大阪「自由軒」の名物カレー。老舗グルメの魅力に迫る!

大阪「自由軒」の名物カレー。老舗グルメの魅力に迫る!

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大阪グルメの老舗といえば名の挙がる、名物カレーで知られる「自由軒」。明治末期に生まれた誕生秘話やそのおいしさの秘密、テイクアウトからおみやげ情報までご紹介!

Summary

大阪・なんばのド真ん中で110年以上続く老舗洋食店

自由軒 難波本店

地下鉄なんば駅から徒歩3分、「自由軒」は賑やかな難波センター街商店街にあります。明治43年(1910)、大阪初の西洋料理店として創業しました。西洋の文化を楽しむハイカラな人々が増え始めた頃で、当時は手に届きにくかったビフカツやカレーをリーズナブルに提供したことで一躍人気店となり、今に至ります。

自由軒 難波本店

お店には、昭和2年(1927)に撮影した従業員記念写真が飾ってあります。「自由軒」と書かれた大きな建物で人数も多く、当時の隆盛が伺えます。

自由軒 難波本店

今の建物は、昭和42年(1967)に再建したものですが、今までの自由軒のイメージを大切にし、建物のデザインを大きく変えることはしていないそう。客の心を和ませようと2代目・故吉田四郎が収集した調度品が、あちらこちらに飾られています。

看板メニューは「名物カレー」。おいしさの秘密は?

自由軒 難波本店
「名物カレー」800円

こちらが創業当時からの看板メニュー「名物カレー」。あらかじめルゥとごはんが混ぜられていること、そして、中央に生玉子がトッピングされていることが最大の特徴です。

自由軒 難波本店

味の決め手は、2日間煮込むという鶏ガラと牛スジのブイヨンに、トマトソースを加えた特製のスープ。フライパンに牛肉とタマネギを入れて強火で炒め、そこにスープとカレー粉を加え、煮立ったらご飯を加えてさらに炒めます。

自由軒 難波本店
自由軒 難波本店

ポイントは特製スープを何度も分けて加え、その都度しっかり炒め、ご飯にスープをしっかり浸透させること。柑橘系の香辛料・陳皮(ちんぴ)が多めに配合された、カレー粉のさわやかな香りが厨房に広がります。

自由軒 難波本店

昭和初期の小説家・織田作之助も店の常連で、「名物カレー」が好物だったそう。店で構想を練ったという出世作『夫婦善哉(めおとぜんざい)』にも自由軒の「玉子入りのライスカレー」が「うまい」と書かれています。店内には織田作之助から2代目が譲り受けた写真が飾られています。

名物女将直伝!名物カレーの正しい味わい方

自由軒 難波本店

名物女将として有名な3代目の吉田純子さん曰く、「明治後期の創業時は炊飯器がなく、ご飯が冷めてしまいます。そこで初代は、カレーとご飯をフライパンで混ぜ合わせた『名物カレー』を考案しました。また、洋食に慣れていない庶民でも緊張せずに食べられると、それも人気の理由だったそうです」。「名物カレー」には熱々を食べて欲しい、という初代の思いが詰まっていました。

自由軒 難波本店

それでは女将に聞いた食べ方をレクチャー。まずは玉子には触れず、カレーライスだけを味わいます。ブイヨンのうま味とさわやかなカレーの風味が染み込んだご飯は、奥深い味わい。辛みは後で少しピリッとくるくらいです。

自由軒 難波本店

カレーライスそのものを味わった後は、中央の生玉子をつぶして全体と絡めましょう。実は、玉子のせのカレーは自由軒が発祥。当時、玉子は高級品だったそう。

自由軒 難波本店

次にソースをかけてしっかり混ぜます。またこのソースのコクと辛味が絶妙なんです!大阪では今はテーブルにソースを置くのが当たり前ですが、まだソースが珍しかった明治後期の創業時から初代の発案でソースがテーブルに置かれ、お客さんは興味津々に試していたそう。

自由軒 難波本店

レトロかわいい、食べ方の案内板も要チェックです。

ほかにもお得な洋食メニューがたくさん!

自由軒 難波本店
「ビーフカツ」1030円

ほかにも赤身のうま味が濃い「ビーフカツ」や「海老クリームコロッケ」780円、「オムライス」830円など、20種以上の洋食メニューが揃います。また、「ミニ名物カレー付トンカツ」1250円など、名物カレーとのセットメニューもおすすめです。

カレーはテイクアウトOK!おみやげカレーもあり

自由軒 難波本店

「ビーフカレーライス」650円や、「カレーソースのオムライス(唐揚げ付)」750円など、カレーのテイクアウトもOK。自宅やホテルで気軽に自由軒のカレーが味わえます。

自由軒 難波本店
「レトルト 名物カレー」1箱470円

家で「名物カレー」が味わいたい時は、レトルトを買うのも手です。ウスターソース付きなのもうれしいポイント。「親の代から百余年 東京にない大阪市民の味」というキャッチも利いていて、大阪みやげにしても喜ばれそうです。

自由軒 難波本店

110年以上大阪の街で愛されてきた「自由軒」。戦後の焼け野原になった時代を経て愛され続ける、唯一無二の混ぜカレーをぜひ味わってみてください。ちなみに入口の立て看板にもなっている女将には、休日や連休に行くと会える確率が高いそうですよ。

■自由軒 難波本店(じゆうけん なんばほんてん)
住所:大阪府大阪市中央区難波3-1-34
アクセス:地下鉄各線なんば駅から徒歩3分
TEL:06-6631-5564
営業時間:11~20時LO
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)


Text:こばやしみもざ
Photo:酒井羊一

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