【沖縄】「読谷村やちむんの里」で立ち寄りたい工房とセレクトショップ6選!焼き物好き必見の見どころ紹介
焼き物好きにはたまらない沖縄の観光スポットといえば、那覇空港から車で1時間ほどのところにある工芸の村「やちむんの里」!エリア内には数多くの工房や焼き物を扱うショップが点在し、観光客だけでなく、やちむん好きの地元民や県内外の飲食店関係者も訪れます。
Summary
沖縄の伝統工芸「やちむん」とは?
「やちむん」は、沖縄の言葉で焼き物のこと。最近県外でも注目を集めているやちむんは、ぽってりとした厚みと素朴な佇まいが特徴で、多くの人たちを魅了しています。力強く生命力のある絵付けも魅力的。職人たちの手で一点一点作り上げるので、ひとつとして同じものはありません。
オンラインでお買い物ができる便利な時代ですが、作り手の温かさが感じられるやちむんは、実際に手にとって、質感や手に持った時の馴染み具合を感じてから購入するのがおすすめです!
陶芸家・工房が集まる「やちむんの里」
昭和49年(1974)に那覇市が薪を使った窯焼きを禁止したことで、沖縄で初めての人間国宝となった故・金城次郎(きんじょうじろう)氏が那覇市壺屋から読谷村へ窯を移しました。それがきっかけで、読谷村に多くの陶芸家が集まるようになったと言われています。
現在、村内には72の工房があり、やちむんの里内には19の工房や個性豊かなギャラリー、セレクトショップが軒を連ねます。
そんなやちむんの里には4つの登り窯がありますが、シンボルとなるのは、やちむんの里の中央にある赤瓦の屋根と石積みの壁でできた長さ25mの大きな登り窯。1980年に4名の作家・金城明光(きんじょうめいこう)さん、玉元輝政(たまもとてるまさ)さん、大嶺實清(おおみねじっせい)さん、山田真萬(やまだしんまん)さんが共同で作り上げた窯です。
この共同窯では年に数回(3月、6月、9月、12月)火入れが行われ、その際は約3日間、火を絶やさないよう昼夜問わず職人たちが交代で見守ります。
やちむんの里全体は1~2時間ほどで歩ける広さですが、器が好きな方は半日かけてゆっくりと見てまわるのが良さそうです。
心惹かれる色鮮やかで可愛らしい器「陶芸工房ふじ」
多くの女性から支持を受けているのは、金城次郎氏の孫である藤岡香奈子さんが営む工房兼ギャラリー「陶芸工房ふじ」。両親だけでなく兄弟や親戚も陶芸家という陶芸一家に育った藤岡さんは、幼い頃からやちむんに親しみがあり、モノづくりも好きだったことから、お手伝い感覚で陶芸の世界へ入りました。
伝統的な手法を大切にしながらも、新しい色や、鯨や亀、月桃、ハイビスカスなど、今までのやちむんにはあまり使われてこなかった沖縄の動植物をモチーフにし、現代のライフスタイルにも合うようなやちむんを生み出します。
カラフルでポップな絵付けは、女性ならではの目線と感性を活かしたものばかり。ひとつあると食卓が華やかになること間違いありません。
■陶芸工房ふじ(とうげいこうぼうふじ)
住所:沖縄県中頭郡読谷村座喜味2677-1
TEL:098-989-1375
営業時間:9~18時
定休日:不定休
日々の暮らしを彩る、使い手に寄り添う器「常秀工房」
やちむんの里に入ってすぐ右手に工房を構える「常秀工房」は、敷地内に直営店「ギャラリーうつわ家」があり、島袋常秀(しまぶくろつねひで)さんが手がけたやちむんを購入することができます。
伝統技術を大切にしながらも、使い手の声を取り入れ、普段使いしやすい形やデザインに仕上げる島袋さん。年に4回、登り窯「金城次郎窯」で焼かれる陶器は全て一点ものです。手に持ってみると見た目よりも軽く、どれも使いやすそう。
素朴な風合いと温かみが感じられる「常秀工房」のやちむんは、日々の暮らしに寄り添ってくれるはずです。
■常秀工房(つねひでこうぼう)/ギャラリーうつわ家(ぎゃらりーうつわや)
