新工場を併設した施設「OYAKI FARM BY IROHADO」をオープンさせました。長野県産木材を使用した建物は、ぬくもりがありながらもスタイリッシュで、とても印象的。真上から見るとふたつの円が重なるようなデザインになっています。この施設の約6割の敷地面積を占める工場部分では年間500万個の製造が可能。国内でも最大級の製造量を誇っています。

具材はひとつひとつ手包み。きれいに包むためには職人の技術も必要
具材はひとつひとつ手包み。きれいに包むためには職人の技術も必要です

施設内には製造工程が見学できる約20メートルの見学通路もあり、その様子を目の前で見ることができます。作り手が見えるというのは安心感がありますね。さらに、おやきが作られる過程を知ることで、おやきへの興味もグンと高まります。

おやきをインスパイアしたユニークなメニューが楽しめる

カフェとショップのカウンターは一緒になっています
カフェとショップが一緒になっています
オヤキジホットサンド【ハムチーズ】 330円
「オヤキジホットサンド(ハムチーズ)」360円

「OYAKI FARM BY IROHADO」の魅力は工場見学ばかりではありません。カフェでは、ここでしか味わえないおやきを使ったユニークなメニューを提供しています。そのひとつがおやき生地を使用したドーナッツ風のホットサンド。一見、これがおやき?と思ってしまうような見た目ですが、実際に食べてみると、たしかにおやきならではの独特な生地の食感。そこに一般的なおやきには使われないチーズやハム、レタスがサンドされているので、おやきを食べたことがある人も、これまで味わったことのない新感覚テイストが楽しめますよ。

おやきアイスサンド【粒あん】 384円
「おやきアイスサンド(粒あん)」384円

まるでマリトッツォみたいな見た目の「おやきアイスサンド」は、鬼無里村にある本店に併設されたカフェで人気のメニュー。ここでは長野県長和町にある「長門牧場」のミルクアイスを使ったスペシャルバージョンで提供されます。

カフェではオリジナルメニューばかりではなく、「いろは堂」自慢のおやきも常時提供。スタンダードなおやきとの食べ比べも楽しめます。また、地元長野市の人気ロースター「Foret coffee」にオーダーしたスペシャルブレンドのコーヒーも味わえます。こちらのブレンド、おやきに合う味をコンセプトに作られているんだとか。

カフェの一角にはショップスペースも併設。「いろは堂」のおやきをはじめ、同社が厳選した長野県の名産品や、ここでしか手に入らないオリジナルグッズはおみやげにぴったりです。

広く見晴らしの良いスカイデッキは、ついつい長居したくなります
広く見晴らしの良いスカイデッキは、ついつい長居したくなります

2階にはカフェで購入した商品を持ち込める広いスカイデッキがあり、遠くにたたずむ山々を眺めながらおやきやコーヒーを楽しむことができる場所になっています。

さまざまな体験を通じて知る、おやきの魅力

おやき作り体験教室も開催されています
施設の一角では子どもが参加できるおやき作り体験教室も開催されています
具材を包んで、焼き上げるところまで一貫して体験できます
具材を包んで、焼き上げるところまで一貫して体験できます

施設では“作る”という体験を通じて、おやきの魅力を知ることもできます。かつて長野県では家庭で日常的に作られていたおやき。時代の変化とともに、その光景は減りつつあります。このままでは地域の文化を伝えるローカルフードが消えてしまう。そんな思いから、地域の文化を持続させていきたいと、この施設の中におやき作りが体験できるコーナーを設けました。食べる、買うだけでなく、体験することで、より一層おやきを楽しめますね。

世界を見据えたおやき文化の発信基地

おやき工場とは思えないほdpスタイリッシュなデザインの内観
おやき工場とは思えないほどスタイリッシュな内観

「いろは堂」が見据えているのは新たなおやき文化の発信だといいます。その目標を実現するため、このプロジェクトには多くのスペシャリストが参加しています。

施設のクリエイティブデザインを手掛ける鈴木龍之介さん
施設のクリエイティブデザインを手掛ける鈴木龍之介さん

施設内のクリエイティブデザイン全般を担当するのは「株式会社Necton」の鈴木龍之介さんです。要となるロゴも彼が手掛けたもの。ちなみにこのロゴ、OYAKIの「Y」をベースに円がつながっていく過程を連想させるデザインになっているのだそう。

(右)カズワタベさん、(中央)いろは堂伊藤専務、(左)Huuu代表 徳谷柿次郎さん
(左)徳谷柿次郎さん、(中央)伊藤拓宗さん、(右)カズワタベさん

プロジェクトの総合プロデュースを行うのは大手レシピサイトの執行役員も務めるカズワタベさん。鈴木さんとカズワタベさんを「いろは堂」に巡り合わせたのが、長野県に拠点を置く編集者ギルド「株式会社Huuuu」の徳谷柿次郎さんと藤原正賢さんです。「いろは堂」の専務を務める伊藤さんが、旧知の仲だった藤原さんに「信州の誇るおやき文化を世界に発信したい」と、胸に秘めていた壮大な希望について相談したことがきっかけ。こうして結成されたプロジェクトチームの手によって、これまでにない新たなおやき文化の発信拠点が誕生しました。

誰もが口を揃えてこのプロジェクトの中心人物という藤原正賢さん
このプロジェクトの中心人物である藤原正賢さん

間もなく創業100年を迎える老舗おやき店が積み重ねてきた味のクオリティと、クリエイティブな視点で作られた新感覚のおやきが体験できるこの施設。長野市に来たら、ぜひ足を運んでみてくださいね。

■OYAKI FARM BY IROHADO(おやきふぁーむばいいろはどう)

住所:長野県長野市篠ノ井杵淵7-1
電話番号:026-214-0410
営業時間:9時30分~18時(17時30分LO)
定休日:不定休

【工場見学】
見学時間:10~16時
定休日:火曜
※一般の方の撮影は不可

Text:馬場裕一郎
Photo:松本千尋

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