【長崎県】思わず手に取りたくなるココロときめく「陶彩 花と風」長崎モチーフの器たち
陶磁器工房「陶彩 花と風」は、長崎の歴史や文化が学べる「長崎歴史文化博物館」内にあります。夫婦で製作する“長崎らしさ”が詰まった器は、思わず手に取りたくなるような可愛らしいものばかり。なかでも長崎をモチーフにしたおみやげにもぴったりの人気シリーズを紹介します。
長崎歴史文化博物館内にある陶磁器工房
江戸時代にタイムスリップしたような「長崎歴史文化博物館」の一角に店を構える「陶彩 花と風」。轆轤師(ろくろし)である夫の廣田幸雲さんと絵付け師で妻の嵩花さんは、京都での約10年の修業後、地元長崎市の中通り商店街に2013年ショップ兼工房をオープン。その後、2016年にこの場所に移転しました。
ショップ併設の工房で京焼の流れを汲みながらも、「日常に彩りを。」をテーマに2人の自由な発想で、茶陶から日常食器まで幅広く製作しています。なかでも長崎をモチーフにした商品はココでしか出合えないものばかり。嵩花さんが繊細なタッチで描く優しい風合いの名所や名物からは、長崎の魅力が伝わってきます。
長崎モチーフのシリーズが多いのは、お2人が長崎に帰ってきて「陶器のおみやげで長崎らしいものが意外と少ない」と感じたことがきっかけ。多くの人に手にとって楽しんでもらえたらと、住んでいるからこそ感じる“長崎らしさ”や魅力をお2人なりに表現、作陶しているそう。
長崎の魅力が詰まった人気ベスト3!を紹介
そんな長崎モチーフの人気ベスト1は、長崎の名所や名物を立体的なフォルムで再現した「立体箸置き」シリーズ。めがね橋、くじら、電車、ランタン、長崎ちくわの5種類あり、「くじら」は工房をオープンした年に、間近で見た長崎くんちの演し物の1つ「鯨の潮吹き」からインスパイアされたそうです。遊び心を感じる「長崎ちくわ」は、かまぼこの消費量日本一を誇る長崎ならではの商品ですね。
人気ベスト2は、長崎で多く見られるしっぽが曲がったネコ、通称「尾曲がり猫」をモチーフにしたシリーズ。いろんな表情で描かれていて、見ているだけでほっこりします。バリエーションも豊富です。
人気ベスト3は「唐子」シリーズ。セレクトショップ「アーバンリサーチ」とのコラボレーションで誕生したシリーズです。若い人にも手に取ってもらいたいという思いから、長崎県佐世保市の「三川内焼(みかわちやき)」の代表的なモチーフ・唐子を現代風にアレンジ。中国風の子供がカステラを食べたり、バスケットやサーフィンなどのスポーツをする姿が愛らしく描かれています。
全7種類ある「長崎の町並み」シリーズは、眼鏡橋や教会、グラバー園などの風景や名所にプラスされた、市花「あじさい」の彩りがポイントです。
地元の人に人気なのは「長崎くんち」シリーズ。毎年10月7日~10日に開催される日本三大くんちの一つ諏訪神社の秋の大祭「長崎くんち」。奉納踊として披露される「演し物」の龍踊やオランダ船の柄は、躍動感たっぷり。毎年、その年の「演し物」の図柄が登場するので楽しみにしている人も多いそうです。
最後に紹介するのは、「長崎ハタ」シリーズ。長崎では凧のことを「ハタ」とよび、代表的な柄がオランダ国旗をイメージした「丹後縞」や、「波に千鳥」などを描いたもの。箸置は長崎ハタと同じひし形の形状を生かした仕上がりで、色鮮やかに描いた模様が目を引きます。
どのシリーズも箸置や豆皿、フリーカップなど展開されていますが、手作りのために店頭にない場合もあるとのこと。オーダーも受け付けているので、気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
ふたりの職人の手によって生まれる陶磁器
店内に並ぶ器は、すべての行程を夫婦ふたりで、手作業にこだわって作られています。幸雲さんは、轆轤目(ろくろめ)などの装飾を施した器や、結晶釉(けっしょうゆう)を使い花びらを散りばめたような紋様が美しい器など、食卓を彩る器をメインに。
嵩花さんは道具や絵具などを巧みに使い分け、細やかな筆使いで染付けや絵付けを施します。京都で培った確かな技術と経験を生かしてオリジナルの絵付けを行っています。
長崎の歴史を感じる空間で生まれる、長崎らしい可愛い器たち。お気に入りのシリーズを思い出の1つにプラスしてみては。
■陶彩 花と風
住所:長崎市立山1-1-1長崎歴史文化博物館2階
TEL:095-807-6854
営業時間:10~18時
定休日:第1・3月曜(祝日の場合は翌日)、そのほか不定休あり
入館料:無料(博物館常設展の入館料は有料)
長崎の歴史が学べる博物館の見学も忘れずに
「陶彩 花と風」を訪れた際には「長崎歴史文化博物館」の見学も忘れずに!シンボル的な存在として奉行所の一部を復元した「長崎奉行所ゾーン」では、忠実に再現された書院やお白洲など当時の雰囲気が体感できます。日曜にお白洲で行われる、時代劇さながらの寸劇も人気です。
「歴史文化展示ゾーン」では、長崎の海外交流史をテーマに歴史資料や美術品を多数展示、体験コーナーや映像コーナーもあり充実の内容です。
また館内には「伝統工芸体験工房」もあり、長崎銀細工や長崎刺繍、ステンドグラスなどを職人さんの指導のもと制作体験ができます。 (体験内容の詳細はHPで要確認)。
■長崎歴史文化博物館
住所:長崎市立山1-1-1
TEL:095-818-8366
営業時間:8時30分~19時、12~3月は~18時(最終入館は閉館30分前)、伝統工芸体験工房は9~17時(体験は予約優先)
定休日:第1・3月曜(祝日の場合は翌日)
入館料:常設展入館料630円
Text:松浦さゆり(スタジオライズ)
Photo:八木拓也(スタジオライズ)
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