【京都】いま密かに話題のレバノン料理専門店で、からだデトックスモーニングを楽しむ

【京都】いま密かに話題のレバノン料理専門店で、からだデトックスモーニングを楽しむ

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京都のみならず、全国の美食家やナチュラリストたちから注目を集める「レバノン料理 汽(ki:)」。日本中探しても、数少ないレバノン料理の専門店。京都旅で、新しい味と出逢いませんか?

Summary

高瀬川のせせらぎの横で、密かに営まれるレバノン料理店

京阪電車の清水五条駅を降り、五条大橋を渡って1筋目の細い道を南へ。高瀬川のせせらぎにプカプカと漂う鴨たちを眺めつつ、川沿いを2分ほど歩いた場所にあるのが「レバノン料理 汽(ki:)」です。

高さや間口などは周りの建物と同じ、コンクリート打ちっぱなしのような外壁と、ひょいと中を覗きたくなる視線の高さのガラス窓が街並みに異彩を放ちます。店の存在をことさらアピールすることなく、確認できる目印はガラス窓の隅っこに小さく書かれた「ki:」の文字と汽(水蒸気)を象形したロゴのみ。

店名の「汽」は、1文字で水蒸気を表します。そして、川の淡水と、海の海水とが混じりあう場所は「汽水」と呼びます。この言葉から連想される形のないもの、変化するもの、それらが混じる様子、広がる様子がこのお店の目指す姿なのだとか。そんな思いを語るのは、フランス料理歴約26年の長野浩丈オーナーシェフ。フランスで一緒に働いていた仲間たちと、息の合ったコンビネーションを見せてくれます。

大きな石のテーブルひとつだけ。みんなで食卓を囲む食事スタイル

フランス滞在時は、レバノン料理を好んでよく食べていたそう。中東にある小さな国、レバノン共和国は、イスラム教とキリスト教を中心とする18の宗派が共存。宗派により、さまざまな食事制約のある人たちが一緒に食卓を囲んで食べられるレバノン料理は、「汽」のコンセプトにとても似合っています。

店内には、大きくて頑丈な石のテーブルがひとつ。考え方も感じ方も生活スタイルも、それぞれ違う人たちが混じり合う、素敵な場所です。

世界で愛されるレバノン料理とは?

レバノン料理初心者の方に、まず、メニューを見ながら代表的な料理についてご紹介。長野さんが「絶対に食べてほしい」と勧める一品が「ファラフェル」。ざっくりいうと豆のコロッケなのですが、「汽」では、ひよこ豆とそら豆の2種類の豆をベースに数種類のスパイスとたっぷりのハーブを使って他にはない味わいに仕上げています。

テイクアウトや単品メニューに見られる「シャワルマ」は、数種類のスパイスを配合したマリネ液に漬け込んだ塊肉を串刺しにし、薪窯でじっくり、こんがりと焼いたもの。皮目の香ばしさ、肉のジューシーな柔らかさがたまりません。

知る人ぞ知るお店ながら、すでに予約困難店。どうしても食べたいときはテイクアウトがオススメです。予約(朝8時から予約スタート)しておけば、9時以降に取りに行けます。好きなボウルを選んで、ピタパンに詰めて思い思いの場所で頬張りましょう。

予約も可! 限定20食のレバノン料理モーニング

さて、ここからは限定20食、話題のモーニングをご紹介。一番人気は、チキンとファラフェルのミックスプレート。薪の残火でじっくりとスモークしながらローストした柔らかくジューシーなスモークチキンと一推しのファラフェルの両方が食べられます。

メインのお皿には、ジャスミンライスの上に置かれたスモークチキンを彩り鮮やかなメゼ(小皿料理を意味する)が囲みます。赤玉ねぎのマリネ、ザワークラウト、紫キャベツのフランボワーズビネガー、ファラフェル3個、ガーキンス(キューリのピクルス)、2種類のディップソースとスペアミント、アップルミント、パイナップルミントなど数種類のフレッシュハーブ。

野菜のマリネやピクルスは「素材の食感、味、香りを活かすのはもちろん、何よりメインの食材を引き立てるように、1つ1つ味付けを変えています」とのこと。

そしてモーニングには、サービスで季節のスープもついてきます。「汽」では、お店で使う野菜やハーブのほとんどすべてを自分達で栽培しているので、スープの内容は、収穫された野菜で変わるお楽しみ。

種を蒔いて野菜を育て、調理し、剥いだ玉ねぎや豆の皮は乾燥させて窯の残り火で灰にして、ピタの生地に練り込みます。だから、「汽」のピタパンは灰色。そこには「食を単なる消費にしない」という隠れたメッセージが込められています。

食欲をそそるグレーのピタに具を詰め込みます。ディップもメゼもたっぷり入れるのがポイント。その方が「味にリズムが出てきておいしい」のだとか。素敵な表現ですね。

パンパンに詰め込んで、かぶりつきます。こんなにたくさんの料理が入っているのにすごく調和していて、一口食べるごとに味が少しずつ違う。ときおり感じるピクルスのビネガーが刺激的で美味。個人的な感想なのですが、食べたその瞬間より、日にちが経つにつれて「おいしかったな。また食べたいな」と何度も思い出してしまうのが不思議なところ。

モーニングは1ドリンク制です。こちらは徳島の特産品、阿波晩茶と自家製レモングラスのブレンド。ハーブは自家栽培だけあって、香りが強い。食後に飲むと爽やかです。

初めてのレバノン料理。この店で体験できてよかったです。「食を楽しむ京都旅行」をテーマにするなら、その一食に取り入れて欲しいお店です。

■レバノン料理 汽 [ki:] 
住所:京都府京都市下京区都市町149
TEL:075-585-4224
営業時間: Morning 8時~9時45分LO
モーニングのみ公式Instagram【@ki.kyoto.booking】にて予約可
Lunch 11時~14時45分LO
お持ち帰り9~15時
※2022年10月からディナー開始予定
定休日: 金曜
アクセス:京阪「清水五条」駅から徒歩3分


Photo: photo scape CORNER.大﨑 俊典
Text:京都ライター事務所 小西尋子

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