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【沖縄】世界遺産「今帰仁城跡」を歩こう!アクセス、入場料や、今帰仁村歴史文化センター館長の見どころアドバイスもチェック!

【沖縄】世界遺産「今帰仁城跡」を歩こう!アクセス、入場料や、今帰仁村歴史文化センター館長の見どころアドバイスもチェック!

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沖縄では城のことをグスクとよび、沖縄本島や八重山諸島、鹿児島県の奄美諸島にまで多数点在。その数は300とも400とも考えられています。なかでも今帰仁グスクは、14~15世紀に本島北部から奄美諸島を治めた北山王国の拠点であり、規模が大きく、歴史的に見ても重要な役割を担っていました。世界遺産にも登録されている今帰仁城跡を今帰仁村歴史文化センターの館長・玉城靖(たましろやすし)さんに案内していただきました。

今帰仁城跡とは? 

今帰仁城跡の入口付近
今帰仁城跡の入口付近

今帰仁城跡は今帰仁村今泊の標高約100mの高台にあるグスク跡です。その歴史は古く、琉球王国成立(1429年)以前に存在した王国、北山の王城でした。10の郭をもち、首里城に匹敵する規模であることから往時の権勢が伺えます。昭和47年(1972)に国の史跡に指定され、2000年には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されました。
城郭外にチケット売場や売店、休憩所が整備されたグスク交流センターや今帰仁村の歴史を紹介した今帰仁村歴史文化センターがあり、見学時間は1時間~1時間30分程度と考えていた方がいいでしょう。また、カンヒザクラの名所としても知られ、1月下旬にはさくら祭りが開催されます。

今帰仁村歴史文化センターの館長さんに今帰仁城跡の歴史を伺いました

館長の玉城靖さん
館長の玉城靖さん

今帰仁城跡に隣接する今帰仁村歴史文化センターの館長、玉城靖(たましろやすし)さんは、今帰仁城跡の麓の集落・今泊集落に生まれ、幼少の頃から今帰仁城跡にふれる機会が多かったそうです。玉城さんに今帰仁城跡の歴史について伺いました。

今帰仁城跡立体模型と玉城さん
今帰仁城跡立体模型と玉城さん

「14世紀、沖縄本島は北山、中山、南山と3つの勢力に分かれていました。北山は沖縄本島北部から奄美諸島まで勢力を拡大しましたが、1416年、中山(のちの琉球王国)軍に攻められ滅亡しました。北山滅亡後の今帰仁グスクは、沖縄本島北部を監視するための機能をもち、監守が代々置かれましたが、1609年、薩摩藩による琉球侵攻を受け今帰仁グスクは焼失。1665年には廃城となってしまいました」

今帰仁グスクの廃城以降、グスクとしての役割は失いましたが、地域の人々の精神的な拠り所となり、現在に至っているといいます。グスク内の拝所には御願(うがん)に訪れる人が今も多いとのことです。

館長さんと一緒に、今帰仁城跡巡りへ出発!

今帰仁村グスク交流センターでチケットを購入
今帰仁村グスク交流センターでチケットを購入

それでは今帰仁城跡へと向かってみましょう。玉城さんによると、今帰仁城跡の調査・発掘が行われたのは一部のみ。現在伝わっている城郭内の建物の配置や構造は監守が置かれた1422年以降のもので、北山時代のグスクの様子はよくわかっていないとのことです。謎の多い今帰仁城跡に、興味がそそられます。

外郭

今帰仁グスクの最も外側の郭です。高さ2mほどの石垣が続き郭内には屋敷跡が発掘されています。

館長さん:
「今帰仁城跡の城壁は14世紀中頃に構築されました。これは本土の城よりも100年以上早いことになります。また、使用している石は古期石灰岩で硬く割れにくい性質をもっています。元々は海の中にあったものなのでアンモナイトの化石を見ることができますよ。」

平郎門(へいろうもん)

1713年、琉球王府が編纂した「琉球国由来記」にも記されている今帰仁グスクの正門です。

館長さん:
「平郎門は昭和37年(1962)に修復されましたが、監守時代、北山時代の門の形状とは、かなり異なっているのではないかと考えられています。」

七五三の階段(しちごさんのかいだん)

