うれしの茶交流館 チャオシル

「チャオシル」で飲んでおいしい、体験して楽しい。知るほどに奥深い「うれしの茶」のヒミツ

るるぶ&more.編集部 佐賀県 日本茶 体験教室 カフェ
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全国でも珍しいお茶専門資料館「チャオシル」がある佐賀県嬉野市。市の名産品の一つ「うれしの茶」は、さわやかな香りとコクのある味わいが特徴です。「チャオシル」では、奥深くおいしい「うれしの茶」のヒミツをさまざまな体験で知ることができます。

Summary

佐賀県内唯一、お茶の知識を高める学習スポット

うれしの茶交流館 チャオシル

霧深い山々に囲まれた盆地、澄んだ空気と清らかな水、豊かな自然に囲まれた佐賀県・嬉野市は、全国有数の生産量を誇るお茶の産地です。茶の栽培の歴史は古く、遡ること永享12年(1440)、中国大陸から渡来した唐人が陶器を焼く技術とともに、自家用の茶樹の栽培方法を伝えたといわれています。

数百年の歴史を継承する「うれしの茶」の魅力を体感できるのが「うれしの茶交流館 チャオシル(うれしのちゃこうりゅうかん ちゃおしる)」。佐賀県内では唯一、そして全国的にも貴重なお茶専門の資料館です。コンセプトは「お茶を学び、お茶を味わい、人との交流を通じてお茶を知る」。お茶の歴史を学ぶ展示室やカフェのほか、おいしいお茶の淹れ方教室といった体験メニューも揃っています。

うれしの茶交流館 チャオシル

館内には、日本茶や「うれしの茶」の歴史を学べる2つの展示室があります。まずは「お茶の歴史を知る」展示室へ。中国で栽培が始まり、日本には平安時代に伝わってきたといわれるお茶。「うれしの茶」のルーツのほか、誕生から今日に至るまでのさまざまな歴史やドラマが分かりやすく紹介されています

うれしの茶交流館 チャオシル

歴史を深く学んだ後は、「お茶ができるまでを知る」展示室へ移動。畑作りからお茶の栽培、摘み取り、加工・仕上げまでが順を追って説明されています。実際に使われていた道具も展示されており、ぐっと引き込まれてしまいます。

日本茶インストラクターに教わるおいしく淹れるコツ

うれしの茶交流館 チャオシル

お茶に関する知識が深まったら、人気の体験メニュー「お茶の淹れ方教室」(1人300円)に参加しましょう。教えてくれるのは日本茶インストラクターの資格を持つ同館のスタッフさん。所要時間は30分ほどです。

うれしの茶交流館 チャオシル

レクチャーを受けながら自分でお茶を淹れます。おいしいお茶を淹れるためには、お湯の温度が重要。好みもありますが、適温はおよそ70℃とのこと。沸騰した100℃のお湯をポットに移し、湯のみに注ぎます。容器を移し替えるごとに10℃下がるといわれており、この工程で約80℃になる計算です。

うれしの茶交流館 チャオシル

そして茶葉を入れた急須にお湯を注げば70℃に。ちなみに、80℃以上で淹れると渋みが、60℃以下で淹れると甘みやまろみをしっかり感じることができるそうです。

うれしの茶交流館 チャオシル

急須のふたをして1分待ちます。この時、ふたの穴と急須の注ぎ口の向きを合わせるのがポイント!急須の中に空気を取り込むことで茶葉が対流し、おいしさが充分に引き出されます。絵付きの急須は、ふたと本体の絵柄が合うようにすると、穴と注ぎ口が同じ方向になります。

うれしの茶交流館 チャオシル

複数の湯飲みのお茶の濃さを均一にするためには、各湯飲みに少しずつ順番に「廻し注ぎ」をします(写真のように3客なら右⇒中央⇒左⇒左⇒中央⇒右を繰り返す)。最後の1滴までしっかりと注ぎます。この1滴にうま味がぎゅっと凝縮されているそうです。教えられた淹れ方のお茶を飲むと、まろやかなうま味の余韻が口の中に広がります。「淹れ方でこんなに違うんだ!」と実感しました。

