• るるぶ&more.
  • エリア一覧
  • 島根県
  • ノスタルジックな温泉津町の古民家で、ゆっくり、ひっそり暮らすように過ごす北欧風の旅【HÏSOM(島根県 大田市)】
ノスタルジックな温泉津町の古民家で、ゆっくり、ひっそり暮らすように過ごす北欧風の旅【HÏSOM(島根県大田市)】

ノスタルジックな温泉津町の古民家で、ゆっくり、ひっそり暮らすように過ごす北欧風の旅【HÏSOM(島根県 大田市)】

食・グルメ 農泊 体験 古民家 レストラン 和食
Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket

島根県のほぼ中央、日本海に面した大田市にある温泉津(ゆのつ)町。2007年に世界文化遺産に登録された「石見銀山遺跡とその文化的景観」に含まれるエリアで、16世紀後半には石見銀山から採掘した銀を運ぶ港町として栄えました。また温泉津はその名が示すとおり、薬効の高い湯が湧く古くからの温泉地。昔ながらの趣が残る街並みは、温泉地で初めて国の重要伝統的建造物保存地区に選ばれました。今回宿泊する一棟貸しの古民家「HÏSOM」があるのは、そんな温泉街から車で5分ほどの日祖(ひそ)地区。小さな集落にたたずむ古民家は、田舎暮らしを楽しみたい人におすすめです。

Summary

古民家で自然を慈しみながら、
北欧の休日のようにゆるりと滞在

HÏSOM(宿泊)

昭和初期に建てられた古民家の外観や建具は残しつつ、海外からのゲストも快適に過ごせるようにと改装を施した「HÏSOM」。オーナーの近江さんによると、参考にしたのは北欧フィンランドにある水辺のサマーコテージでの生活。プライベートな空間で、周囲の自然に寄り添いながらゆったり過ごす北欧の休日のように、滞在中はゆるやかな時間の流れに身をまかせます。大きく広がる空と豊かな緑が印象的な日祖地区で、暮らすように過ごしましょう。

柱や欄間、すりガラスなど元の構造にあった素材をなるべく生かしてリノベーション。新たな建材も古材や天然の木材を使うなど、古民家らしい趣を大切にしています。リビングやゲストルーム、洗面台など、あちこちに飾られた花や草木は庭で摘んだもの。楚々とした控えめに咲く草花に心癒やされます。

ベッドルームは2つ。どちらも10畳の畳敷きで、1部屋にはクイーンサイズのベッドが1台、もう1部屋にはセミダブルのベッドが2台配置されています。布団も用意されており、子どもを含め最大10名まで宿泊可能です。家にいるようなくつろぎを感じてほしいと、リネン類はダブルガーゼを使用。やさしい肌触りで、朝までぐっすり眠れそう。各部屋にワーキングスペースが設けられているので、ワーケーション利用にもおすすめです。

3方向の窓から注ぐ日差しが心地よいリビングルーム。ソファはベッドとしても利用できるので、3家族で滞在してもしっかりとプライベート空間を確保できます。クッションなどのファブリックは、藍染めなど天然染色のものを使用。一角に設けられた本棚には、洋書やフォトブックなどが並んでいるので、ゆるやかな時間の流れのなか、読書を楽しむのもおすすめです。

長く滞在しても不便がないようにと、充分な設備を整えたダイニング&キッチンエリア。ガラスの引き戸を開けると、屋外のバーベキュースペースともつながり、開放感たっぷり。IHコンロに鍋やフライパンなどの調理器具、基本の調味料のほか、バルミューダのオーブンレンジやバーミキュラのライスポットといった最新の調理家電も完備しています。

事前にお願いすれば、農家さんのとれたて野菜や島根産の肉をセットにした食材1人前4400円の手配もOK。このほか、お隣の江津(ごうつ)市からシェフを招いてのケータリングサービス(要予約、1名5500円~、出張料1回につき5500円)もセッティング可能です。ジビエや魚などをメインにした、本格的なフレンチのコース料理が宿で楽しめるなんて贅沢ですね!

