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【静岡市歴史博物館】2023年1月のグランドオープンが待ち遠しい! 徳川家康も歩いた(?)戦国時代の道を見学してきました

【静岡市歴史博物館】2023年1月のグランドオープンが待ち遠しい! 徳川家康も歩いた(?)戦国時代の道を見学してきました

静岡県 大河ドラマ 博物館 るるぶ&more.編集部 建築 ギャラリー
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2022年7月にプレオープンした「静岡市歴史博物館」。静岡市は、徳川家康が三度暮らした家康ゆかりの地で、博物館の主要なテーマの一つも徳川家康です。2023年には大河ドラマ『どうする家康』が放映され、家康が再び注目を集めること間違いなし! 現在プレオープン中の博物館のみどころをご紹介します。

Summary

静岡市に待望の歴史博物館がオープン

2023年1月13日にグランドオープンする静岡市歴史博物館
2023年1月13日にグランドオープンする静岡市歴史博物館

「静岡市歴史博物館」までは、JR静岡駅から徒歩約15分。静岡市のシンボルである駿府城公園の目の前で、かつての駿府城の三の丸に位置する場所に建てられました。近くには静岡県庁や静岡市役所があるなど、まさに静岡市の中心といえる場所です。

建物から突き出た部分が天空回廊
建物から突き出た部分が天空回廊

建物を設計したのは、フランスのルーブル美術館ランス別館や石川県の金沢21世紀美術館などを手がけたことで知られる、妹島和世氏と西沢立衛氏による建築家ユニットSANAA(サナア)。建物の外壁は網目状の金属パネルで包み込まれ、建物から飛び出した展望回廊が目を引きます。
展示は建物の1~3階を利用しますが、プレオープン中の現在は無料エリアである1階だけが公開されています。

ギャラリーで静岡市の歴史とみどころをおさらい

入館者を出迎えるギャラリーの展示品
入館者を出迎えるギャラリーの展示品

博物館に入るとまず目に付くのが、入口正面に設けられた「ギャラリー」です。
「静岡市歴史博物館」は、静岡発展のキーマンとなった徳川家康を中軸に、その家康を育てた大きな要因であった、当時の東海一円を統治していた今川氏にもスポットを当てています。そして、家康後の駿府の発展から現代の静岡へと続く歴史を追う構成をとっています。
といっても、それ以前のテーマを扱わないわけではありません。ギャラリーは、家康や今川氏が登場する戦国時代までの、静岡の大きな歴史の流れを概観できるコーナーです。古代から鎌倉時代にかけて、静岡市内を代表する遺跡から出土した品などのレプリカを展示しています。

登呂遺跡で見つかった弥生式土器
登呂遺跡で見つかった弥生式土器

清水天王山遺跡から出土した鉢形土器や、日本で初めて弥生時代の水田跡の遺構が確認された登呂遺跡から出土したつぼ形土器、鎌倉時代の仏像など、すべてレプリカですが、それぞれの時代を代表する品とあって見応えがあります。

建物の外から見たギャラリーの様子
建物の外から見たギャラリーの様子

ギャラリーの展示品は、ギャラリー内部ではなく、外に向かって設置されているのがユニークなところです。博物館の外を歩く人にも見てもらい、少しでも興味をもってもらおうという狙いがあるそうです。

三保から静岡までの駅や名所が描かれている鳥瞰図
三保から静岡までの駅や名所が描かれている鳥瞰図

ギャラリーの壁には、昭和初期に描かれた静岡鉄道沿線の鳥瞰図が展示されています。駿府城址や久能山、羽衣の松など、現在でも観光地として知られているスポットが描かれているほか、現在ではなくなってしまった駅や施設も描かれています。興味深く眺めていく市民の方が多いとのことです。

さまざまな場所の情報を入手できる
さまざまな場所の情報を入手できる

またギャラリーにはタッチパネル式の「しずおか名所案内」が設置され、市内のみどころの解説が見られます。静岡観光の予習にもピッタリです。

戦国末期の道と石垣の遺構

博物館1階の中央にある道の遺構
博物館1階の中央にある道の遺構

ギャラリーを出て、1階中央に向かうと見えてくるのが「戦国末期の道と石垣の遺構」。これは博物館を建設する際の発掘調査によって発見されたもので、徳川家康が駿府城主だった戦国時代末期(天正期)に整備された、“本物の”戦国時代の道です。