住所:沖縄県中頭郡読谷村座喜味2748
TEL:090-1179-8260
営業時間:9~18時(日曜は10時~)
定休日:不定休
昔ながらの伝統を継承。現代の暮らしに取り入れたい器「横田屋窯」
伝統の手法や柄を守りつつ、使い手が“日常使い”できる器やカップを生み出すのは「横田屋窯」の知花(ちばな)ご夫妻と、息子さんである2代目の清人(きよひと)さんです。陶器作りの際に使う土は、県内で採れる7種類ほどの土をブレンド。釉薬(ゆうやく)も手作りし、昔ながらのやり方で、ひとつひとつ丁寧に仕上げていきます。
やちむんの里内に、個人で大きな登り窯を所有しています。窯から出し、仕上げ作業が終わったやちむんは、軒先で販売。
おおらかで、力強い印象を受ける器やカップは程よい重みがあります。土の温かみがしっかりと感じられ、現代人の暮らしにも溶け込んでくれることでしょう。
■横田屋窯(ゆくたやがま)
住所:沖縄県中頭郡読谷村座喜味2651-1
TEL:090-6867-9822
営業時間:9~12時、13~17時
定休日:日曜
4人の親方の個性がきらり「読谷山焼北窯売店」
国内外から注目を集め開店直後から店内が賑わうのは、「読谷山焼北窯売店」。松田共司(まつだきょうし)さん、松田米司(まつだよねし)さん、宮城正享(みやぎまさたか)さん、與那原正守(よなはらまさもり)さんの作品が購入できる直売所です。
箸置きなどの小さなものから、大皿や急須など、幅広いアイテムが揃います。4名の親方の個性あふれる作品がずらりと並び、思わず目移りしてしまいます。
■読谷山焼北窯売店(よみたんざんやききたがまばいてん)
住所:沖縄県中頭郡読谷村座喜味2653-1
TEL:098-958-6488
営業時間:9時30分~13時、14時~17時30分
定休日:不定休
センス抜群で目移り必至。セレクトショップ「楓千夢」
2019年2月にオープンした「楓千夢」は、親しみやすい外観が印象的。こちらのセレクトショップでは、30名ほどの作家のやちむんを扱っています。
「心がワクワクするやちむんを買い付けています」と話すのは、直感と感覚を大切にするオーナーの玉城(たまき)さん。直接工房へ出向き、本能的に惹かれるアイテムを選ぶようにしているそうです。
明るくスッキリとした店内には、ポップで可愛らしいマカイ(お椀)やカップ、洗練された美しい佇まいの器などがディスプレイされています。他店ではなかなか手に入らない作家のやちむんも扱っているので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
■楓千夢(ふうせんむ)
住所:沖縄県中頭郡読谷村座喜味2677-3
TEL:098-800-2528
営業時間:10~17時
定休日:火曜・水曜
“自分が使いたい器”を形にし、販売!「やちむんヤムチン」
2019年7月にやちむんの里入り口にオープンしたのは、土工房陶糸の直売所「やちむんヤムチン」。
こちらを営む糸数裕樹(いとかずゆうき)さんは「こだわり過ぎないのがこだわりで、自分が使いたいと思う器やカップを形にするようにしています」と話します。
伝統的なやちむんの枠にはまらない自由で個性的な作品は「日常で頻繁に使ってほしい」と、リーズナブルな価格帯で販売。知人作家の作品も扱いますが、作る立場から見た“いいモノ”を厳選するように心がけているとのこと。
■やちむんヤムチン
住所:沖縄県中頭郡読谷村座喜味2695-1
TEL:090-9782-4343
営業時間:11~17時
定休日:不定休
様々な陶芸家や工房が集まる「やちむんの里」。ぜひお気に入りのものを探しに来てくださいね。
Photo &text:舘幸子
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