泊まる
2024.06.21
元蔵屋敷の趣ある宿に泊まって、絵付け、ピザ作り、坐禅など体験三昧！【矢掛屋 INN＆SUITES（岡山県 矢掛町）】
岡山県倉敷市から車で約35分の矢掛（やかげ）町。白壁と黒の貼り瓦が美しい美観地区で有名な町です。江戸時代には、大阪と福岡県小倉を結ぶ旧山陽道の宿場町として発展。800人を超える大名行列一行を町全体でもてなしたこともあったそう。そんな矢掛町には、国の重要文化財である「旧矢掛本陣石井家住宅」や「旧矢掛脇本陣髙草家」など、歴史ある宿場が今も数多く残っています。「矢掛屋 INN＆SUITES」もそのひとつ。江戸時代の古民家を改装した全室コンセプトが異なるこだわりの宿で、こちらを拠点に、歴史情緒漂う矢掛町をゆっくりと散策してみませんか。
Summary
江戸時代に脇本陣も務めた古民家宿。
趣の異なる客室が選べる！
矢掛屋 INN＆SUITES（宿泊）
歴史ある宿場町にたたずむ「矢掛屋 INN＆SUITES」。江戸時代に備中国賀陽郡庭瀬（かようぐんにわせ）、現在の岡山県中部に藩庁を構えた庭瀬藩の蔵屋敷をリノベーションした宿泊施設で、本館と温浴別館からなります。まずは本館のロビーでチェックイン。緑あふれる中庭を通って客室へと向かいましょう。
客室は、間取りがすべて異なります。今回は女子旅ということで和モダンなかわいい雰囲気の客室「紅葉」を選びました。「紅葉」は白いタイルの壁と紺色と茶色を組み合わせたベッドカバーがかわいい客室です。 木造の長屋門を改装し、天井の梁に趣が漂います。トイレとバスが1階、ベッドルームとキッチンは2階にあります。
窓からは矢掛町の中心部を流れる小田川が見えて、ロケーションも抜群。景色を眺めながらおしゃべりを楽しみました。本館の客室にはキッチンが備え付けられているので、お茶やコーヒーを入れたり、お酒のお供にちょっとしたおつまみを作ったり、軽食を用意したりできます。
本館の客室の洗面所に置かれたポーチには、シャンプーやコンディショナー、ボディウォッシュのほかにメイク落としや洗顔料、パックやマウスウォッシュまで入っていました。アメニティが充実していてテンションもアップ！
本館に宿泊する女性限定で、色浴衣も用意されています。5～6種類の柄の中からお気に入りを選んで、温泉へ。
別館にある湯の華温泉には、内湯と露天風呂があります。湯は炭酸カルシウム温泉で、効果は肩こりや冷え性など。広い湯船で思いっきり体を伸ばし、旅の疲れを癒やすことができました。
温泉で汗を流した後は夕食会場へ。まずは岡山県の地酒で乾杯！ 矢掛町の隣、岡山県井原市の地酒など、郷土の味に合う日本酒が豊富に揃っています。
夕食は季節の会席コース。矢掛町でとれた野菜や瀬戸内海の海の幸がふんだんに使用されています。この日のメインは矢掛町産のにんにくと井原市産の美星（びせい）黒豚のソテー。甘味が強く、柔らかい豚肉に香り高いにんにくがマッチしています。添えられたアスパラガスやかぼちゃも矢掛町産のもの。地産の新鮮なおいしさと出合い、贅沢な時間を過ごしました。
中庭は夜になるとライトアップされ、昼とはまた違った幻想的な雰囲気に。ベンチに腰掛けて、美しい景色にゆったり酔いしれるのもおすすめ。ちなみに、中庭はイベントの会場になることもあり、宿泊者以外の立ち入りが可能です。
朝食は、矢掛町産のトマトや冬瓜など季節の野菜をたっぷり使ったおかずに、フルーツ、ご飯と味噌汁、ドリンクが付きます。朝からボリューム満点で旅のエネルギーを充填することができました。
■矢掛屋 INN＆SUITES
住所：岡山県小田郡矢掛町矢掛3050-1
TEL：0866-82-0111（問合窓口）
交通：山陽自動車道鴨方ICから車で約15分、JR新倉敷駅北口から送迎あり（要予約）、または井原鉄道矢掛駅から徒歩約10分
チェックイン：15時
チェックアウト：11時
料金：1泊2食付き1万6698円～（紅葉の間2名利用時）
昭和初期の建物を利用した観光案内所。
観光大使・やかっぴーグッズを手に入れて
やかげ町家交流館（体験）
昭和初期に酒店として使われていた建物を生かした「やかげ町家交流館」。矢掛商店街の中にあり、矢掛町の特産品やみやげの販売、観光案内を行っています。店内奥にはカフェも併設されていて、歩き疲れた足を休めるのにぴったり。日曜にはコンサートや落語会などのイベントも開催されるのでチェックを♪
館内には町案内のパンフレットやマップが並んでいます。矢掛観光の前に必ず訪れたいところ。矢掛町在住のイラストレーターが制作した矢掛商店街探索マップを見ながらスタッフの方に説明してもらいました。歴史的な建物だけでなく、おしゃれなカフェもあることを知り、早く出かけたい気分になりました。
■やかげ町家交流館
住所：岡山県小田郡矢掛町矢掛2639
