寿司&魚釣りも!?おどろきの体験型水族館【アクアマリンふくしま】
福島県いわき市にある「アクアマリンふくしま」は、水族館とは思えないほど体験メニューが豊富!大水槽を目の前に寿司を食べたり、動物になりきってアスレチックをしたり、自分で釣った魚をその場で食べたり…そんな知的好奇心を満たしてくれる水族館の魅力をご紹介します♪
Summary
「アクアマリンふくしま」ってどんなところ?まずはアクセスや周辺情報から
福島県最大の港湾である小名浜(おなはま)港に面して立つ「アクアマリンふくしま」は、ユニークな展示で海の魅力を学べる‟体験型”の水族館。
進化の流れを体感したり、実際にビーチに入って生きものに触れたり、魚を釣ってみんなで食べる‟食育”の一面もあったり…「海を通して人と地球の未来を考える」というコンセプトのもと、楽しみながら学べるさまざまなコンテンツが目白押しなんです。
福島県いわき市にある「アクアマリンふくしま」へのアクセスは、東京方面から車・電車ともに約3時間。仙台方面からは車で約3時間、電車で約2時間45分で、週末旅行にちょうどよい距離感にあります。
周辺には一大温泉テーマパークの「スパリゾート ハワイアンズ」もあり、ほかにもファミリーで楽しめるおでかけスポットがたくさん。「アクアマリンふくしま」と合わせて1泊2日で巡るのがオススメのエリアです♪
広報さんと一緒にめぐってオススメポイント聞いてきました♪
今回は、「アクアマリンふくしま」広報担当の仲山さんと一緒に水族館を巡り、みどころを取材してきました。
学生時代、地学を勉強していたライターKにとってかなり胸アツな展示もあって大満足!後半では大人も子どもも楽しめる体験コンテンツが登場するので、最後までぜひご覧ください♪
縄文時代の自然環境を再現!ユーラシアカワウソのエサやり風景も
見学順路は、「わくわく里山・縄文の里」からスタート。「アクアマリンふくしま」は展示を通して、太古から現代までの流れを表現しており、歩き進めるごとに時代の進化を感じることができます。
縄文時代は、人と自然が共生しながら平和に暮らしていた時代。山や渓流、滝、湿地など豊かな縄文時代の自然がここでは再現されています。縄文人が活用していた日本在来種や縄文時代の植物などがあり、まるでタイムスリップしたかのようでした。
そしてこのエリアの1番のメインは「カワウソのふち」。2012年に絶滅宣言がなされたニホンカワウソは、魚やカニ、エビ、カエルなどを食べる雑食性で豊かな水辺の環境で過ごしていたそうです。いわき市にある縄文時代の遺跡からも骨が出土しているのだとか。
ここでは、ニホンカワウソと遺伝的に近く、外見の類似性も高いユーラシアカワウソを展示しています。
「毎日10時と15時にはエサやりの時間があるのでオススメです。勢いよくエサをキャッチするカワウソたちを目の前で見ることができますよ!」と広報の仲山さん。
飼育員さんがお客さんの待つガラスのほうにめがけてエサを投げてくれるので、カワウソたちもこっちに向かってダイビングキャッチ!ガラスに張り付いて食べたり、ふだん見られない様子を観察できて子どもたちも大はしゃぎでした♪
世界初!シーラカンス2種の標本を同時公開。太古の海を感じよう!
「わくわく里山・縄文の里」の屋外展示から館内へ入ると、ガラリと雰囲気が変わって神秘の世界が広がります。
「海・生命の進化」のコーナーでは、太古に水のなかで展開した進化と絶滅の歴史を紹介。約10億年前に最初の多細胞生物が出現した過程から、水中から陸へあがった両生類まで、生きもののはじまりを知ることができる内容となっています。
展示では化石はもちろん、‟生きた化石”を見ることができます。‟生きた化石”とは、地質時代から例外的にゆっくりと進化して、先祖の形態を残しているもの。たとえば、脊椎動物の祖先といわれるナメクジウオや軟骨魚類のスポッテッドラットフィッシュなど、進化の生き証人ともいえる貴重な存在が展示されています。
しかもそれだけでなく、ここではシーラカンス2種の標本を同時公開。2種を同時に見られるのは世界でも「アクアマリンふくしま」のみなんだとか。
恐竜の時代に絶滅したと信じられていたシーラカンスは、1938年に南アフリカで発見され、20世紀最大の生物学的発見ともいわれました。現在は学術調査が進んでおり、ここではシーラカンス幼魚の映像も見ることができます。地学大好きライターKにとっては、このエリアだけで1日過ごせそうなほどとても興味深い内容でした!
