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レトロとモダンが同居する尾道で過ごす贅沢な時間。地元産の野菜と魚介とパンはぶちおいしい!【LOG(広島県尾道市)】

レトロとモダンが同居する尾道で過ごす贅沢な時間。地元産の野菜と魚介とパンはぶちおいしい!【LOG(広島県 尾道市)】

食・グルメ 農泊 体験 ホテル 広島県 るるぶ&more.編集部
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瀬戸内海に浮かぶ美しい島々を望む広島県尾道市。海と山に囲まれた港町には、尾道水道を一望する千光寺や坂道が続くレトロな街並みなどみどころがたくさんあります。さらに近年は、かつての海運倉庫など古い建物をリノベーションした新しい施設が続々オープン。そのひとつ、昭和のアパートメントに現代的なエッセンスを加えた「LOG(ログ)」は宿泊するだけでなく、尾道の絶景を眺めたり、地元食材を使ったグルメを堪能したりと滞在の楽しみ方が豊富です。カフェやショップも併設され、尾道観光の途中にふらりと立ち寄るのもおすすめです。

Summary

地元の港や畑から手に入れた食材をアレンジ。
おしゃれダイニングで料理家考案の一皿

LOG(宿泊)

尾道を代表する歴史ある寺院、千光寺に向かう坂の途中に立つ「LOG」。昭和30年代のアパートメントをリノベーションした施設で、館内には宿泊施設のほかにカフェやダイニング、ギャラリーなどが併設されています。「LOG」は国際的に活躍する設計事務所「スタジオ・ムンバイ」がインド国外で初めて取り組んだ建設プロジェクトによるもの。和紙など自然の素材を館内に取り入れて、尾道の街並みと調和する仕上がりになっています。

館内はアパートメントの様子をそのまま残した部分と、現代風にリノベーションした部分が融合し、どこを切り取っても絵になるおしゃれな空間が広がっています。カフェやダイニングは宿泊者以外でも利用可能で、宿泊者と地元の人たちとの交流の場にもなっています。

客室は3階に6室。寝室すべての床や壁、天井に和紙が貼られていて、繭にやさしく包まれているような気分になれます。今回宿泊した306号室は1ベッドルーム。入口に土間と浴室、部屋の中央にベッドスペースがあります。ベッドはダブルサイズで、手足を伸ばしてゆったりとくつろげるのもうれしいポイント。浴室にはバスタブも設置されているので、お湯に浸かって旅の疲れをしっかりと癒やせます。

1階のダイニングでいただく夕食は、熊本県を拠点に活動する料理家・細川亜衣氏が監修したコース。前菜数点にメインの鍋、デザートが付きます。どの料理にも尾道を中心とした瀬戸内の食材が余すことなく使われているのが特徴。器も料理に合わせて全国各地の作家のものを使用しており、皿と料理の色彩のコントラストに目を奪われました。季節により内容は異なり、この日の前菜は、ハーブの青いかき揚げやパプリカとマンゴー、生姜ドレッシングであえた春雨など。ここでしか味わえない食材の組み合わせに驚きです。

メインはカレー鍋。昆布やいりこでだしを取ったカレースープに、尾道の野菜や瀬戸内海でとれた海鮮をしゃぶしゃぶしていただきます。甘味と辛味のバランスが絶妙なカレーに新鮮な魚介類と野菜の相性は抜群。別添えの温泉卵を入れると、まろやかな味わいに変わりました。

朝食も細川亜衣氏が監修。この日のメニューは尾道の野菜を贅沢に使ったスープとサラダ、パンケーキ、リコッタチーズと果物です。メインのパンケーキには、目の前で地元産のチーズをたっぷり削ってくれます。その上からメープルシロップをかけて甘じょっぱさを楽しむのもおすすめです。ダイニングの大きな窓から見える庭の様子は、明るく爽やか。朝日を浴びて気持ちのいい一日の始まりです。(朝食の利用は宿泊者のみ)

写真の部屋は「スタジオ・ムンバイ」にあるビジョイ・ジェイン氏の書斎をイメージしたライブラリーで、建築関係や旅関係の本などが閲覧できます。ここでひと休みしつつ、旅の計画を練るのもいいですね。ギャラリーでは「LOG」ができるまでの軌跡を展示しています。

