【京都紅葉】大覚寺|広大な池の周りを彩るモミジ。離宮の風格漂う穴場!

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京都府 るるぶ&more.編集部 紅葉 紅葉狩り
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どの季節に訪れても美しい、嵐山・嵯峨エリア。特に秋の紅葉も見事で、市内からやや北西にあるため最も美しい見ごろの時期がやや遅めなのも魅力です。例年11月中旬から紅葉が始まり、11月下旬から12月上旬頃まで赤や黄に染まる絶景を楽しめます。その嵯峨野にある「旧嵯峨御所 大本山大覚寺」は、日本最古とされる庭池「大沢池」を望む風光明媚な景観とともに、嵯峨天皇の門跡寺院としての風雅な雰囲気も味わえる名刹。境内に点在する紅葉鑑賞スポットをご案内します。

Summary

お堂エリアと池エリアでみどころ盛りだくさん!

大覚寺があるのは、トロッコ嵯峨駅などがある賑やかなエリアから北へ徒歩20分、嵐山の中でも「北嵯峨」と呼ばれる静かな界隈です。大覚寺門跡の碑がある道をさらに進むと表門が迎えます。境内はお堂エリアと大沢池エリアに分かれていて、とても広大なので全て回る場合は1時間以上はみておくと良いでしょう。

開創は貞観18年(876)ですが、「旧嵯峨御所」の名を冠す通り、平安初期に嵯峨天皇の離宮として開かれた「離宮嵯峨院」が前身。鎌倉時代にはここで政治が行われていました。寺に改められた後も、代々天皇や皇族が門跡(住職)を務めてきた由緒ある寺院です。(写真は重要文化財の宸殿)

みどころが多いので鑑賞ポイントを解説しながら進みましょう。まずは大門から参拝口に入り、宸殿から「村雨の廊下」を抜けて御影堂へ。この廊下は柱を雨に、折れ曲がる回廊を稲妻に例えて造られた木製の通路で、時代劇の撮影などにも使われています。

大覚寺は般若心経写経の根本道場。写経体験もできます!

大覚寺にはずせないキーワードが「写経」。平安時代に嵯峨天皇が弘法大師の勧めで疫病退散を願い、般若心経を写経したところ疫病が治まったと伝えられます。嵯峨天皇をはじめ後光厳・後花園・後奈良・正親町・光格と六天皇の般若心経は現在も「勅封心経殿」に奉安され、そのことから大覚寺は般若心経写経の根本道場として心経信仰が盛んになりました。

「勅封心経殿」の前にあるのが「心経前殿」。大正14年(1925)に大正天皇即位に際し建てられた饗宴殿を移築したものです。嵯峨天皇、弘法大師、後宇多法皇、恒寂入道親王の尊像を祀っているため「御影堂」とも呼ばれています。

本堂である「五大堂」は大沢池のほとりにあります。池に張り出すように観月台(濡れ縁)があり、ここから大沢池の素晴らしい景色を眺めることもできます。大沢池エリアへの共通参拝口から、紅葉の素晴らしい庭園散策と参りましょう。

平安王朝を思わせる庭池周囲に、700本もの桜や楓が

大覚寺の紅葉鑑賞の醍醐味は、やはり大沢池エリア。平安時代に唐の洞庭湖を模して造られた日本最古の林泉式庭園で、周囲約1kmの池の周りに桜や楓が700本ほど植えられています。日本三大名月観賞地であることから観月の名所として知られ、中秋の頃には「観月の夕べ」が開催されます。

赤く色づく木立に溶け込む、朱塗りの塔が美しい

池のみどころの一つが「心経宝塔」。基壇内部に「如意宝珠」を納めた小塔を安置し、宝塔内部には秘鍵(弘法)大師尊像が祀られます。大沢池の景色の中に佇む朱塗りの塔は、紅葉との対比が美しく、絶好の撮影スポットにもなっています。

二島一石が浮かぶ水面。嵯峨菊と、いけばな発祥の地

池には「天神島」「菊ヶ島」「庭湖石」が浮かびます。中でも「菊ヶ島」は嵯峨天皇が島に咲く菊を手折り、花瓶に挿したと言われることからいけばな嵯峨御流が始まり、いけばな発祥の地とされています。

通らずには帰れない!「もみじロード」

紅葉鑑賞のハイライトは徒歩5分程度に渡って紅葉の並木が続く「もみじロード」。心経宝塔前広場から「名古曽の滝跡」へ続く紅葉のトンネルです。

11月には門外不出の「嵯峨菊」の展示も

大覚寺は紅葉も美しいですが、菊の名所としても知られています。門外不出の「嵯峨菊」は、嵯峨天皇の時代から菊ヶ島に自生していた野菊。1鉢に3本植えられ、丈は殿上から鑑賞できる高さの約2mに仕立てられます。花は上が3輪、中が5輪、下が7輪で「七、五、三」の数になるように付けます。葉は下が黄、中が緑、上は淡緑と「春夏秋冬」を表す決まりです。

毎年11月には「嵯峨菊展」が行われ、境内のあちこちに約700鉢の色鮮やかな嵯峨菊が飾られます。ぜひ紅葉も菊も楽しめる11月に訪れたいですね!

菊の時期を逃しても、12月初旬まで「大沢池ライトアップ」として大沢池周辺が幻想的な光で照らし出されますのでこちらも要チェックです♪

■旧嵯峨御所 大本山大覚寺(きゅうさがごしょ だいほんざんだいかくじ)
住所:京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
TEL:075-871-0071
拝観:9時~16時30分受付終了
定休日:無休
料金:お堂エリア500円、大沢池エリア300円

Photo:旧嵯峨御所 大本山大覚寺 提供
Text:猫田しげる

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