食器棚にずらりと並ぶお皿やカップは、焼き物の町でもある温泉津の名窯・椿窯の作品。使い勝手がよく、普段使いにもぴったりな器が多いので、お気に入りを見つけて、窯元で似たものを探してみるのも◎。

バスルームにはシャワー、自動給湯器付きのバスタブを完備。庭からアクセスできる扉もあり、海水浴など海遊びを楽しんだあと、部屋に上がることなく風呂場に直行できるよう工夫されています。洗面台と温水洗浄付きトイレは2つずつ設置。石鹸やシャンプー&リンス、歯ブラシ、ドライヤーなどのアメニティも揃っているので、旅の荷物を減らせます。

2つの寝室を囲むように伸びる縁側の先には、広々とした庭が広がります。自然を生かした庭には、夏みかんや青紫蘇、クレソンなど季節ごとのフルーツや野菜も育つのだとか。もちろん自由にとっていいので、自炊に使ったり、おみやげにしたりしてもよさそう。片隅にある木製のブランコに座り、清々しい朝の空気に包まれながら深呼吸したり、移りゆく夕暮れの空を眺めたり。緑の中でのんびり過ごすのも素敵です。

「HÏSOM」から3分ほど歩いたところには小さな砂浜があり、夏にはプライベート・ビーチ感覚で海水浴を楽しめます。また、夕暮れ時に足を運べば、海面を赤く染める美しいサンセットが見られることもあるそう。滞在中は、ぜひ集落で出会った人に「こんにちは」とあいさつを。地元の人しか知らない情報を聞いて、温泉津町のよさを深堀りしましょう。

■HÏSOM
住所:島根県大田市温泉津町温泉津イ588-1
TEL:090-7507-6558
交通:出雲空港から車で約1時間30分、またはJR温泉津駅から車で約10分
チェックイン:14~18時
チェックアウト:10時
宿泊料:1泊1名2万3000円~(2名利用時)※連泊利用で割引あり

<新型コロナウイルス対応>
スタッフ対応 ・マスク着用
除菌対応 ・共用箇所の除菌清掃
換気対応 ・来訪前の共用箇所の換気
客室対応 ・消毒液の設置

 

日本最大級の登り窯が連なる陶器の里で、
手びねりにチャレンジ!

温泉津やきものの里・やきもの館(体験)

温泉街から少し歩いた小高い丘にある「温泉津やきものの里」。まず、長さ30m 15段と、長さ20m 10段の2つの巨大な登り窯に目を奪われます。これは江戸時代中期の窯を復元したもので、当時は「はんど」とよばれる水がめを中心に、すり鉢や壺など、実用陶器が数多く焼かれていたといいます。

ここで焼かれた陶器は、幕末から昭和初期にかけては、温泉津港から北前船で全国へと出荷されていました。現在は春と秋の年2回、「やきもの祭り」に合わせて、登り窯に火入れが行われています。周辺には3つの窯元があるので、やきもののデザインや質感の違いを楽しみながら窯元をめぐりましょう。

登り窯に隣接する「やきもの館」では、手びねり体験も可能。1人500gの粘土を使って、皿やカップ、動物の置物など、好きなものを2つまで作れます。早速、インストラクターの指導のもと、粘土に指をあてて形作りをスタート。

成形までは30~40分ほどかかりました。土と向かいながら、無心に作業をしていると、ついつい時間を忘れてしまいます。あとは焼き上げを行い、約1カ月後に自宅へ送ってくれます。どんな作品に仕上がっているか、到着が楽しみです。

「やきもの館」には、温泉津焼の歴史を示す資料館や、過去の名品の展示館も。そのほか、3つの窯の作品を揃えた販売コーナーもあるので、窯元まで足を運ぶ時間がない時はこちらで好みの器を選びましょう。かつて実用陶器が主流だった温泉津焼は、素朴な風合いで普段使いしやすいものばかりです。

