「英国アンティーク博物館 BAM鎌倉」は鎌倉の新・必訪スポット!忠実に再現されたシャーロック・ホームズの部屋がすごい
鎌倉・若宮大路に2022年9月にオープンした「英国アンティーク博物館 BAM鎌倉」。展示フロアの2階から4階には、100年以上の歴史をもつ本物の英国アンティークが約1000点展示されています。なかでもおすすめは、原作に基づいて忠実に再現された3階の「シャーロック・ホームズの部屋」。英国アンティークに囲まれたホームズの世界観は、“シャーロキアン”ならずとも何度でも訪れたくなる空間です!
Summary
建築家・隈研吾氏デザインによる“英国アンティークの博物館”
鶴岡八幡宮の参道・段葛(だんかずら)に面して立つこちらの建物が、今回の目的地「英国アンティーク博物館 BAM鎌倉」です。鎌倉駅東口から歩いて約7分。鶴岡八幡宮からなら歩いて約1分という好立地。
博物館の設計・デザインは、日本を代表する建築家・隈研吾氏によるもの。波を打つようなこの特徴的なファサード(外装)は、鎌倉の伝統工芸「鎌倉彫」の刀痕からインスピレーションを得て造られたそうです。博物館に到着したらまず建物を見上げて、その芸術的な美しさを堪能してくださいね!
館内に進む前にもうひとつ、とっておきのみどころをご紹介します!グランドフロア(エントランス)に置かれたロンドンタクシー、通称「ブラックキャブ」です。
この「ブラックキャブ」は、1970年代に製造されたFX4といわれるヴィンテージカーで、土橋正臣(どばし まさおみ)館長のコレクションのひとつ。実は、日本一のロンドンタクシーコレクターとしても知られる土橋館長。現在、10台の「ブラックキャブ」を保有しているのだとか。
ここにある「ブラックキャブ」は、ケータリングカーに改造されていて、コーヒーや紅茶などのドリンクを販売する「ブラックキャブカフェ」としても楽しむことができるんです。博物館の見学後や鎌倉さんぽの小休止に、利用してみてはいかがでしょうか。
イギリス直輸入のグッズをおみやげに!1階ミュージアムショップ
1階フロアには、イギリス直輸入のグッズが並ぶミュージアムショップもあります。ロンドンで人気の時計台・ビックベンやロンドンバス、テレフォンボックスをモチーフにしたアイテムのほか、イギリス本国の「シャーロック・ホームズ博物館ロンドン」から直接買い付けている貴重な公式グッズも豊富に揃っています。
ミュージアムショップで扱うグッズや商品のレイアウトは、不定期に入れ替わります。特に「シャーロック・ホームズ博物館ロンドン」の公式ライセンスグッズは、心惹かれるものに出合えたときが購入のチャンス!ここでしか買えない「隈研吾デザインBAM鎌倉オリジナル」のカップ類は、数量限定品なので気になる人はお早めに♪
豪華な銀食器が並ぶ2階「ジョージアンルーム」へ!
