【日光】世界遺産・日光東照宮のみどころを紹介!豪華絢爛な彫刻に最強パワースポットまで
「日光東照宮」は、世界遺産「日光の社寺」の構成資産の一つ。2024年で世界遺産登録25周年を迎えます。シンボルとも言える陽明門をはじめ豪華な社殿群に魅了されます。広い境内には、三猿や眠り猫などの彫刻や、パワースポットなどみどころがたくさん。効率よく巡れるおすすめルートを紹介します。
Summary
「日光東照宮」ってどんなところ?
「日光東照宮」は、徳川家康公を祀る霊廟です。元和3年(1617)、2代将軍秀忠公が家康公を祀る「東照宮」として造営。3代将軍家光公による「寛永の大造替(かんえいのだいぞうたい)」で、現在のようなきらびやかな社殿群に建て替えられました。
境内には国宝8棟、国指定重要文化財34棟を含む55棟があります。表参道から、家康公が眠る奥宮まで、所要約2時間。階段も多いので、履きなれた歩きやすい靴で行くのがベター。東照宮についてより詳しく知りたい人は、ガイドツアーや音声ガイドを利用するのもおすすめです。
日光東照宮までは、JR日光駅または東武日光駅から世界遺産めぐりバスで7~10分、バス停表参道から徒歩5分です。
表参道から参拝スタート!個性豊かな動物の彫刻に注目
東照宮の表玄関、石鳥居は国の重要文化財。高さ9m、柱の太さは3.6mもあり、江戸時代の石造りの鳥居の中では最大規模を誇ります。扁額の大きさはなんと畳1畳分。扁額に書かれている「東照大権現」とは、家康公の神様としてのよび名のことで、書は後水尾天皇によるものです。
石鳥居の手前の階段は、上段へ行くほど幅が狭くなっています。遠近法で、鳥居が高く遠くに見えるんです。
石鳥居をくぐると左手に見えるのが五重塔。現在の建物は文政元年(1818)に再建されたもの。初層から4層までは和様の平行垂木、5層目だけが唐様の扇垂木という珍しい造りです。
初層に東西南北を表す十二支の彫刻が施されています。正面(東)には、家康公の寅、秀忠公の卯、家光公の辰の彫刻が並びます。
拝観券を購入して、表門から入場。門の表には仁王像、裏には狛犬が立っています。バクや麒麟の彫刻も探してみて。
表門をくぐると正面に見えるのが三神庫です。神庫とは、宝物や祭りの道具を入れる倉庫のこと。上神庫・中神庫・下神庫の3つがあり、三神庫とよばれています。ここでは上神庫の軒下の彫刻「想像の象」にご注目。絵師の狩野探幽(かのうたんゆう)が象を知らず、想像で下絵を描いたと伝わっています。
有名な「三猿」の彫刻は、上神庫の向かいの神厩舎(しんきゅうしゃ)にあります。神厩舎とは、日光東照宮に仕える神馬の馬屋のこと。昔から猿は馬を守るとされ、本物の代わりに彫刻が施されたといわれています。
猿の彫刻は全8枚あり、三猿の彫刻は2枚目にあたります。8枚で猿の一生を描きながら、人生を諭しているともいわれています。どんなストーリなのかじっくり見てみましょう。
豪華絢爛な陽明門の彫刻にうっとり
青銅鳥居をくぐると、いよいよ陽明門(ようめいもん)が目の前に!江戸時代初期の工芸・装飾技術の粋を集めた豪華絢爛な門で、508体の彫刻が施されています。一日中見ていても飽きないことから「日暮の門」ともよばれるのだとか。
彫刻の中には、麒麟や龍馬など、霊獣とよばれる不思議な形をした動物がたくさん。正面中央の白木の彫刻は、宙を悠々と舞う「目抜きの龍」。平和を願い子どもたちが遊ぶ様子を描いた「唐子遊び」や、恐ろしい表情で門をくぐる人を見張る「鬼瓦」など……、確かに一日中見ていても飽きません。
陽明門の12本の柱のうち、門をくぐってすぐ左の1本だけ「グリ紋」という渦模様が逆さに彫られています。「完成した瞬間から崩壊が始まる」という言い伝えから、グリ紋を逆さにしてわざと未完成の状態にしているそう。
陽明門をくぐると正面にあるのが唐門。かつては将軍や大名のみ、現在も国賓級の参拝者しか通れない御本社の正門です。御本社を守るためにさまざまな霊獣の彫刻が施されています。
御本社は、本殿・石の間・拝殿からなる権現造の建物で、東照宮で最も神聖な場所。建物内を拝観することもできますよ(内部は撮影禁止)。
眠り猫にごあいさつして、家康公が眠る奥宮へ
家康公が眠る奥宮へは、東回廊から207段の石段を上り約10分かかります。
ここで見逃せないのは、廻廊の潜り門の上部にある「眠り猫」。正面から見ると眠っているようですが、斜め下から見ると威嚇しているような姿に。見る角度によって表情が変化するんです。
奥宮へ向かう石段にも注目ポイントが。なんと石段や石柵はそれぞれ一枚の石を削って造られているんだそう。当時の徳川家の偉大さが伝わってきます。
奥宮は拝殿・鋳抜門・宝塔からなる家康公の墓所で、重要文化財に指定されています。宝塔には家康公の分骨された骨が納められているといい、その前には鶴の燭台、獅子の香炉、花瓶といった三具足が置かれています。
杉の木に囲まれ、静かで落ち着いた雰囲気。心を落ち着けてお参りしましょう。そばには、願い事が叶うといわれている、樹齢約600年の叶杉があります。
神秘的!鳴龍(なきりゅう)やパワースポットも要チェック
注目したいスポットはほかにも。重要文化財の本地堂(薬師堂)(ほんじどう(やくしどう))は、天井に縦6m、横15mの大きな龍の絵が描かれています。龍の頭の上で拍子木を打つと、「キィーン」と甲高い音が響き、まるで龍が泣いているかのように聞こえることから「鳴龍」とよばれます。
東照宮随一のパワースポットといわれるのが、陽明門前にある青銅鳥居の手前の石畳。鳥居、陽明門、御本社、家康公が眠る奥宮、さらに北極星が一直線に並ぶポイントなんだそう。鳥居越しに陽明門を眺めていると、なんだかパワーが湧いてきそうです。
日光東照宮美術館や、日光東照宮宝物館など、参拝後に楽しめる施設も充実。東照宮と二荒山神社を結ぶ上新道は、神様の散歩道ともいわれるパワースポットで、杉の巨木や石灯篭が立ち並ぶ眺めの良い通りです。東照宮見学を満喫したら、この道から日光山内の散策に繰り出すのもおすすめです。
Text:小室茉穂
Photo:宮地工
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