【岐阜・郡上市】夏の夜を彩る伝統の「郡上おどり」と郡上八幡を巡る旅へ

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岐阜県郡上市。岐阜市から高速バスで70分ほどの場所にある、山々に囲まれ、長良川とその支流が流れる自然豊かな町ですが、なんと言っても有名なのが八幡町(郡上八幡)で夏に行われる「郡上おどり」です。ひと夏の間、会場を移しながら踊り、お盆の時期には明け方まで踊り続ける“徹夜おどり”が特に有名です。今回は3年ぶりに開催された「郡上おどり」を体験しに郡上市を旅してきました!

Summary

3年ぶりの開催!400年続く伝統の夜祭「郡上おどり」を体験

「郡上おどり」は江戸時代から郡上八幡で400年以上続く伝統的な盆踊り。毎年7月中旬から9月上旬まで、30数夜に渡って町内各所で盆踊りが繰り広げられます。踊りは一般参加も可能のため、祭りの時期は全国から30万人もの観光客が訪れる一大イベントなのです。特にお盆中は明け方まで夜を徹して盆踊りをする“徹夜おどり”が有名。2020年、2021年はコロナ禍で中止を余儀なくされていましたが、2022年、3年ぶりに規模を制限して開催されました。

訪れたのは「郡上おどり」の初日(7/9)。会場となった郡上市の旧庁舎記念館前の広場に移動式の屋形が登場。お囃子が始まると集まった浴衣姿の人々が輪になって踊り始め、夜の郡上の町に下駄の鳴る音が響きます。

「郡上おどり」の起源は江戸時代。当時の城主がバラバラに行われていた盆踊りを城下に集め、身分に関わらず一緒に踊ることを奨励したのが始まりだそう。「郡上おどり」は”見るおどり”ではなく“踊るおどり”と言われ、地元の人と観光客が輪になって一緒に踊れるのです。全部で10種類あるお囃子に合わせて、見よう見まねで踊っていれば、すぐに動きを覚えてすっかり踊りの輪の一員に。踊りの動きはシンプルなものが多く、お囃子に合わせて体を動かしていると、時間を忘れて一心不乱に踊っている自分に気づきます。お盆に行われる“徹夜おどり”も踊っていたらきっとあっという間に明け方になるのでしょうね。

■郡上おどり
詳細は郡上市ホームページ
http://www.gujohachiman.com/kanko/

長良川を望む露天風呂で疲れを癒す『ホテル郡上八幡』

「郡上おどり」をたっぷり楽しんだ後は、長良川沿いに立つ『ホテル郡上八幡』に宿泊。郡上市では最大級のホテルで、郡上おどりのシーズンは全国からの宿泊客でにぎわいます。おすすめは目の前を長良川が流れる露天風呂。清流の水音を聴きながら温泉に浸かり、踊りの疲れを癒しました。

「郡上おどり」期間中は、会場とホテルを結ぶ無料の送迎バスも運行します。

■ホテル郡上八幡
住所:岐阜県郡上市八幡町吉野208
TEL:0575-63-2311
チェックイン15時/チェックアウト10時
※プランによって異なる場合があるので、詳細は公式サイト参照
http://www.chitora.co.jp/

郡上市発祥の食品サンプルを制作体験『さんぷる工房』

ホテルを後にして、再び郡上市内へ。意外に思うかもしれませんが、飲食店などでおなじみの食品サンプルは、実は郡上市が発祥なのです。約90年前、郡上八幡出身の岩崎瀧三さんが開発した食品サンプルは、現在でも全国の製造シェアの約半数を郡上市が占めています。

『さんぷる工房』は、食品サンプルの制作体験が行えるお店。築150年の町家を改装した奥行きのある店内では、食品サンプルの制作体験のほか、食品サンプルを実際に生産している工房の見学や、食品サンプルのショップも併設しています。

