【京都紅葉】曼殊院|侘び・寂びの世界。静寂に満ちた枯山水庭園の秋景色の穴場!

【京都紅葉】曼殊院|侘び・寂びの世界。静寂に満ちた枯山水庭園の秋景色の穴場!

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左京区一乗寺にある「曼殊院」は、代々皇族や公家が住職を務めてきた門跡の一つ。桂離宮に比肩する数奇屋風書院造りの大書院・小書院を有することから、「小さな桂離宮」とも呼ばれています。境内には“小堀遠州好み”とされる枯山水庭園があり、秋には緑の松と白い砂、赤いモミジが織り成す絶景を楽しめます。例年の見ごろは11月中旬から12月初旬。侘び・寂びを感じられる曼殊院門跡の紅葉鑑賞ポイントをご案内しましょう!

Summary

喧騒から離れた静かな一乗寺エリアにある門跡

叡山電鉄の一乗寺駅から東へ。車通りの多い白川通を越え、参道を15分ほど歩くと、住宅街を抜けて自然豊かな里山風景が広がります。その先にあるのが曼殊院門跡の勅使門。この門は天皇家のための門であり、拝観客は西側にある別の入り口の北通用門から境内に入ります。

両脇にモミジを携えた趣のあるたたずまいは絶好のフォトスポット。石段に舞い落ちた木の葉は、まるで赤い滝が流れ落ちるような風雅な光景です。

お寺の歴史は古く、延暦年間(728~806)に比叡山中に創建され、明暦2年(1656)に現在地に移転。開山した是算国師は菅原家の生まれであり、その縁で明治維新まで曼殊院は北野天満宮を管理していました。明暦2年(1656)に王朝文化の申し子である桂離宮の創始者・八条宮智仁親王の第二皇子の良尚法親王が入寺。桂離宮を偲ばせる風格や書院造りの建物内部に見られる優れた意匠は、良尚法親王時代に形作られたとも言えます。

最高格を表す5本線が刻まれた白壁に映える、赤いモミジ

曼殊院は境内の内外にみどころがあります。城壁のような白壁に5本の線が刻まれているのが分かりますか? これは「定規筋」と呼ばれるもので、門跡寺院の証として寺の格式を示すためのしるし。

この5本線が最高格式だそうです。土手の苔の緑と、白い塀に赤い葉の枝がかかる自然な色の配色が実に雅やかです。

書院内部から眺められる、色とりどりの木々

「小さな桂離宮」とも呼ばれる通り、書院内部にある富士の間の菊を象った欄干、月型卍崩しの欄干、釘隠しや引き手などは桂離宮と共通した形式が見られ、同じ系列の工房で作られたものだそう。狩野探幽による障壁画も複数の部屋に飾られています。

理想郷を描いた枯山水庭園を彩る紅葉と緑の松

建物内部は撮影禁止ですが、庭園に撮影スポットは豊富。庭は大書院と小書院の南側にあり、不老不死を求める神仙蓬莱思想に基づいた枯山水庭園です。白砂は、川の流れや池を表していると言われます。こう見ると本当に大河の畔に木々が赤や黄の枝を伸ばしているようですね。

砂の中に配されているのは2つの島と築山。写真中央は「亀島」で、5月初旬には霧島つつじが深紅の花を咲かせます。もう一つは、なんと樹齢400年という「五葉の松」が植えられた「鶴島」。鶴のシルエットをイメージして作られたそうです。庭園には5つの燈籠が据えられており、中でも「曼殊院型燈籠(キリシタン燈籠)」が有名です。

大書院からも庭園を眺められますが、小書院自体が大海に浮かぶ屋形船に喩えられており、そこからの景色も必見。欄干を船の手すりに見立てて「煩悩に満ちたこの世界から理想郷の蓬莱山へと向かう」という図を想定されているのだそうです。

夕暮れ時、木漏れ日が照らす白壁の景色もフォトジェニック。また、曼殊院境内のみならず、その西側にある弁天池の周辺も紅葉スポットなので、時間があれば是非こちらも併せて訪れてみてください。

■曼殊院(まんしゅいん)
住所: 京都府京都市左京区一乗寺竹ノ内町42
TEL:075-781-5010
拝観:9時~16時30分受付終了
定休日:無休
料金:拝観600円

Photo:ハリー中西
Text:猫田しげる

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