京都・西陣の京町家で、まんまフィンランドのフィンランド料理店に出合う!

京都・西陣の京町家で、まんまフィンランドのフィンランド料理店に出合う!

京都府 食・グルメ 北欧雑貨 フィンランド 町家カフェ 古民家カフェ
Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket

京都市内の繁華街を外れたエリアをウロウロしていると、今まで知らなかった、普通に生活していたら出合えない世界を見せてくれる不思議なお店を発見することがあります。フィンランド料理のお店「フィンランドカフェ ポーヨネン」もそんなお店のひとつ。さぁ、ここではどんな世界が繰り広げられているのか。気になるお店の中へとご案内します。

Summary

見るモノ見るモノが不思議!フィンランドの素敵が詰まった京町家カフェ

学問の神様・北野天満宮の一の鳥居を出て、今出川通を東に3分ほど歩き、2筋目を上七軒通に向かって歩くと、壁に昭和レトロな看板がいくつも飾られた不思議な建物が見えてきます。その建物の隣、同じようにベンガラ色の壁が目印の京町家が「フィンランドカフェ ポーヨネン」です。

何のお店だろう? と初めて通りかかったときからとても気になっていた、独特の存在感を放つお店。店内もやはりカオスです。カウンターにいらっしゃるのは店主のえみぞうさん。フィンランドが好きで、何度も訪れて、行くたびに好きになり、その回数が10数回を超えた頃、とうとう自分でお店を開くことにしたそうです。

この物件を見て、カウンターの前に並ぶ赤いハイスツールを見た瞬間、「あ、フィンランドっぽい」と思ったそう。フィンランドのどの町にも昔からあるカフェをそのままイメージした店づくりをされています。

ショーケースには、異国のお菓子や調味料など見たことのないものがいっぱい。「これは何に使うの?」「どんな味なんだろう?」と謎は深まるばかり。フィンランドの人気キャラクター・ムーミンのパッケージがかわいいドロップもあります。

奥に行くと、京町家の名残そのままに、タイル張りのハシリ(流し台)とおくどさん(かまど)があり、その上にも所狭しとフィンランドからやってきたヴィンテージ雑貨や小物、ファッションアイテムなどが並んでいます。フィンランドの人気ブランド・マリメッコの靴までありました。

フィンランドといえばサンタクロース、サンタクロースといえばトナカイ。そう、このバッグはトナカイの革で作られています。革の厚みは薄めで、柔らかくて滑らか。それなのにとても丈夫。手に触れたときのしっとりとした質感がたまりません。

奥から見た店内。走り庭(ハシリの置かれる通り庭)の上には火袋と呼ばれる吹き抜け。京町家の特徴がそのまま残されているので、そのあたりもみどころ。(吊してある鮭が気になりますが…)。店内を見回していると時間が経つのを忘れてしまいます。

お店では不定期でイベントも開催されています。イベント会場は、一度店を出て、隣の町家。アートの展示やフィンランドを体験できるワークショップなどが行われます。興味のある人はSNSをチェックしてみて!

北欧の国、フィンランドの伝統的な家庭料理を味わう

さて、一番のお目当て、フィンランド料理の登場です! フィンランド料理で有名なのはサーモンとジャガイモがたっぷり入ったサーモンスープや豆のスープなど寒い地方ならではのさまざまなスープ料理や、ジャムをつけて食べるミートボール、ラーティッコと呼ばれるマッシュした野菜をオーブンで焼き上げた料理など。どちらかというと素朴な料理が多いそうです。

その中から、今回オススメしていただいたのは、ジャムをつけて食べるミートボール!