北の海に住む海獣・トドやアザラシに大接近&熱帯アジアのマングローブの森へ!
生きもののはじまりと現代までのつながりを観察したあとは、視点を変えて地球規模で海をイメージ!福島県沖はちょうど親潮と黒潮の境目に位置している豊かな海域なんです。
まずはさむ~い北の海から。福島県沖までやってくる親潮の源はベーリング海やオホーツク海。北の海は栄養塩が豊富なため、プランクトンが大量に発生!多くの魚が育ち、それらをエサとする海獣類が生活しています。
ここでは大人気のゴマフアザラシやトドなどを見ることができます。
毎日10時30分と15時30分にはエサやりタイムも。おいしそうにパクパク食べるゴマフアザラシがとってもキュートで癒される~!と思いきや、隣の水槽ではエサが欲しくて動き回るトドが大迫力!ちなみに、海のギャングともよばれるトドの雄叫びのような鳴き声は、海の上では数キロ先まで聞こえるのだそうです。
そして先に進むと、熱帯アジアのマングローブの森へ。じめっとした湿気と暑さがやってきました。
黒潮の遠い源である熱帯アジアの水辺を再現したエリアでは、めずらしい形や色をした生きものや、多様な進化を遂げた植物が。「アクアマリンふくしま」は国内で最も多くの種類のマングローブ植物を展示しているのだそうです。
北から南へ、ぐるっと地球を見渡しているようで、あらためて生きものの多様性を感じられました。
一番のみどころ・「潮目の海」の大水槽。眺めながら食べられる寿司処も!?
そしてこの「アクアマリンふくしま」最大のチェックポイントが「潮目の海」。福島県沖で出合う親潮と黒潮の“潮目”を、大きな三角のトンネルで表現していて、神秘的でとってもフォトジェニック!
写真左側が冷たい海・親潮の水槽。よ〜く見ると岩陰や海底でじっと動かず潜んでいる魚たちが見られます。寒くて動かないのは人間も魚も一緒なのかもしれません…!栄養塩類が豊富で、プランクトンが多く発生する親潮は、生命を育む豊かな海。岩や海藻、マボヤなども見られます。
そして写真右側は温かい海・黒潮の水槽。こちらは黒潮流域の外洋を泳ぎ回る回遊魚を中心に展示されており、力強くグングン泳ぐカツオやマグロの姿が。プランクトンを餌にするマイワシ、それを餌にするカツオやマグロを同居させることで、「食物連鎖」の関係も再現しているそうです。
親潮と黒潮を対比して観察できるのはすごく新鮮で、同じ海でもこんなにも違うのかと驚きの連続でした。
また、おもしろいのが、この大水槽の前でなんと…寿司が食べられるんです!寿司処「潮目の海」では本格的なにぎり寿司が味わえます。生きている魚たちを目の前に食べるとは驚きでしたが、“命あるものをいただく”という食育の面も兼ねているのだとか。
メニューは資源量が安定している魚介類を中心とした内容で、日本酒や生ビールも提供されます。「お子様寿司(寿司3貫・駄菓子・ジュース付)」550円もあるので親子で一緒に味わってみましょう♪
■寿司処 潮目の海
営業時間:土・日曜のみ 11~15時
体験がスゴイ!遊びながら学べるオススメSPOT
「アクアマリンふくしま」では、展示を通して海の生きものや地球環境について学べるだけでなく、実際に自ら体験することでより身近に感じられる仕掛けがたくさんあります。
ここからは、ファミリーで一緒に楽しめる注目スポットをご紹介♪
動物になりきってアスレチック!「えっぐの森 どうぶつごっこ」
2022年4月26日に新しく登場した「えっぐの森 どうぶつごっこ」は、動物になりきって遊べる遊具がある屋外のエリア。日本の森に暮らす動物たちも展示されています。
すばやく走って木から木へ飛び移るニホンリス、動きがはやくて木登り上手なテン、木の枝にしっかりつかまるミミズク。森の動物たちがどんな動きをしているか観察したあとは、実際にその動物の気持ちでアスレチックに挑戦!