写真は京都で活躍した河井寛次郎の流れを汲む(有)椿窯の作品。小皿は1650円、花瓶は3300円と、手に取りやすい価格も魅力的です。

■温泉津やきものの里・やきもの館
住所:島根県大田市温泉津町温泉津イ22-2 
TEL:0855-65-4139
交通:出雲空港から車で約1時間30分、またはJR温泉津駅から徒歩約15分 
営業時間:9~17時、創作体験は9~11時、13~16時受付(要予約)
定休日:水曜
料金:入館無料、手びねり体験コースは2000円、中学生1700円、小学生1400円(材料費、焼成代込み。送料は別途)

温泉津沖直送の魚介や野菜、お酒など、
ローカルファーストの素材を大胆にアレンジ

Café&bar 路庵(食)

温泉津の温泉街にある「Café&bar 路庵(ろあん)」は、築100年以上の古民家を活用した地元で評判のお食事を楽しめるカフェ。温泉津沖でとれた地魚や特産品の板わかめ、周辺の農家さんが育てた新鮮な野菜など、ローカル食材にこだわった創作料理が味わえます。カフェタイムには、大山小麦を使った「パンケーキ」1200円も。バターの風味豊かなしっとり食感のパンケーキは、添えられたバニラジェラートとの相性も抜群です!

こちらは人気の3品。「わかめピザ」1750円は、春から夏にシーズンを迎える特産品の板わかめがたっぷりで、口の中に広がる磯の香りがたまりません。「島根和牛ミックス煮込み」1040円は、さまざまな部位を煮込んでいるので、和牛の旨味が濃厚。最後の1品は新鮮な魚を使った「地魚丼」2080円。この日はタイとアオハタ、三瓶(さんべ)山の湧き水で育てられた三瓶サーモンの3種盛り。どれも温泉津でしか食べられない、素材を存分に生かした味わいです。その日の水揚げによって、「地魚丼」はメニューにないこともあるそう。地魚とのおいしい出合いが楽しみですね。

また、料理と一緒に楽しみたい地元のお酒も豊富にスタンバイ。温泉津の酒蔵「若林酒造」の「開春」は、定番の「上純米」550円から幻の米・亀の尾が原料の激レア酒「亀五郎」715円まで4種類を取り揃えています。このほか、地元産の夏蜜柑を使った「温泉津ビール」、柚子が香るフルーティーな「ゆのつエール」各825円も。おいしい料理との相乗効果で、ついついお酒が進みます。

■Café&bar 路庵
住所:島根県大田市温泉津町温泉津ロ31 
TEL:0855-65-2777
交通:出雲空港から車で約1時間30分、またはJR温泉津駅から徒歩約12分
営業時間:カフェ15~17時、ディナー17~23時
定休日:火曜、水曜不定休

日本遺産にも選ばれる伝統芸能、
大迫力の石見神楽を鑑賞

ゆのつ温泉 夜神楽(体験)

「石見(いわみ)神楽」は、温泉津町がある石見地域に伝わる伝統芸能。日本遺産にも認定されている神事のひとつとして、古くから地域の秋祭りなどで奉納されてきました。現在も130を超える団体が伝統を受け継いでいます。ここ温泉津町では、毎週土曜日の夜に伝統の「石見神楽」を鑑賞することができます。会場となるのは、北前船の守り神として信仰を集めてきた「龍御前(たつのごぜん)神社」。厳かな雰囲気に期待が高まります。

「石見神楽」は八調子のアップテンポなリズムが特徴です。豊作や豊漁に感謝する「儀式舞」と、日本神話に基づいたストーリーを舞う「能舞」があり、演目はなんと30種類にものぼるのだとか。なかでも有名なのは、大蛇退治を描いた「大蛇(おろち)」や、漁業、商業の守護神である恵比須の大神の鯛釣りの様子を舞う「恵比須」など、動きが激しく理解しやすいストーリーの演目。どこか哀愁を感じる笛の音と、活気に満ちた太鼓囃子に合わせて、豪華な衣装で舞う様子は、瞬きするのも忘れるほどの迫力です。

「ゆのつ温泉 夜神楽」は所要約1時間で、2つの演目が行われます。絢爛豪華な衣装や和紙で作られる面など、舞を彩る職人技にも目を奪われていると、1時間はあっという間。また、年に数回はろうそくの明かりの中で舞うプレミアム公演、毎年9月には夕暮れの浜辺で行う海神楽なども行われています。1回の公演の定員は40名、予約制なので、観光シーズンは早めに予約を。

■ゆのつ温泉 夜神楽
住所:島根県大田市温泉津町温泉津イ736 龍御前神社
TEL:0855-65-2998(温泉津温泉旅館組合)
交通:出雲空港から車で約1時間30分、またはJR温泉津駅から徒歩約12分
営業時間:拝観 土曜20時~(要予約)
料金:拝観2000円 

日本全国から料理人たちが温泉津に上陸。
シェアリングキッチンで新たな郷土料理に挑戦!

