【京都・河原町】星付きフレンチで出会った2人のスペシャリテなスイーツを堪能
京都で名高い星付きフレンチの銘店で出会ったシェフとパティシエール。そんな2人が結婚し、四条寺町に立ち上げたカフェが「Riche huit (リッシュ ユイット)」です。2階はフレンチのコースさながらの完全予約制のアフタヌーンティールーム、3階は季節のタルトをいただける予約不要のカフェになっています。今回は、2階のアフタヌーンティーコースの最後に登場するスペシャリテの一皿と3階でイートインできるタルト4種類をご紹介します。
Summary
完全予約制 一つ星フレンチ出身のシェフとパティシエールの2人によるアフタヌーンティー
阪急電車「京都河原町」駅を降りて、そのまま四条通を西へ。四条寺町のランドマーク「藤井大丸」手前の角地にあるビルの2階と3階が「Riche huit (リッシュ ユイット)」です。
京都で最もにぎやかな四条通にありながら、控えめなアプローチで2階へと誘う「リッシュ ユイット」。便利な場所なのに、1階がまったく違う業種の店舗のためわかりにくく、それが逆にこの店の特別感を引き立たせています。
2階には、完全予約制のアフタヌーンティーを楽しむための8席。上質な家具と控えめな照明が落ち着いた雰囲気を醸し出します。
アフタヌーンティーのテーマは月替わりで、9月は「ぶどう」。ぶどうも甘みの強い巨峰や大粒のピオーネ、皮に赤ワインのような苦味を含む長野パープル、みずみずしく爽やかなシャインマスカットなど複数の品種を使い分け、仕入れた素材の個性にあわせて手を加えます。テーマは1ヶ月または2ヶ月先までWebで予約開始とともに発表され、事前予約ができるので、予定が立てやすいですね。
メニュー構成は、『始まりの一品』でスタート、『前菜』、『メイン』、『お口直し』と続き、最後に今回ご紹介する『スペシャリテ』が登場します。アフタヌーンティーのバランスは、料理とデザートの比率が3:7。塩っけのあるものや野菜のシャキッとした歯触りなどを織り混ぜて、この2人だからこそ実現できるコースに仕上げられています。
内容のすべてを明かさないのは「来てくれたお客さんの目の前で初めて披露したいから」とシェフ。この記事でも、コースの一部『スペシャリテ』のみをご紹介します。
歯の先でカリッと音をさせてかじるもの、とろりと舌の上にとろけるもの。少しずつの味わいや食感の違いが、食べ終わったときに口の中で調和するのも不思議な感覚です。
どれも指でつまめるくらい小さな一口サイズながら同一人物の手で作られたとは思えないほど1つ1つのお菓子へのアプローチが違い、甘めだと思って口にするとビターだったり、さっぱりしていると思ったら、しっかり濃厚な甘さだったり……予想を裏切る味わいに驚かされます。
メニューには詳しく書かれていませんが、9月のスペシャリテの前のお口直しは「お茶漬け」。予想の斜め上いく発想のアフタヌーンティー。値段以上に価値のある体験をさせてもらえます。
ちなみにメインのデザートにペアリングできるドリンクには「斉藤珈琲」のスペシャルティコーヒー、アイスコーヒー「mignon」のハーブティー、「岩村紅茶」のフレーバーティなど選りすぐりの逸品が用意されています。
予約不要 特製タルトに満たされる幸せなティータイム
3階のカフェは予約不要。気軽にティータイムを楽しむことができます。ショーケースに並ぶ季節のタルトは季節により変わりますが、6~8種類。その一部をご紹介します。
早生、中生、晩生と収穫時期により少しずつ変わる桃の味に合わせて、変化する桃のタルト。秋近くなると肉質がしっかりとした品種が増えていきます。
香りの強いシャインマスカットと果汁溢れる藤稔(ふじみのり)を二層仕立てでバランスよく調和させたタルト。
秋の気配が感じられるようになると、焼きタルトの種類が増えてきます。大人の舌に合わせて、焼き込んだ林檎とアーモンドクリームの割合を1:1にして甘みのバランスを整えたりんごのタルト。
土台の中にもいちじくをたっぷりと詰め込んで、上には香り豊かなフレッシュいちじくを。土台部分の食感にもメリハリがあって、ひとつ食べ終わったときには、満足感に満たされます。
これらのタルトは、お持ち帰りも可能。現在は単品注文制ですが、ケーキセットの設定も検討中なのだとか。ドリンクとタルトのベストなペアリングでセットしてもらえるといいですね。
京都みやげにリコメンド! ここだけでしか買えない焼き菓子
テイクアウトの焼き菓子には、日持ちのするもの、お土産やプレゼントにしたいものがいろいろ用意されています。カフェを利用せず、買い物だけでも大丈夫ですよ。
「京都みやげとして喜ばれそうなものは?」と教えてもらったのが、こちらの「御旅所レーズンバターサンド」。祇園祭の祭礼を執り行う八坂神社の御旅所がすぐそばにあることから、この名前が付けられています。夏はバターが溶けるので長時間の移動には不向きですが、秋冬の京都みやげにはぴったり。ここでしか手に入らず、数量も限られているので、特別感がありますよ。
ニューかき氷!フレンチの技法を取り入れたRiche huitの「パフェ氷」
季節のいちごを大量に仕入れて凍らせたものをソースに。いちごがなくなり次第終了(5月頃から販売開始予定)
最後に、お客さんの声から生まれた夏季限定のかき氷をご紹介。お客さんとの会話の中で「2人が作ったかき氷を食べたい」という声から試行錯誤し「Riche huitでしか出せないかき氷を作ろう」と生まれたかき氷です。
かき氷はいまや専門店もあるほどに人気のジャンル。唯一無二のかき氷への挑戦は、フレンチ出身のお二人らしくソース(シロップ)づくりから始まりました。生のフルーツ以外は使わず、砂糖の浸透圧で余分な水分を抜いて作ったピューレで氷に味をつけます。山椒のメレンゲや生姜のメレンゲなどフランス菓子もたくさん散りばめられて、氷だけではない楽しみもありつつ、全体の甘さや重さのバランスは絶妙に整えられています。
「お客様に育ててもらっている」とシェフ。これからの展開も楽しみですね。観光やショッピング、移動の拠点となる四条河原町の穴場。ぜひ予約して「Riche huit」の世界に没入してみてください。
■Riche huit(リッシュ ユイット)
住所:京都府京都市下京区貞安前之町609 飯田屋ビル2~4階
TEL:075-257-2828
営業時間:12~18時 アフタヌーンティー12時30分~(完全予約制)
定休日:月・火曜
アクセス:阪急「京都河原町」駅から徒歩3分
Photo: photo scape CORNER.大﨑 俊典
Text:京都ライター事務所 小西尋子
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