「とびわたれ!新米リス」では大小さまざまな丸太の上を渡ってみたり、「とべ!モモンガ」では身体をめいっぱい広げて飛ぶモモンガの気分でターザンロープをひと滑り!見て、体感して、森や自然の魅力を感じてみましょう♪
ちょっとしたクイズも用意されているので親子で一緒に楽しんでみてくださいね。
自分で釣った魚をその場で調理!「アクアマリン えっぐ」
子ども向けの体験施設「アクアマリン えっぐ」には釣り場が併設されており、釣り体験をできるだけでなく、その場で唐揚げにして食べることができます。
釣った魚をその場で食べることで‟命をいただく”という意味を実感することができ、とても人気の体験プログラムとなっています。
ほかにも魚の体のつくりなどを学びながら自分で釣った魚をさばく調理体験(追加料金不要※現在休止中)や、生きているホタテやサザエを囲炉裏で焼く炭火焼き体験(貝類1個300円~※現在休止中)、缶詰づくり体験(300円)などさまざまなメニューを用意。
体験イベントやワークショップは毎日開催されているので、最初にチェックしてから水族館をまわりましょう!
世界最大級のタッチプール「蛇の目ビーチ」&水辺の生きものが住む「BIOBIOかっぱの里」
屋外エリアで、水族館にはめずらしい白い砂浜のビーチを発見!磯、干潟、浜という海辺の自然を再現したという「蛇の目ビーチ」は、なんと広さ4500平方メートルを誇ります。
世界最大級というこのタッチプールでは、ヒトデやナマコ、ウニなど磯の生きものに触れることができ、ザラザラ、チクチク…はじめてのいろんな感触との出合いが!裸足になって水辺に入って、生きものを観察したり、砂遊びをしたり、好きなように遊ぶことができますよ♪
また草が生い茂る水辺のエリア「BIOBIOかっぱの里」では、メダカやカエルなどを観察!どこの町にもあるような小川や池を再現しており、季節によって色とりどりの野草が咲き、1年を通して景色の移り変わりを楽しめます。
大人も童心に帰った気持ちで子どもと一緒に観察してみましょう♪
最後はグルメ&おみやげをチェック!
小名浜港を見渡せるロケーションにあるレストラン「おいしい水族館~アクアクロス~」。こちらでは「ハッピーオーシャンズ」という食育の取り組みがされていて、海の恵みを将来も安心して食べられるよう、資源量が安定している魚介類を中心に提供されています。
わかりやすくメニュー表やパンフレットでも紹介されており、例えば資源量の多いカツオは‟青信号=すすんで食べよう”。資源量が少ない魚介類は黄色信号や赤信号で表示しています。なんとなくでもこれを覚えていると、ふだんの買い物でも役立てられるようになり、海洋資源保全の意識が高まったような気がしました♪
■おいしい水族館~アクアクロス~
営業時間:【通常期(3月21日~11月30日)】ドリンク・サイドメニュー10時~16時30分、食事オーダー11~16時
※冬期(12月1日~3月20日)は通常期表示より30分早いLO
おみやげは、メインゲート近くにある「アクアマリンショップJOHMON」がオススメ!館内にあるミュージアムショップよりも大きく、品ぞろえが豊富なうえに、入場券がなくても入れるエリアにあるので誰でもお買い物が楽しめます♪
今回はかわいいアイテムやレアなアイテムをピックアップしてみました。
こちらの手乗りサイズの人形は、クタ~としたゆるさがとってもキュート♪ユーラシアカワウソの赤ちゃんの人形で、大きさと体重を再現しているのだそう!こんなに軽いんだ~と感激しつつ、手触りもバツグンでずっと撫でて癒されました。
こちらは広報さんのオススメ商品!「アクアマリンふくしま」では2023年5月7日まで絵本『スイミー』とコラボした企画展を開催しており、オリジナルのグッズも販売中♪『スイミー』の淡く美しい世界観が表現されたメモ帳はコンパクトに折りたためて使い勝手も◎。
また写真下のキーホルダーはなんと「アクアマリンふくしま」で展示されているゴマフアザラシやクラカケアザラシの本物の毛が入っているんです。そのめずらしさもあってか根強い人気があるのだそう♪赤ちゃんのころの貴重な毛は現在出ているもののみという場合もあるので、気になる方はぜひ問い合わせてみてくださいね。
■アクアマリンショップ「JOHMON」
営業時間:9時~17時30分(冬期17時まで)
以上、「アクアマリンふくしま」の魅力をご紹介しました。大人でも新しい知識をたくさん吸収でき、知的好奇心がたくさん刺激され大満足でした♪
五感をフルに使って海や地球を学べる体験型の水族館なので、ぜひファミリーで一緒に訪れて、一緒に考えて、一緒に楽しみましょう!
Text & Photo:ジェンティーレ恵
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