食品サンプルの制作にチャレンジしてみました。「フルーツタルト」1650円と「アイスクリーム型のスマホスタンド」1100円などから選べますが、今回はフルーツタルトに挑戦。あらかじめ用意されたタルト生地(のサンプル)にフルーツや生クリームを実際のお菓子を作るようにトッピングしていきます。30分~50分ほどで完成。本当に本物と見間違えるほどそっくりです。

建物奥の工房では、食品サンプルの製造工程を聞きながら、実際に触ることもできます。ラーメンもこの通り。また、併設のショップでは食品サンプルのキーホルダーやマグネットなど、豊富な種類の食品サンプルが購入できます。

■食品サンプル創作館 さんぷる工房
住所:岐阜県郡上市八幡町橋本町956
TEL:0575-67-1870
営業時間:10~17時
定休日:水曜(夏休み期間中は無休)、年末年始

郡上市民に親しまれる老舗のお蕎麦屋さん『松葉屋』の名物“天ぷら中華”

お昼ご飯は大正3年(1914)創業の松葉屋へ。昔ながらの食事処という風情ある建物に入り、注文したのは名物の中華そばに天ぷらをのせた「天ぷら中華」800円。琥珀色のつゆからはカツオ出汁の香りが漂い、揚げたてのエビの天ぷらがどーんと鎮座しています。つるつるとした中華そばをいただきながら、少しつゆに浸した天ぷらを味わう贅沢な一杯。この天ぷら中華はその昔、常連さんのリクエストから生まれたそうで、郡上八幡の人たちに愛される名店ならではのエピソードですね。

■松葉屋
住所:郡上市八幡町橋本町908
TEL:0575-65-2271
営業時間:11時~22時30分
定休日:木曜

サイクリングツアーで郡上の町を巡る『長良川サイクルクルーズ』

お昼をいただいた後は、サイクリングツアーで郡上八幡の町を巡ります。ガイド付きレンタサイクル「長良川サイクルクルーズ」の“城下町コース”では、郡上八幡の歴史的な町並みや町の人々の暮らしに触れるスポットを自転車で訪れることができます。

江戸時代・大正時代の大火の教訓から、町に水路が張り巡らされた郡上八幡の歴史をガイドさんに教えてもらったり、現在も現役の共同井戸の手漕ぎポンプを体験してみたり。

慈恩禅寺では、広大なお座敷から目の覚めるような美しいお庭を拝見して、一休みしたり。

ガイドさんは郡上八幡の方で、町を走りながら、臨機応変にいろいろなお店に立ち寄って紹介してくれます。まるで友人に紹介されるように郡上の方と知り合えるのは地元のツアーならでは。また郡上に訪れる理由ができますね。

■長良川サイクルクルーズ

TEL:0575-67-9366
城下町コース:10時、13時、15時
料金:4000円(定員5名、最少催行人数2名)
所要:約2時間
※詳細は公式サイト参照
http://www.cycle-cruise.com/


旅の最後は香ばしいみたらし団子で。『団子茶屋』

サイクリングで体を動かしたら、旅の最後は甘味処へ。「団子茶屋』では、その名の通りみたらし団子が人気。5つ玉のみたらし団子は、郡上産のお米で作られ、注文が入ってから焼き上げます。甘辛いタレをたっぷりつけたみたらし団子は、1本はそのまま、もう1本は別皿のきな粉をまぶしていただくのがおすすめ。お団子の甘味と、さわやかな酸味がおいしい夏限定の自家製紫蘇ジュースのセット700円で、疲れも吹き飛びます。

■団子茶屋

住所:岐阜県郡上市八幡町島谷1105
TEL:0575-67-1222
営業時間:10時30分~18時
定休日:不定休


郡上八幡を巡る旅、いかがでしたか?町の人たちと観光客が輪になって一緒に踊れる 「郡上おどり」のように、郡上八幡の人たちはとてもフレンドリーで、 町のことをたくさん教えてくれます。人々が大切に紡いできた歴史を感じさせる郡上八幡をぜひ訪れてみてくださいね。


Text:江本典隆(JTBパブリッシング)
Photo:江本典隆(JTBパブリッシング)、ホテル郡上八幡

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