1階で入館受付を済ませたら、さっそく英国アンティークで満たされた展示フロアへ進みましょう!まず出迎えてくれるのは、階段壁面を埋め尽くすように飾られたアンティーク絵画です。
19世紀に活躍したイギリスの画家、J.M.Wターナーやジョン・コンスタブルの影響を受けた画家たちが描いた、イギリスの優美な風景画が1階から4階まで無数に並ぶそのさまは、圧巻のひとこと。一段一段歩みを進めるごとに、イギリスを旅しているかのような感覚になります。
階段を上って最初の展示室、2階「ジョージアンルーム」に到着。
ここは1714~1837年のジョージ王朝時代を再現したフロアです。壁一面のディスプレイキャビネットには、ティーポット、ビスケットウォーマー、ティーケトルなど、当時の華やかな暮らしを感じられる美しいシルバーウェア(銀器)が並びます。
フロアの左手には、重厚なアイアン扉の小部屋が。ここにはイギリス近衛兵の200年前の赤い上着やクマの毛皮の帽子、レザーのアンティークトランクなどが並ぶほか、英国王室御用達の靴メーカー「ジョン・ロブ」の工房も再現されています。棚にあるオーダーメイドの木型はすべて本物。博物館をオープンするにあたり「ジョン・ロブ」から100ペア寄贈されたそうです。
220年前のジョージアン時代に制作された全高約180cmの貴重な英国製ハープも、このフロアのみどころのひとつです。
「シャーロック・ホームズ」の世界観が凝縮された3階フロア
「ジョージアンルーム」をあとにして3階へ。まず目に飛び込んできたのは“221B”と “BAKER STREET”の文字。これだけでピンときた人も多いのではないでしょうか。そうです!ここ3階は「シャーロック・ホームズの部屋」なんです。
「シャーロック・ホームズ」といえば、イギリスの作家アーサー・コナン・ドイル(1859~1930)の推理小説に登場する主人公の探偵で、『シャーロック・ホームズシリーズ』は、TVドラマをはじめ映画にもなり、今もなお世界中の人々に愛されている作品です。
3階フロアでは、本国の「シャーロック・ホームズ博物館ロンドン」の協力を得て、原作のホームズの部屋を忠実に再現しているんです。
こちらは『シャーロック・ホームズシリーズ』の物語に基づいて正確に造られたリビング。「シャーロック・ホームズ博物館ロンドン」のリビングと部屋のスケールも配置もほぼ同じなんだそうです。
暖炉の上をよく見ると、短編小説『六つのナポレオン』に出てくる“ナポレオン像”の姿も!作品に登場する小物たちを探すのも楽しいですね!
書斎やリビングだけでなく、ホームズの寝室もあります。コンパクトながらも、ヴィクトリア時代の素敵な小物や昆虫標本、さらには用を足すおまるなども置いてあって、見る人を飽きさせない空間になっています。
最後は必ずチェックしておきたいコチラ!「ホームズ物語」の初版本です。壁に掛けられたガラスケースの中には、アーサー・コナン・ドイルの直筆の手紙も飾られています。ファンにはたまらない貴重な逸品、どうかお見逃しなく!
英国の栄華が詰まった4階「ヴィクトリアルーム」
「シャーロック・ホームズの部屋」を満喫した後は、最上階フロアとなる4階「ヴィクトリアルーム」へ。英国が繁栄を極めたヴィクトリア女王時代のデザイン様式で彩られた、優美な調度品が並ぶ空間です。
なかでも英国王室御用達のピアノ「John broad wood & sons(ジョン ブロードウッド アンド サンズ)」は、目に焼き付けておきたいもののひとつ。細部にまでこだわった装飾とウォールナットやローズウッドなどの高級木材で丁寧に作られた芸術品は、何度見ても溜息がでるほどに美しい逸品です。
ラストは、「ヴィクトリアルーム」の一角に造られた、隈研吾氏デザインの茶室をご紹介します。壁や床に使用している木材は、「BAM鎌倉」の建築に際し、この土地の発掘調査で出土した古い木材。そこに12世紀から続く英国のホテルで使われていたオークの床材を合わせて、日本と英国の伝統文化を融合させた茶室に仕上げています。
掛け軸に見立てた窓からは、鶴岡八幡宮がひとつの絵のように見えるのですが…。
そこは、この茶室を訪れてからのお楽しみ。窓の前に立って、ぜひ眺めてみてください。
来館前に「チケットの購入方法」をチェック!
入館チケットには、前売り券(デジタルチケットのみ)と当日券の2種類があります。
チケットをよりお得にゲットするなら、前売り券(割引目安:大人1300円→1200円)がおすすめです!「英国アンティーク博物館 BAM鎌倉」の公式サイトから、日時指定のチケットを事前購入し(1日前までキャンセル無料)、来場当日、入館時に携帯端末でQRコードを提示すれば完了です。
当日券(大人1300円)を購入する場合は、1階のチケット販売所へどうぞ。ただし、公式サイトにおいて事前販売が予約枚数に達している場合は、当日券の販売が行われないこともありますのでご注意ください。
“次世代にアンティークの世界を伝え、物や人を引き継ぐ素晴らしさと大切さを多くの人に感じ取ってもらいたい”と誕生した「英国アンティーク博物館 BAM鎌倉」。本物の英国アンティークの魅力を肌で感じに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
Text:清沢奈央
Photo:櫻井めぐみ
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