WATOWA KITCHEN(食)

温泉津の温泉街に2021年5月にオープンした「WATOWA」。コインランドリー、ドミトリータイプの宿泊施設とレストランが一体となった新業態です。なかでも注目のレストラン「WATOWA KITCHEN」は、日本全国から料理人がやって来て期間限定で出店するというユニークなスタイル。時には地元の農家さんや漁師さんと料理人をつないで、新しい料理が生まれることも。どんな一皿がふるまわれるか注目です。

この日の出店は大阪から。アメリカ人オーナーの元で腕を磨いたという2人が作る、本格的なアメリカンハンバーガーです。メニューにはメインのハンバーガー3種に、チーズボールやチキンウイングなどのサイドメニューが数種類、スイーツのオレオチーズケーキが並びます。おすすめの「オリジナルバーガー」1300円は、肉感の強いパティに香ばしいバンズ、とろけるチーズが絶妙にマッチ。店内は初出店に期待を寄せるお客さんで大賑わいでした。

これまでには、島根県出雲市のカフェや東京のイタリア料理店、フリーランスのシェフによるスパイスカレーやアジア料理など、バラエティーに富んだメニューが「WATOWA KITCHEN」でふるまわれてきました。次はどんなジャンルの店がやってくるのか、地元の人はもちろん、周辺地域に暮らす人々も楽しみしていて、出店者が変わるたびに、ここでの料理を目当てに温泉津へ足を運ぶ人もいるのだとか。2度、3度とリピートする出店者も増え、地元の人と料理人の交流が深まっています。

■WATOWA KITCHEN
住所:島根県大田市温泉津町温泉津ロ19
TEL:090-9349-6558
交通:出雲空港から車で約1時間30分、またはJR温泉津駅から徒歩約20分
営業時間:出店者により異なる
定休日:出店者により異なる
※出店スケジュールは公式SNS(https://www.instagram.com/watowa.club/)  を参照

絶景のロケーションを散策。
美しい海景色も魅力のみやげ店へ

和田珍味本店(食・体験)

自社で製造するふぐの加工品や、石見地域の名産品などを揃える「和田珍味本店」。広々とした店内では、創業以来の人気商品「ふぐ味醂干」48g 648円~をはじめ、「ふぐぞうすいスープ」2人前540円~など、自慢の商品が手に取れます。2020年にはオープンテラスを備えた「VIEW&CAFE SHINWA」が新設され、日本海を眺めながら、ふぐだしを使ったカレーやふぐフライバーガーなど、地域の名品を味わえるようになりました。

みやげ探しももちろんですが、ここで注目したいのが、駐車場からの絶景。晴れた日の日中は抜けるような青空と海、夕暮れ時には海に沈む見事な夕日を望めます。国土交通省が一般からの情報を元に情報提供している「とるぱ」で、人気ランキング1位を獲得したこともある絶好のロケーション。「とるぱ」とは、「写真を撮るパーキング」の略称で、安全な駐車場とそこから歩いて行ける撮影スポットがセットになっている場所のこと。SNS映えする写真をたくさん撮って帰りましょう♪

■和田珍味本店
住所:島根県大田市五十猛町1550-1
TEL:0854-87-0030
交通:出雲空港から車で約1時間10分
営業時間:10時~18時
定休日:不定休(1・2月に各1回、3~12月は無休)


●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

Sponsored:農林水産省

Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket
記事トップに戻る

この記事に関連するタグ

編集部のおすすめ

ページトップへ戻る

検索したいキーワードを入力してください