ライブラリーとギャラリーは宿泊者限定ですが、ガーデンやカフェ、ショップは宿泊者以外も利用できます。ガーデンでは四季折々の景色を眺め、ピンクの壁が印象的なカフェでは旬の果実を使ったスイーツやオリジナルドリンクが楽しめます。「LOG」で使われている地元の食材を使った食料品を販売しているショップもあるので、ぜひお立ち寄りを。

■LOG
住所:広島県尾道市東土堂町11-12
TEL:0848-24-6669
交通:JR尾道駅から徒歩約15分、または山陽自動車道福山西ICから車で約12分
チェックイン:15~20時
チェックアウト:11時
宿泊料:1泊1室2食付き 6万2700円~ (1ベッドルーム、2名利用の場合)
※カフェ11~17時 (16時30分LO)、ショップ9~18時

 

サイクリストが集まる複合施設。
館内のショップやベーカリーに注目

ONOMICHI U2(体験)

尾道水道沿いに立つ「ONOMICHI U2」は、日本初のサイクリストフレンドリーな複合商業施設。本州と四国をつなぐ全長約70kmの自転車道、しまなみ海道の本州側の始まりの地に位置し、かつての海運倉庫を活用した施設です。ホテルやレストラン、カフェ、ライフスタイルショップ、サイクリングショップなどが並び、ホテルの客室には自転車を持ち込むことができます。

正面入口を入ると、自転車のメンテナンスやレンタサイクルなどのサービスを行う「GIANT STORE onomichi」があります。いろいろな種類の自転車が並び、見ているだけでワクワク。瀬戸内の作家さんの作品を中心に取り扱う「SHIMA SHOP」には、マグカップやカトラリー、文房具などが並びます。旅の記念に最適な「ONOMICHI U2」オリジナルのマスキングテープ506円を自分みやげに。

館内の奥にあるベーカリー「Butti Bakery(ブッチ ベーカリー)」。店名の「Butti」は広島弁で「とても」を意味する「ぶち」からきていて「とてもおいしい」パンを届けたいという思いが込められています。天然酵母のルヴァン種を使用した食パンの上に、季節の野菜などがたっぷりトッピングされた「のっけトースト」250円が人気。ほかにも惣菜パンやおやつパン、焼き菓子なども豊富に揃います。テラス席でいただけば、心地よい潮風が感じられる爽快なティータイムに。

■ONOMICHI U2
住所:広島県尾道市西御所町5-11 
TEL:0848-21-0550
交通:JR尾道駅から徒歩約5分 、または山陽自動車道福山西ICから車で約20分

【GIANT STORE onomichi】
TEL:0848-21-0068
営業時間:9~18時
定休日:火曜

【SHIMA SHOP】
TEL:0848-21-0533
営業時間:10~18時 
定休日:無休

【Butti Bakery】
TEL:0848-21-0564
営業時間:9時30分~18時30分
定休日:無休

尾道の海と山の幸を使う、地元産いちじくの
ドレッシングを使ったサラダが美味

The RESTAURANT(食)

「ONOMICHI U2」にある「The RESTAURANT」では、瀬戸内海の魚介類や尾道産の野菜を使ったグリルやパスタなどが味わえます。ランチからディナーまで営業しているので、幅広いシーンで利用できるのもうれしいポイント。ゆったりとしたソファ席やテーブル席などが約70席あり、広々としています。シックな色の家具で統一された落ち着いた雰囲気も魅力。

今回はランチに「豪快魚介のペスカトーラ フェトチーネ」2310円をチョイス。愛媛県産の鯛や広島県向島のムール貝、瀬戸内海でとれたイカなど海の幸がたっぷりです。魚介類は身がしっかりとしていて食べごたえ抜群。パスタは生麵を使っているのでもちもちの食感です。「岡山黒豚のグリル ピペラード」2200円は炭火でグリルされた豚肉に、玉ねぎやパプリカなどの地元産の季節野菜が盛られています。香ばしい豚肉に甘みのある野菜がベストマッチ。ワインを頼みたくなる一品です。