戦国末期にタイムスリップした気分になれるかも
戦国末期にタイムスリップした気分になれるかも

場所はこれまで城代屋敷や図書館、小学校などさまざまな建物が築かれてきたそうですが、奇跡的に壊されることなく残っていたことになります。博物館は、この遺構を保存しながら一般公開することを決め、全国的にも珍しい博物館内での露出展示となりました。

直接、道には立てないが、同じ目線に立てる
直接、道には立てないが、同じ目線に立てる

道の遺構は現在の地面の約1m下で見つかりました。東西に延びる幅2.7mの道が、延長33mにわたり、その両側に石垣が築かれていました。駿府城の堀のすぐ近くに位置し、石垣には出入り口にあたるものがなかったことから、道の両側には広い武家屋敷があったと考えられています。
徳川家康の重臣クラスの家臣が住んでいたと推測され、もしかしたら徳川家康がこの道を歩いたことがあったかもしれないとのこと。
「戦国末期の道と石垣の遺構」は上から見るだけでなく、当時の道と同じ高さまで降りて見学することもできます。家康が歩いたかもしれない道に立てるなんて、歴史好きでなくてもテンション上がってしまいます!

道の方に大きな石が配置し、その後ろに川原石を入れて石垣を固定していた
道の方に大きな石を配置し、その後ろに川原石を入れて石垣を固定していた

道の両側の石垣は、自然の石を使った野面積みという方法で、駿府城跡にも同じ時代に築かれた野面積みの石垣があります。石垣は30cmほどの高さが残っていて、当時はこの石垣の上に土壁があったと考えられています。

スロープで2階へ
スロープで2階へ

遺構を囲むようにスロープが設置されています。道の遺構を見ながらスロープを上ると、2階に到着。プレオープン中はこれより先に進めませんが、この先には常設展示用の「基本展示室1」があります。

パノラマの眺望が広がる展望回廊

見晴らし抜群の天望回廊
見晴らし抜群の天望回廊

2階から階段で3階へ上ると展望回廊に出ます。プレオープン中の現在は基本的に公開されていませんが、週末などに開催される「展望ラウンジウォーク」というイベントで見学することができます。

駿府城公園の巽櫓と東御門
駿府城公園の巽櫓と東御門

展望回廊に到着してまず目に飛び込んでくるのが、駿府城公園の巽櫓です。平成元年(1989)に市制100周年の記念事業として復元された巽櫓は、全国の櫓建築でも珍しいL字型をしていて、内部は資料館となっています。
天気のよい日には展望回廊から富士山を望むことができるので、絶景スポットとして楽しむのもおすすめです。

現在は非公開の展示室
2022年10月現在は非公開の展示室

2・3階は2023年1月にオープン予定。
2階の展示室は、人生の三分の一を静岡で過ごした徳川家康と、家康が静岡に来る前にこの地の礎を築いた今川義元に関する品が展示され、2人の生涯に思いを巡らせることができるエリアになります。また3階には常設展示室と特別展示室が設けられ、常設展示室では江戸時代に城下町として発展した駿府の様子を伝える品などを見学できます。

静岡市歴史博物館のグランドオープンは、2023年1月13日(金)です。グランドオープンに合わせて1階にはカフェが開店するほか、さまざまなイベントや企画も予定されています。
大河ドラマで再び注目を集める徳川家康。その家康が歩いたかもしれない場所で、家康の一生にふれてみてはいかがでしょうか。


■静岡市歴史博物館(しずおかしれきしはくぶつかん)
住所:静岡市葵区追手町4-16
TEL:054-204-1005
営業時間:9~18時(展示室入場は閉館30分前まで)
定休日:月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始
料金:1階無料、2・3階は静岡市外の大人600円、高校生・大学生および市内在住の70歳以上は420円、市外の小・中学生は150円(市内在住・通学の場合は無料)、未就学児は無料。企画展は別途有料

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Text・Photo:新間健介(エイジャ)

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