【海外でもSDGs旅】ニューヨークの水上交通「NYCフェリー」

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世界各都市でSDGs(持続可能な開発目標)への関心が高まる中、2050年までによりサスティナブルな都市を実現すべく、8つのゴールと30の取り組みのアウトライン化した長期プロジェクト「OneNYC 2050」を打ち出したニューヨーク市。同プロジェクトでは、活気ある民主主義、包括的経済、健全な市民生活、卓越した教育、気候変動への取り組み、モビリティの効率化、インフラの近代化など、多岐にわたる課題が盛り込まれています。

今回フォーカスするのは、モビリティです。この街に暮らす830万人もの人々が日々移動するニューヨークには、すでに地下鉄やバス、鉄道、タクシーといった交通手段が定着しています。加えて近年では自転車やスクーターなどのシェアリング・サービスもニューヨーカーの暮らしの中に浸透してきています。しかし、ニューヨーク市は将来の人口増加を見据え、現行の移動手段をより近代化・冗長化することで、より多くの人々が利用しやすいモビリティ環境を構築しようとしているのです。

その一例が水上交通、すなわちフェリーです。四方を海や川に囲まれた島都市ならではの立地を生かし、2017年にローンチしたNYC(エヌ・ワイ・シー)フェリーは、渋滞に陥りがちなタクシーやバスにはないスピード性と、乗り心地のよさ、そして地下鉄と同じ運賃という手ごろさから、就航以来、累計2200万人もの人々に利用されています(2021年10月1日~12月31日時点)。

環境配慮面では燃料効率を最大限まで引き上げるため、船体設計に工夫を凝らし、素材は軽量アルミニウムを使用。また、すべてのフェリーの動力は米国EPA(U.S. Environmental Protection Agency=アメリカ合衆国環境保護庁)の規定でも上位にあたる低排出量型Tier3エンジンを採用しています。さらにはより最新型のTier4エンジンの導入にも踏み切っており、今後はより環境に優しい交通手段としてますます認知されていくでしょう。

利用者の利便性面では、快適性と安全性を重視。ゆったりとした船内デザインはもとより、フェリーはいずれも障害を持つ人も利用しやすいよう、ADA(アメリカ障害者福祉法)に準拠したデザインになっています。

興味深いところでは、これまで都市の中心地からは離れていたコミュニティを航路でつなげることより、コミュニティごとの経済成長を促そうという点です。


今後もさらに航路の増加が期待されるNYCフェリーは、市民のみならず、旅行者にもより多彩な都市探訪の機会を与えてくれるでしょう。地下鉄ともイエローキャブとも異なる、水上からのゆったりとした眺めは格別です。イーストリバーやハドソンリバーの爽やかな風を受けつつ、ぜひニューヨークの新しい景色を堪能してください。

▼NYCフェリー公式サイト▼
https://www.ferry.nyc



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