さて、実食。人生初のフィンランド料理です。ミートボール美味!味の決め手はやはりジャム。リンゴンベリー(コケモモ)のほのかな甘みとしっかりとした酸味が、肉の味にうまみと深みを足してくれます。個人的にめちゃくちゃ好みの味。お米やパンの代わりの主食がじゃがいもなので、ビタミンCやビタミンB2、カリウムなどの栄養素を一緒に摂れるのがいいですね。

付け合わせにたっぷりと盛られたマッシュポテト。フィンランド料理ではマッシュポテトが主食。口どけよく滑らかに仕上げてあります。

北欧カラーのサラダそうめん 800円
「北欧カラーのサラダそうめん」800円

もう一品がこちら。えみぞうさんによる「日×フィン折衷」の創作料理。日本からは夏を代表する食材のそうめん、フィンランドからはショーケースにあった謎の調味料、リンゴンベリーパウダーと塩、すりごまで味をつけます。

そうめんを染める淡いピンク色は天然無着色のリンゴンベリーのパウダー。日本の食材でいえば紫蘇のようなイメージで、すっきりとした酸味をプラスしてくれます。彩りもよくて、夏バテしやすい暑い季節にぴったり。

これらの料理の元になるのはフィンランドのカフェで食べておいしかった料理などを記した秘密のネタ帳。この中から季節や手に入る材料にあわせて、不定期でさまざまなメニューが登場します。次に訪れたときにはどんなフィンランド料理と出合えるのか? そんな楽しみもあるお店。

コーヒーの消費量が世界一ともいわれるフィンランドで、一番人気のコーヒーブランド「ユフラ・モッカ(JUHLA-MOKKA)」の豆で淹れたコーヒーで食後の一服。

ポーヨネンで見つけた気になる北欧グッズ

左からリンゴンベリー、ビルベリー、シーバックソーン
左からリンゴンベリー、ビルベリー、シーバックソーン

最後に今回、ポーヨネンで見つけた気になるフィンランドの商品を3つご紹介。まずこちらは、先ほどのそうめんにも使われていた天然ベリーのパウダー。リンゴンベリーはフィンランド中に自生し、驚くほどのビタミンEと何種類ものポリフェノールを含みます。ビルベリーはブルーベリーの野生種で、ヨーロッパでは医薬品の材料に使われるほどアントシアニンが豊富。シーバクソーンは鉄分やリンゴ酸など200種類以上もの栄養成分を含むスーパーフード。
冬の日照時間が極端に短いフィンランドでは、ビタミン不足が深刻な問題。なので、それを補うために、こういったビタミンなどの栄養素を補助するための食品が人気なのです。日本では、大きなスーパーに行っても、なかなか見かけない天然のスーパーフード。食事が偏りがちな人には強い味方になってくれそう。

次はえみぞうさんが「北欧の本気」とイチオシしているハンドクリーム。フィンランドでは1950年代からあるベストセラー商品で、砂漠のようにカサカサの手でも少量で潤してくれるそう。レモンの香りの爽やかさも人気です。

こちらは「Sacker&Salt」(砂糖と塩)と書かれた調味料入れ。日本のこけしにも似たフォルムがかわいらしいです。これは、えみぞうさんが偶然立ち寄った雑貨屋さんで出会って一目惚れした一点モノ。売り切れたら最後の、一点モノと出合えるのもおもしろいところです。

他にも、フィンランドの観光本に紛れて、フィンランド語に翻訳された「進撃の巨人」の漫画があったり、時期によってはイベントが行われていたりと不思議な魅力に詰まった「ポーヨネン」。とにかくおもしろいので、ぜひ足を運んでみてください!

■フィンランドカフェ ポーヨネン
住所:京都府京都市上京区真盛町726-35
TEL:090-1147-0572
営業時間:日・月・火曜11~18時、金・土曜12~20時
定休日: 水・木曜
アクセス:「上七軒」バス停から徒歩2分


Photo: photo scape CORNER.大﨑 俊典
Text:京都ライター事務所 小西尋子

●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。


Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket
記事トップに戻る

この記事に関連するタグ

編集部のおすすめ

ページトップへ戻る

検索したいキーワードを入力してください