TEL：0866-63-4446
交通：山陽自動車道鴨方ICから車で約15分、または井原鉄道矢掛駅から徒歩約10分
営業時間：10～18時
定休日：年末年始
矢掛の農業体験ができる施設で、
地元食材を使ったピザ作り！
桃源郷 はなしの里 憩いの館（体験）
しいたけ狩りや番茶作りなど農業体験ができる施設「桃源郷 はなしの里 憩いの館」。地元の食材でピザを作る体験やキャンプ、バーベキューなどアウトドアが存分に堪能できます。また、矢掛町の特産品をたっぷり使ったランチが楽しめるレストランもあります。
今回は、ピザ作りを体験。生地をこねて薄く伸ばし、その上に玉ねぎやピーマン、アスパラ、トマトなどの地元の野菜とチーズをトッピングしていきます。
センスよく盛り付けるのがなかなか難しい！ ピザの具材は月替わりで、今回は羽無（はなし）産夏野菜入りのトマトチーズピザでした。準備できたら、外にある本格的なピザ窯で焼いていきます。
ピザを窯の中へ。火箸で鉄板をゆっくりと回しながら約3分焼きます。熱さと戦いながら焼き上げると、何とも言えない達成感に包まれました。
窯から出し、桐の板に盛り付けてもらって実食！ 生地には羽無産の米粉を使用しているので、もちもちしています。自分で作ったピザの味は格別。思い出に残る体験ができました。
■桃源郷 はなしの里 憩いの館
住所：岡山県小田郡矢掛町上高末3749
TEL：080-6309-6558（桃源郷はなしの里事務局）
交通：山陽自動車道鴨方ICから車で約35分
営業時間：11〜14時
定休日：月～土曜
料金：ピザ作り体験大人1000円、子ども700円（月1回、要予約）
伝統工芸品・備中神楽の絵付け。
筆先に集中して本格的なお面を！
矢掛町老人福祉センター（体験）
「矢掛町老人福祉センター」では、岡山県の伝統芸能「備中神楽」で用いられる神楽面の絵付け体験ができます。矢掛町リサイクル福祉事業の一環として、地域の方々が古新聞を再利用してお面を制作。恵比寿様や大黒様の備中神楽面のほか、桃太郎や鬼、おたふくなど10種類の中から好みのお面を選んで挑戦します。
神楽面絵付け体験は、筆や絵の具を貸してくれるので、手ぶらで行ってOK。見本のお面を見ながら絵付けをしていきます。筆を持つのは久しぶりなので、緊張して手が震えてしまいましたが、先生から「目や髭は筆を立てて毛先で細く描くといいですよ」などとアドバイスをもらい、なんとか筆を走らせることができました。
完成したお面はこちら。今回は「桃太郎」と「鬼」各1000円の絵付けをしました。約1時間で完成。夢中になって体験したのであっという間に時間が過ぎました。お面を飾るための飾り台付きです。台を付けると風格が出てプロっぽい仕上がりに♪
■矢掛町老人福祉センター（神楽面絵付け体験）
住所：岡山県小田郡矢掛町矢掛3012-1
TEL：0866-83-1170
交通： 山陽自動車道鴨方ICから車で約15分、または井原鉄道矢掛駅から徒歩約6分
営業時間：9～16時
定休日：土・日曜、祝日、年末年始
料金：神楽面絵付け体験1000円～（5日前までに要予約）
岡山県指定名勝がある古刹で坐禅。
自分自身を見つめ直して晴れやかに
大通寺（体験）
天平15年（743）に開かれたと伝わる曹洞宗の寺「大通寺」。鎌倉時代初期、後鳥羽院の勅願寺として現在の地に移転したそうです。書院の北側に広がる庭園は岡山県指定名勝のひとつ。風格のある木造の山門前で、気さくなご住職が出迎えてくれました。
今回は毎月第2日曜に行われている坐禅にチャレンジ。坐禅の間に通していただき、壁に向いて坐禅を組みます。組み方などの作法は丁寧に教えてくれるので、初めてでも安心。目をつぶり、約30分間心を無にします。意識的に何も考えない時間を作ることで、頭の中がスッキリしました。
坐禅体験の後は、ご住職の案内で庭園を見学。庭園は江戸時代後期に約20年かけて造られたもの。
石組みで表現された池泉観賞式庭園で、別名「石寿園」ともよばれています。滝の間に配された石のバランスが絶妙で、枯山水のような印象を受けました。秋は紅葉、冬の雪景色も美しいそうなので、毎シーズン訪れたくなりますね。
■大通寺
住所：岡山県小田郡矢掛町小林1815
TEL：0866-82-0909
交通： 山陽自動車道鴨方ICから車で約30分、または井原鉄道矢掛駅から徒歩約30分
営業時間：10～16時
定休日：月曜（祝日の場合は翌日）
料金：拝観料 大人400円、小学生以下無料、坐禅体験の料金は事前に要確認
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
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