仙台育英優勝記念御朱印が登場!いま話題の「白河神社」に行ってきました
2022年夏の甲子園で仙台育英高校(宮城)が優勝し、深紅の大優勝旗がはじめて東北へ!東北勢の悲願である“白河の関越え”を果たしたことで話題となり、東北の玄関口に鎮座する「白河神社」はいま御朱印やご利益を求める参拝客で大賑わい。その現地の熱い様子をレポートします♪
Summary
東北の玄関口「白河関跡」を目指して福島県白河市へ!
やってきたのは福島県の南部にある白河市。仙台や東京からはどちらも東北自動車道経由で約2時間半ほどの距離にあります。
栃木県との県境に位置する白河市には、奈良時代〜平安時代に蝦夷の南下や、人や物資の往来を取りしまった国境の関「白河関跡」があり、関東地方と東北地方の境の地として長く知られてきました。
律令制の衰退とともに関所としての機能は失いましたが、「歌枕」(和歌の名所)として文学の世界で都人の憧れの地となり、松尾芭蕉や西行などにも詠まれた由緒ある場所でもあります。
現在、関跡周辺は「白河関の森公園」として整備され、標高約410mの丘の上には白河神社が鎮座しています。
高校野球で東北の悲願達成!‟白河の関越え”とは?
第104回全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)で、宮城代表の仙台育英高校が優勝を果たした2022年の夏。東北人の悲願である‟白河の関越え”を果たしたことで話題になり、優勝翌日から白河神社は空前の大フィーバーに見舞われています。
実は100年以上の歴史を誇る甲子園大会のなかで、春・夏通じて東北の代表校は一度も優勝したことがありません。過去、12度にわたり決勝に駒を進めるも、いずれも準優勝という結果に終わっていました。
現在プロの世界で活躍されている、東北高校(宮城)出身のダルビッシュ有選手や金足農業高校(秋田)出身の吉田輝星選手らも涙をのんできた過去があります。
そのため東北の玄関口を指す「白河関」を越えて、優勝旗が東北へもたらされることは、東北人の願いでもあったのです。
そして2022年の夏、東北勢13度目の挑戦にしてついに初優勝!仙台育英高校がある宮城県だけではなく、東北のすべての人にとって歓喜に沸く瞬間が訪れました。仙台育英ナインが優勝旗をたずさえて新幹線で帰仙した際には、白河関跡上空にテレビ局の空撮が入るなど大変な盛り上がりでした。
宮司の西田さんへインタビュー!優勝記念の御朱印が大人気
まだまだ興奮冷めやらぬなか、さっそく白河神社へ行ってきました!優勝から1週間が経った平日でもご覧の人だかりでした。
宮司の西田重和(にしだしげかず)さんに会うために、事前に取材のアポイントをいれたライターK。宮城出身であることを伝えると「本当におめでとうございます、よかったですねぇ」と言葉をいただき、まるでわたしが優勝したような気分になってしまいました(笑)。
そんなとっても心やさしい西田さん。実は25年前ほどから甲子園に出場する東北の6県の出場校に、白河の関を越えて優勝を願う「通行手形」を毎年送り続けてきたそうです。
「戊辰戦争に敗れ、東北が軽視されてきた歴史を考えると、東北の高校が優勝したことは涙が出るほどうれしいですね。
仙台育英高校の創始者は福島の会津若松出身ですし、白河神社の社殿は仙台藩主・伊達政宗が寄進したものとも伝えられています。
仙台に親戚がいる人も多いので、福島人でも仙台を心の近くに感じています」と西田さん。
ふだん参拝客は3~4人ほどだったそうですが、優勝翌日からは平日でも300人ほどが訪れるようになり、長いときで御朱印を求め2時間半ほどの行列ができたそうです。
「仙台育英優勝記念御朱印をお渡ししています。いつまでお渡しするかは未定ですが、わざわざ求めてきてくれる方がいらっしゃるので、しばらくは続けたいと思っています」(西田さん)
この日も少年野球をしている子どもたちやそのお父さんがご利益を授かりに足を運んでいました。
6県に毎年送っている通行手形の一般販売はありませんが、西田さんはこれからも甲子園に出場する東北の代表校へ変わらず送り続けるそうです。
杉の巨木がそびえる境内でパワーをいただこう!
小高い丘の上に鎮座する白河神社の境内へ足を踏み入れると、杉木立が茂る静寂に満ちた世界が広がります。
境内の入り口には、白河藩主・松平定信(まつだいらさだのぶ)が寛政12年(1800)に、‟この場所が白河関跡に間違いない”として建立した碑があり、そこから石段を上ると社殿が現れました。
道中安全、家内安全、縁結び、安産、勝負開運、諸厄消除などにご利益があるとされるこちらの神社では、仙台育英高校の優勝にあやかって祈願する参拝客でにぎわっており、記念撮影する人びとが途絶えませんでした。
宮司の西田さんはその社殿の横にある「古歌碑」にぜひ注目してほしいと言います。古歌碑には、白河関を詠んだ平安時代の著名な歌三首が刻まれており、当時、白河関に憧れた歌人たちの想いを感じとることができます。
ほかにも境内にはカタクリ群生地があり、4~5月にかけて斜面一面にカタクリの花が咲き誇るのだとか。樹齢推定800年の杉の巨木もそびえたち、至るところにみどころがたくさんありました。
以上、仙台育英高校の優勝で話題となった福島県・白河神社をご紹介しました。ぜひみなさんもご利益を授かりに足を運んでみてくださいね♪仙台育英高校のみなさん、本当に優勝おめでとうございました!
■白河神社
しらかわじんじゃ
住所:福島県白河市旗宿関の森120
交通:東北自動車道白河ICまたは白河中央スマートICから車で約30分
電話:なし
営業時間:境内自由(社務所は10時30分〜15時30分)
料金:境内自由
定休日:境内自由(社務所は木曜、第3金曜日。1〜3月は平日休)※正月三ヶ日は御朱印の授与なし
Text & Photo:ジェンティーレ恵
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