うれしの茶交流館 チャオシル

最後に茶殻を小皿に移し、ポン酢をかけて食べてみます。茶葉には食物繊維やビタミンなど栄養素がたっぷり含まれているのだとか。

うれしの茶交流館 チャオシル

茶葉はやわらかで、ほんのりとした苦みが感じられます。

自分好みの柄に!茶染めのオリジナルハンカチ作りを体験

うれしの茶交流館 チャオシル

お茶は飲むだけではないんです。続いて「うれしの温泉茶染め体験」(1人1500円、3日前までに電話で要予約)に挑戦。嬉野温泉の源泉で煮出した「うれしの茶」の染液で、ハンカチサイズの布を染めていきます。

うれしの茶交流館 チャオシル

まず白い布を好きな形に折ります。写真のように同じ三角形でも、折る順番によって柄の出方がまったく違うものに。考え過ぎず、その時の感覚で自由に折っていきます。その後、割り箸や輪ゴムで布を止めたら準備OK。割り箸や輪ゴムで止めたところは染まらず、割り箸は直線のライン、輪ゴムは丸い模様ができます。

うれしの茶交流館 チャオシル

水で濡らしたら、40~50分ほど煮出しておいた「うれしの茶」の染液に浸します。煮出しているので、染液の色は茶色っぽい感じ。15分ほど浸したら取り出して、流水でよく洗います。

うれしの茶交流館 チャオシル

「どんな柄になるかな」とドキドキしながら、割り箸や輪ゴムを外してハンカチを広げると……。

うれしの茶交流館 チャオシル

四角と六角形を組み合わせたようなユニークな柄に!自分だけのオリジナルのハンカチができました。体験は約1時間ほど。館内にあるカフェでのお茶のサービスのほか、おみやげに「うれしの茶」のティーバッグももらえます。

「チャオシル」では、ほかにも建物の裏手にある茶畑での「茶摘み体験」(1人600円・要予約)や、「釜炒り体験」(1人1500円・要予約)なども用意されているので、気になる人はぜひチャレンジしてみては。

自分で淹れるお茶と「うれしの茶」のスイーツでのんびりティータイム

うれしの茶交流館 チャオシル
「うれしの釜炒り茶」160円 、「茶丸くん」100円

館内には、茶畑に面したカフェも併設。「うれしの釜炒り茶」は、茶葉と急須、湯のみ、湯さましがセットになっており、自分でお茶を淹れるスタイルです。水玉模様がかわいい嬉野市にある「肥前吉田焼」の急須と湯のみを使用します。嬉野で人気の銘菓「茶丸くん」やカステラ、丸ぼうろなど、お茶にぴったりなお菓子(別売り)と一緒に楽しみましょう。

うれしの茶交流館 チャオシル

カフェで提供している茶葉やお菓子は売店でも販売されています。嬉野市にある5つの和洋菓子店が手がけるお菓子はどれも、「うれしの茶」を使ったものばかり。1個ずつばら売りされているので、いろいろな味を楽しめますよ。

「うれしの茶」の歴史を学び、お茶にまつわる体験をし、自分で淹れたお茶でのんびりティータイム。飲むだけじゃない、新しいお茶の楽しみ方を見つけに出かけてみませんか?

◾️うれしの茶交流館チャオシル(うれしのちゃこうりゅうかんちゃおしる)
住所:佐賀県嬉野市嬉野町大字岩屋川内乙2707-1
TEL:0954-43-1991
営業時間:9~17時
定休日:火曜(祝日の場合は翌平日)
料金:入館料無料

Text:山崎尚美(スタジオライズ) Photo:八木拓也(スタジオライズ)

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