【長崎県】世界遺産の修復も手がけるガラス工房「瑠璃庵」で”フュージング”体験!
世界遺産・大浦天主堂のステンドグラスの修復も行うガラス工房「瑠璃庵」。16世紀にポルトガルから長崎に伝わり、その後吹きガラスの技法で作られていたとされる長崎ガラスを今に伝承しています。工房ではガラス制作体験ができるので、旅の記念に挑戦してみては?
“長崎チロリ”の復元やステンドグラスの修復も行う工房
ガラス工房「瑠璃庵」は、長崎を代表する観光名所で世界遺産にも登録されている、大浦天主堂近くに工房を構えて約40年。ステンドグラスの制作や吹きガラスの技法で、オリジナル製品を手がけています。江戸時代に吹きガラスの技法で作られていた“長崎チロリ”を復元したことでも知られ、その高い技術から大浦天主堂のステンドグラスの修復も手がけています。
工房で一番人気のフュージングを体験!
工房ではガラスの魅力にふれてもらいたいと、ガラス制作の体験(要予約、対象は小学生高学年以上)を行っています。
今回は、体験メニューの中でも一番人気のフュージング(体験料2450円 、所要時間約40~60分、催行人数1名 ※送料別途)に挑戦。
フュージングとは、電気炉でガラスを溶かしてアクセサリーなどを作るガラス工芸の技法の1つです。
イタリア語で「千の花」という意味を持つ「ミルフィオリ」(硝子ビーズ)を使って、ペンダントかストラップを選んでオリジナルアクセサリーを作ります。
スタッフの方から説明を受けたら、見本を参考にしながら、紙に書かれた四角い枠を使ってデザインを考えます。まず上部の角に選んだミルフィオリを1つ、そしてチェーンが通るスペースを確保するためにファイバーという素材を置きます。あとは自由にピンセットを使ってミルフィオリを並べていきます。
金太郎飴のようにコロンとして可愛いミルフィオリは、模様や色のバリエーション、サイズもさまざまです。たくさんあるミルフィオリの中から好きな色や柄を選んで、できあがりをイメージしながら組合せやデザインを考えていきます。
四角の枠からはみ出さないよう枠線内にミルフィオリを納めるのがポイント!ミルフィオリは厚みがいろいろあるので、できるだけ同じ厚みのものを並べると仕上がりがキレイになります。板ガラスでサンドするので、途中板ガラスを乗せて高さのバランスも確認します。
デザインが決まったらミルフィオリを乗せて固定するために、板ガラスにフュージングのりを塗ります。
デザインしたミルフィオリを板ガラスの上に移動させます。デザインした通りに上から順にファイバーとミルフィオリを並べていきます。
並べ終わったらもう1枚の板ガラスを乗せ、サンドしたら完成。この後、焼成し出来上がるまでに2週間ほどかかるので、発送での受け取りになります(送料別途)。
今回体験した完成品がこちら。ガラスが溶け、ガラスビーズが埋め込まれたよう。難しい行程もなかったので気軽に体験できました。模様や色は自分次第、自分だけのオリジナルペンダントやストラップを作ることができますね。
他にもガラスの魅力を楽しめる体験がたくさん!
「瑠璃庵」では、フェージング体験以外にもガラスの魅力を楽しめる体験が用意されています。
ステンドグラス体験(体験料2650円、所要時間約60分、催行人数5名~)は、大小3枚の色ガラスを自由に組み合わせハンダ付けで接合し、オリジナルのキーホルダーを作ります。
吹きガラス体験(体験料4400円、所用時間約20分、催行人数1名)は、12種類のサンプルの中から好きなデザインを選んで、グラスや一輪挿しを作ることができます。 ※完成品は翌日15時以降(翌日が火曜の場合は翌々日)の受け取りか、発送の場合は送料別途。
万華鏡体験(体験料2550円、所要時間約60分、催行人数1名)は、反射鏡をセットした筒に、模様となる色ガラスを入れてオリジナルの万華鏡を制作します。
どの体験コースもスタッフの方が丁寧に指導してくれるので、初心者でも安心してチャレンジできますよ。
職人技を感じる長崎ガラスをおみやげに
工房に併設されたショップには、ステンドグラス作品のほか、職人が吹きガラスの技法でひとつひとつ手作りしたグラスや一輪挿しなど日常使いできるガラス製品が並びます。箸置きやペーパーウェイト、アクセサリーなどはおみやげにもぴったり!なかでも人気の商品をいくつかご紹介します。
シンプルな丸型やハート型もありますが、りんご型が一番人気!フリット(粉末の色ガラス)による模様や気泡によって1つ1つ違う表情があります。
「お花ピアス」や「ワッフルペンダント」のようにミルフィオリや板ガラスで作るキルン(電気炉)ワークのオリジナルアクセサリーは、ハンドメイドならではの温かみを感じます。ステンドグラスを使ったペンダントはシンプルながらも存在感たっぷり。
特殊な型を用いてガラスを吹き込むことで生まれる美しく繊細な凹凸模様と、パイナップルのようなフォルムが特徴のグラス。手になじむよう、持ちやすさにもこだわっているそうです。“瑠璃庵ブルー”とよばれる紫色を帯びた濃い青色の瑠璃色(ルリ)4180円もあります。
瑠璃庵の代表作の1つ。江戸時代に冷酒用の酒器として使われていた長崎チロリを吹きガラスの技法で復元したものです。丸みをおびた球形の胴と、優美に伸びた注ぎ口、美しい瑠璃色が見る人を魅了します。
工芸品の復元やステンドグラスの修復を行いながらガラスの魅力を伝える工房「瑠璃庵」で、ガラス制作の体験を挑戦したり、職人さん手作りのガラス製品を購入してみてはいかがですか?
Text:松浦さゆり(スタジオライズ)
Photo:八木拓也(スタジオライズ)
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