静かなひとときを過ごせる都会の庭園「小石川後楽園」のみどころとおすすめコースをご紹介!

静かなひとときを過ごせる都会の庭園「小石川後楽園」のみどころとおすすめコースをご紹介!

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「小石川後楽園」は、東京ドームのお隣、都会の真ん中にありながら、広大な土地&自然に囲まれてゆっくりと過ごせるスポット。さまざまな地域の景勝地に見立てた眺めや中国に影響を受けた建造物など、たくさんのみどころと、おすすめの巡回コースをご紹介します!

Summary

江戸時代から続く、都内の貴重な景勝地「小石川後楽園」

「小石川後楽園」は、江戸時代初期の1629年に水戸徳川家の初代藩主・頼房によって造り始められ、二代藩主の光圀の代にかけて完成しました。

二代目藩主の光圀は儒学に傾倒していたことから、造園にあたり明の儒学者である朱舜水(しゅしゅんすい)の意見を取り入れており、「後楽園」という名前も、中国の教え「天下の憂いに先立って憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」から名付けられたのだそう。

藩主が変わるとともに庭も少しずつ変化しながら受け継がれ、400年近い歴史が積み重なり今の姿に。

現在では国の特別史跡・特別名勝に指定され、この2つの指定を受けているのは国内でも十数カ所と、とても貴重。そんな国宝級の価値がある庭園を、アクセスのよい都心で楽しめるというのも魅力です。

江戸から京都までの旅気分を味わう! おすすめ散策コース

「小石川後楽園」ではさまざまな仕掛けがあり、その一つに「江戸から京都への旅が楽しめる」という要素があります。その仕掛けを楽しむ、おすすめ散策コースをご紹介します。

スタートは東門側にある「内庭」から。内庭には「唐門」といわれる「後楽園」へ出入りする正式な門があります。過去に戦争や災害で焼けてしまいましたが、2020年の11月に修復されました。
「唐門」には、朱舜水が書いた筆跡をもとに「後楽園」の扁額(看板)がかけられており、周辺の地名の始まりを、歴史とともに感じることもできますよ。
唐門を過ぎると、草木が生い茂った小道が。この景色は、江戸から京都へ向かう途中の、長野県の木曽路を表しているとか。曲がりくねった細い道で進む先が見えにくいので、どんな景色が待っているのかワクワクした気分で歩けます。
細い道を抜けた先には、大きな池「大泉水」が。こちらは、山道を抜けてたどり着く、滋賀県の琵琶湖に見立てられているのだそう。歩みを進めるごとに変わっていく景観に、驚きつつも感動…!
「大泉水」は、この庭園の中心ともいえる景観です。池の中にある「蓬莱島」は、中国では不老不死の仙人が住んでいる島で、長生きの象徴。島の形も、縁起のよい亀がモチーフになっています。
池に沿って進むと、小さな川が流れるそばに楓などの木々が。これは奈良県の竜田川に見立てたもので、琵琶湖を抜けて奈良県へ進むイメージなのだとか。紅葉したら、より竜田川らしさを感じられそう。
春の開花時期の写真
春の開花時期の写真
さらに進むと、桜のゾーンへ。とても広く、春の開花時期には枝垂れ桜やソメイヨシノなど、さまざまな桜を楽しめ、多くの人で賑わいます。
桜のゾーンの先へ進むと、いよいよ京都がモチーフのエリアに。京都・嵐山を流れる「大堰川」と、川にかかる「渡月橋」が表現されています。
反対側には、石で作られた堤が架けられています。これは、中国の杭州にある景勝地「西湖の堤」を模して作られたもの。

京都をイメージした景色との対比に、中国の影響も強く受けていたことがよくわかります。
「渡月橋」の奥にある石段を登ると、高台に出て先ほど通った「大堰川」を上から見下ろせます。

もともとここには、清水の舞台をイメージした観音堂が建てられていたのだそう。戦時中に焼失し、今は岩組みだけが残されていますが、当時の様子を想像して、高い場所から庭園を眺めてみてくださいね。
観音堂の先には、赤が映える小さな橋「通天橋」が。これは京都・洛南にある「東福寺」の「通天橋」をイメージして作られたもの。まわりにはイロハモミジの林が広がっており、秋には紅葉で真っ赤に染まります。

江戸時代は現在のような交通手段もなかったため、遠く離れた京都は江戸に住む人々にとって憧れの地だったとか。そんな思いも感じながら園内を歩いてみてくださいね。

まだある! 園内の必見スポット

園内にはまだまだみどころがたくさん。

「通天橋」の先にある小さなお堂は、光圀が建てた「得仁堂」で、園内で最古の建物。光圀が『史記』の「伯夷列伝」を読んで感銘を受け、話に登場する伯夷・叔斉の木像を安置していたのだそう。現存する木像は、東京都によって別途保管されています。
「大泉水」のほとりには、立派な一本松が。琵琶湖に見立てた「大泉水」に対して、滋賀県・大津市の景勝地、「唐崎神社」内にある「唐崎の松」がモチーフになっています。
アーチ状にかかった「円月橋」は、「小石川後楽園」内の中国的な景観の一つで、朱舜水が設計したものです。橋が水面に映った姿がまるい月に見える様子から、「円月橋」と名付けられています。

ガイドツアーや四季折々の景色もおすすめ!

「小石川後楽園」は広く、みどころが多いので、一周回る目安の時間は40分ほど。起伏も多いため、訪れる際は歩きやすい靴がおすすめです。

みどころや歴史をしっかり学びたい!という人には、約1時間の無料ガイドツアーの利用がおすすめ。現在は、土・日曜の11時と14時から行われています。気になる人はぜひ参加してみてくださいね。
※2020年10月5日時点の情報。ガイドツアーの詳細は変わる可能性あり。

小石川後楽園は季節の花を観賞するスポットとしても人気で、庭園内では数多くの花々や植物を楽しめます。
冬の開花時期の写真
冬の開花時期の写真
園内北側にある梅林には約40種類、計120本ほどの梅が! 12月下旬から3月中旬くらいにかけて、紅梅、白梅などさまざまな品種の梅が咲きます。
初夏の開花時期の写真
初夏の開花時期の写真
園内にはのどかな田園の風景も。

花菖蒲田には約660株モノハナショウブが植えられており、5月下旬から6月上旬にかけて色とりどりに咲く風景は、「小石川庭園」の初夏の風物詩。見ごろがおわるまで木道が設置されているので、間近で花を楽しむことができるのも魅力です。
稲穂の時期の写真
秋の稲穂の写真
田園風景の中には「稲田」も。光圀が、稲作の大変さを世継ぎの夫人に教えようと作ったものだそう。現在は、地元の小学生の校外学習として、田植えや稲刈りが行われています。

訪れる時期や天気によっても違った景色を楽しめるので、タイミングにこだわらず、ぜひ気軽に訪れてみてくださいね。

Text・Photo:河合華子(vivace)

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