ランチには+550円で、サラダと自家製フォカッチャのビュッフェ、ワンドリンクを付けられます(土・日曜、祝日のみ)。サラダは地元の季節野菜を使ったオリジナルドレッシングと一緒に。尾道にある「尾道造酢」の酢をブレンドしたいちじく酢のドレッシングは、甘味と酸味のバランスが絶妙で、味わいの濃い地元の野菜と相性抜群です。館内でも販売しているので、気に入ったらおみやげに購入することもできます。

■The RESTAURANT
住所:広島県尾道市西御所町5-11 ONOMICHI U2内
TEL:0848-21-0563
交通:JR尾道駅から徒歩約5分 、または山陽自動車道福山西ICから車で約20分
営業時間: ランチ11時30分~15時(14時30分LO)、ティータイム14時30分~16時(15時30分LO)、ディナー17時30分~21時30(21時LO)
定休日:無休

坂道を散歩し、リニューアルされた
公園の展望台で尾道を一望

千光寺公園(体験)

尾道に来たら必ず見ておきたい、尾道水道の絶景。千光寺山にある展望台、千光寺公園からの景色が評判です。山麓駅から千光寺公園までは、ロープウェイで約3分、徒歩で約20分。せっかくなので行きは歩いて目指します。千光寺公園までは迷路のような坂道が続きますが、路地奥に雑貨店やカフェなどが立ち、飽きることなく散策できます。坂道が続く街並みは、さまざまな小説や映画の舞台にもなりました。ノスタルジックな雰囲気で多くの人に愛されるエリアです。

千光寺にお参りし、尾道ゆかりの歌人の詩が刻まれた石碑のある「文学のこみち」を過ぎると「千光寺公園」に到着。2022年3月に約65年ぶりのリニューアルを終えた「千光寺公園」の展望台は標高144mほどで千光寺山の山頂にあります。愛称は頂上を意味する「PEAK(ピーク)」。スタイリッシュなデザインが印象的です。奥行きがあまりなく、細長いのでどこからでも景色を楽しめるのが特徴。展望台からは尾道水道の街並みや瀬戸内海に浮かぶ島々が望めます。天気のいい日は四国山脈まで見渡せるそうです。

ロープウェイは昭和32年(1957)に開業。現在のロープウェイは三代目の車両です。窓からは尾道の街並みを見下ろすことができ、春には桜などの季節の花が彩りを添えます。運行は毎時15分おきで、混雑状況によっては臨時便も出るのだとか。尾道の街に吸い込まれていくような気分を味わいながら「千光寺公園」を後にしました。

■千光寺公園
住所:広島県尾道市西土堂町19-1
TEL:0848-38-9184(尾道市観光課)
交通:JR尾道駅から徒歩約15分、山麓駅から千光寺山ロープウェイで約3分山頂駅下車すぐ、山陽自動車道福山西ICから車で約15分
料金:ロープウェイ片道500円 (往復700円)、子ども 片道250円(往復350円)※駐車料金600円

懐かしさと新しさが共存する商店街をぶらり歩き
昭和の文豪も愛した蒲鉾店でおみやげを買って

桂馬蒲鉾商店(食)

尾道での買物は、JR尾道駅から東に約1.2km続く「尾道本通り商店街」へ。尾道の名産品を購入できる老舗の名店やモダンなカフェ、レトロ喫茶などが集まっています。

のんびりとお散歩していたらおいしそうな練り物の看板を発見しました。大正2年(1913)創業の「桂馬蒲鉾商店」は、蒲鉾を中心とした練り物を扱う店。明治から昭和にかけて活躍した文豪、志賀直哉ゆかりの店で、小説『暗夜行路』に登場する「隣のお婆さん」は初代の祖母がモデルとなっているそうです。

店内には作りたての練り物がずらり。「目にも美しいものをお客様に届けたい」という初代の思いが込められています。練り物のなかには、将棋の駒や干し柿など、ユニークな形のものも。練り物は、ひとつからの購入もできて、おみやげにも最適。その場で食べたい人は、店の外のオーブントースターで温めることもできます。

