泊まる
2022.09.13
古民家まるごと、ひとり占め。江戸の風情を感じる“街でくつろぐ”「佐原商家町ホテル NIPPONIA」【第18回 ヒトリホテル】
ひとりホテルステイ巡りが趣味な私、まろ（＠ohitorigram）が、ひとりで泊まりたいホテルを紹介する「ヒトリホテル」。今回訪れたのは、江戸の風情が今も残る千葉県・佐原にある「佐原商家町ホテル NIPPONIA（さわらしょうかまちほてる にっぽにあ）」です。時を重ねた趣ある“古民家”をひとり占めして、ゆったり静かに過ごしたり、ぶらり街歩きに出かけて、美しい水郷の景観を楽しんだり。お部屋でも外でも、佐原の歴史に溶け込むように滞在ができて、街で思いっきりくつろぐことができて最高でした。それでは、早速紹介していきます～。
Summary
古民家をまるごと“ひとり占め”。縁側でコーヒー片手にお庭を眺めて
川沿いに町家や土蔵が立ち並び、江戸の風情が今も残る千葉県・佐原にある「佐原商家町ホテル NIPPONIA」。
佐原の町をゆるやかに"ひとつのホテル"と見立て、 築100年超えの商家を含む3つの棟が町に点在する宿泊施設です。
私が今回泊まったのは、製綿業を営んでいた商家。明治期に建てられた母屋だったというYATA棟101です。
玄関からテンションがあがる、あがる！この“古民家”をひとり占めできると思うと、それだけで胸が高鳴りました。年季の入った木から、温もりが感じられてすでに心地いい…。
東京にいるときと違って、町の静けさもあいまって、本当にゆっくりと時が流れていく感覚があったなあ…。朝は窓を全開にしたくなるくらい気持ちいい空気が流れていました。
わたしが実は一番この宿のなかで好きだったのが、2階に続く廊下と階段。廊下の先に、外の陽ざしに照らされた階段が見えて、とても美しかったんです…。意味もなく行き来したくなりました（笑）。こういうこともひとりだと、気兼ねなくできますね！
こちらが2階。このソファースペース、かわいかった～！落ち着いたピンクやグレーの色合いや窓枠、六角形のテーブルがいいですよね。温かみのある照明にも癒やされます。
ソファースペースの向かいにはベッドが。こんな美しい違い棚の横で寝られるなんて！しかも、障子から朝、綺麗に陽が差し込んでくるんです。この日本の伝統美の美しさといったら…たまりませんね。
ちなみにツインベッドだったので、夜と、朝ご飯を食べた後のごろごろタイムとで、それぞれ楽しみました（笑）。これも、ひとりだからこそのぜいたく！
酒粕を取り入れた、佐原のフレンチを堪能。半露天の陶器風呂でリフレッシュも
ディナーは、お宿のレストラン「LE UN（ルアン）」で、地元・佐原や千葉でとれた旬の自然の恵みを味わえるフレンチコースを。地域で醸造されたしょうゆ・味噌・麴などの発酵食品が利いていてとってもおいしかったです。
例えばこの鰆の炙りは、スモークの香るカリフラワーと酒粕のピューレとの相性が抜群！「酒粕」のポテンシャルを感じるお料理が多かったのが印象的でした。
お食事に合わせて地酒もいただけるのですが、私はお酒が強くないためオリジナルカクテルを。
こちらなんと、ホテルのすぐ近くにある馬場本店酒造のみりんを使った「味醂トニック」。
みりんの甘さが引き立って、くせになる味わいでした。酒粕もそうですが、驚きの発見！
そして、メインの「千葉県産かずさ和牛フィレとロースの食べ比べ」。お肉の軟らかさにとろけました…そして添えられている新鮮なお野菜がおいしいこと！大満足のコースでした。
レストランがある「KAGURA棟」は、みりん工場だった蔵を改装した建物なんです。レストラン内にも、樽をモチーフにした照明が！こだわりにあふれた空間も、ぜひお食事とともにひとりでじっくり堪能してみてください。
そして、待ちに待ったお風呂の時間！というのも、なんと私が泊まったYATA棟101の離れには、内湯の檜風呂と、天井が少し空いている半露天の陶器風呂が付いてるんです。
この2つのお風呂をひとりで自由に行ったり来たりして、何時間くらいいたんだろうかというくらい、思わず長風呂してしまいました（笑）。虫の鳴き声や、しんと静まった夜の雰囲気がとてもよくて、ひたすらぼーっとしていました。
陶器風呂は半露天なので、外の空気をふ～っと吸えるのもよかったです。ちなみに、朝風呂もとっても気持ちよくて、日差しが差し込むタイミングが最高でした。
これだけでも大満足なのですが、お風呂上がりに「ゆずサイダー」900円をいただきました！部屋に入ってミニバーを確認したときに、絶対お風呂上がりに飲もうと決めていたのですが、大大大正解でした（笑）。
自画自賛したくなる最高の流れ！もはや泣けるほどの幸せを噛みしめました（笑）。くう～！
いつ入ろうが、どれだけ長風呂しようが、ひとりだからこそ誰にも何も言われることがなく堪能できて、締めまで完璧で、至福のバスタイムでした♪
住人気分でふらっと川沿いをお散歩。美しい水郷の景観にうっとり
お宿のコンセプトである「土地の文化・歴史にとけこむ」を体感するため、お散歩へ。お部屋を出て少し歩いただけで、こんなにも美しい水郷の景色が…！
利根川の水を利用し“水郷の町”として栄えた佐原の象徴が、町中を流れるこの小野川なんです。
一帯が、関東地方で初めて“重要伝統的建造物群保存地区”として選定されているため、川沿いには土蔵造りの商家や町屋が軒を連ねていて、風情のある景色が広がっています。
朝夕は観光客も少なく、住人気分でゆったり川沿いをお散歩できて、とてもおすすめ！ひとりだからこそ一軒一軒じっくり味わうことができて、歩いているだけで、古きよき美しい街並みに癒やされました。
ふとん屋さんを改装してできたという「珈琲玉澤」では、ひとりカフェタイムを。
カフェの大きな窓から佐原の町並みが堪能できて、とてもよかったです。柳が風になびいているさまが、とても美しかったなあ。
佐原の街でゆったり、ひとりでくつろげてとても幸せでした。東京からも、電車やバスで約90分と近いので、のんびりしたい週末にさくっと小旅行してみてください。
■佐原商家町ホテル NIPPONIA
（さわらしょうかまちほてる にっぽにあ）
住所：千葉県香取市佐原イ1708-2
TEL：0120-210-289（VMG総合窓口）
チェックイン時間：15～20時
チェックアウト時間：～12時
宿泊料金：YATA棟101（1泊2食付、1室1名利用時） 4万8400円～（税・サービス料込）
■珈琲玉澤（こーひーたまざわ）
住所：千葉県香取市佐原イ3401
TEL：0478-52-3756
営業時間：11～17時LO（土・日曜、祝日営業）
定休日：月～金曜
text:まろ
1992年東京生まれ。物心ついた頃から"ひとり行動"が大好き。「ひとり時間の楽しさ」をもっと多くの人に伝えたいと、2017年におひとりさま専門メディア「おひとりさま。」を設立。
Instagramアカウント（＠ohitorigram）のフォロワーは４万人超。アカウントを原案にした、マキヒロチ氏による漫画「おひとりさまホテル」の連載が、月刊コミックバンチにて開始。
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