こちらはおみやげで人気の詰め合わせ「ふらっと尾道」2080円(写真右)と「百年蒲鉾」各1200円(写真左)。「ふらっと尾道」にはごぼう天や豆竹輪、梅焼など約6種類が入っています。「百年蒲鉾」は白と紅の2種類。「百年蒲鉾」は瀬戸内海でとれるグチやハモを使用しています。食事にもおつまみにも合う、優しい味わいです。

■桂馬蒲鉾商店
住所:広島県尾道市土堂1-9-3 
TEL:0848-25-2490
交通:JR尾道駅から徒歩約5分、または山陽自動車道福山西ICから車で約15分
営業時間:9~17時
定休日:木曜

香り高い逸品が勢揃い!
老舗茶舗が厳選したお茶をみやげに

今川玉香園茶舗(食)

続いて、明治11年(1878)創業の茶舗「今川玉香園茶舗」へ。時が止まったようなレトロな雰囲気が評判のこちらは、店主が厳選した日本全国や台湾の茶葉が揃います。店舗の隣にはお茶専用の土蔵があり、一定期間、茶葉を熟成させています。

店内の壁には、茶葉の入った箱がずらり。選りすぐりの単一品種のお茶のほか、尾道の料理に合うようにブレンドされた商品も揃います。「お客様のお茶を飲む状況などをヒアリングして、一人ひとりに合ったものをおすすめしています」と店主の今川さん。気さくな今川さんと相談しながら好みの味を探します。

尾道では戦前、セイロン茶の輸入を行っていましたが、第二次世界大戦で輸入が禁止に。それから65年後の2005年に輸入が再開され「尾道紅茶」として販売されることになりました。扱っている茶葉は5種類。ティーバック20パック1512円、「尾道紅茶 アソード(ティーバッグ)」5種類×2個入り1080円などが揃います。こちらは、ネコのパッケージがかわいい尾道紅茶シリーズ。今回は、今川さんにアドバイスをもらいベーシックな「ディンブラ」と、ミルクティーにおすすめという「ウバ」をチョイスしました。いずれも洋菓子にぴったりです。お茶と一口に言っても種類はたくさん。いただくシーンを考えてチョイスするとティータイムや食事が楽しくなりますね。

■今川玉香園茶舗
住所:広島県尾道市久保1-6-8
TEL:0848-37-3766
交通:JR尾道駅から徒歩約16分、または山陽自動車道福山西ICから車で約15分
営業時間:9~18時
定休日:不定休

瀬戸内海産の刺身や寿司が、
リーズナブルな価格で

保広(食)

寿司と魚料理の「保広(やすひろ)」は瀬戸内海の鮮魚を堪能できる店。昭和42年(1967)の開店以来、地産地消にこだわり、海の幸は地元の漁師さんから直接仕入れたもの、野菜や米も尾道やその周辺でとれたものを中心としています。

「保広」はカウンター席が7席、座敷が5卓。小ぢんまりとした店内は木のぬくもりを感じられるやさしい雰囲気が漂います。一人でも利用しやすいカウンター席の前に、その日のおすすめの鮮魚がずらり。調理風景が目の前で眺められるのでライブ感を楽しめます。座敷は靴を脱いでゆったりとくつろぎたい人におすすめ。

ランチに「刺身定食」1800円を選びました。しっとりとした鯛、コリコリとした食感のイカやタコの刺身をお店でブレンドした醤油に付けていただきます。ほかにはゲソとエビ、小エビの酢の物、鯛のアラを尾道の天然水で煮込んだあら汁などが付きます。ご飯は広島県産のせら高原のコシヒカリで、粘り気と爽やかな風味が絶妙。刺身は大きめに切られていて、異なる食感が楽しめます。さらに酢の物や自家製の漬物の味にほっこり。ほかにも季節の鮮魚を使った「上握り鮨」2000円がおすすめです。尾道の新鮮な食材をたっぷりと味わうことができ、大満足のランチになりました。

■保広
住所:広島県尾道市土堂1-10-12
TEL:0848-22-5639
交通:JR尾道駅から徒歩約6分、または山陽自動車道福山西ICから車で約15分
営業時間:11時30分~14時、17~21時(20時30分LO)
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)、月末の火曜


●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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