平郎門から城郭内中心部へまっすぐ進む道で、踊り場を挟みながら3段、5段、7段と階段が繰り返されるためこう呼ばれています。道の両側にはカンヒザクラが植栽され1月にはサクラが咲き乱れます。

館長さん:
「七五三の階段は、戦後整備された道です。城郭内へ続く本来の道は、「旧道」として現存しています。」

旧道(きゅうどう)

平郎門をくぐった右側には、岩がむき出しになった古道があります。こちらが本来の城郭内へと向かう道です。道幅は狭く急な勾配が続き曲線が多いのは、グスクの防衛機能上の観点からこのような構造になったと考えられています。

館長さん:
「この辺りは、発掘調査が行われていないため古銭や陶器の欠片が時々見つかります。あっ!ちょうどここにもありましたね。これは中国の陶磁器の破片で約600年前のものだと思われます。たとえ見つけても持ち帰らないで下さいね。」

大隅(うーしみ)

七五三の階段の左側に広がる城郭で高い城壁によって囲まれています。兵馬を訓練した場所と伝えられています。

館長さん:
「城郭内に洞穴がありここから城外へ抜けられます。洞穴は立ち入り禁止です。」

大庭(うーみゃ)

七五三の階段や旧道の終着地で広場になっています。正殿や南殿、北殿など主要な建物に囲まれた場所で祭事や儀式などが行われた重要な場所と考えられています。

館長さん:
「大庭の役割や建物の配置などは監守時代のものと考えられます。それ以前の北山時代のことはなどはまだわかっていません。」

御内原(うーちばる)

今帰仁グスクに仕えた女官達の生活の場と考えられ、城内で最も神聖な場所です。眺めがよく眼下には大隅やうねるように続く城壁が見え、その向こうには東シナ海が広がっています。

館長さん:
「ここには城内で最も神聖とされる御嶽「テンチジアマチジ」があり今も信仰の場となっています。」

主郭(しゅかく)

城内で最も高い位置にあり、主要な建物があった場所でその礎石も残っています。火の神の祠や灯篭があり、神聖な雰囲気を醸し出しています。

館長さん:
「志慶真門郭への入口近くにある建物の礎石は北山時代のものと考えられています。」

志慶真門郭(しげまじょうかく)

主郭の西側の低い位置にある城郭です。発掘調査で4つの建物があったことがわかっており、家臣など城主に仕えた人々が住んだと考えられています。

館長さん:
「急斜面に石垣が設けられ石積みの技術の高さをうかがい知ることができます。」
※志慶真門郭は2022年11月19日より修復工事により当面の間見学中止。

ここまででひと通り今帰仁城跡の各見どころを見学したことになります。想像以上に高低差があり、旧道など足下が不安定な場所もあるため、スニーカーなど歩きやすい靴でグスク見学を楽しみましょう。

旅の記念に!御城印もゲットしよう

今帰仁城跡で販売される2種類の御城印
今帰仁城跡で販売される2種類の御城印

神社仏閣の参拝した証として授与される「御朱印」にならって、全国各地の城で登城記念になる「御城印」が販売されています。今帰仁城跡でも2種類の御城印が販売され、ひとつは今帰仁グスクのシンボルともいえる「大隅の城壁」、もうひとつは今帰仁グスクの正門「平郎門」が描かれています。御城印は今帰仁村グスク交流センターのチケット売場にて1枚500円で購入できます。ちなみに、首里城や中城城跡、勝連城跡。座喜味城跡と沖縄にある世界遺産のグスクすべてで御城印が販売されています。コンプリートを目指してグスク巡りを楽しんでみてはいかがでしょうか。

宝刀、千代金丸(ちよがねまる)も!今帰仁村歴史文化センターへ行こう

今帰仁村歴史文化センターの外観
今帰仁村歴史文化センターの外観

今帰仁城跡と隣接する今帰仁村の歴史や文化を紹介する施設です。3つの展示室があり、今帰仁城跡で発掘された陶磁器、今帰仁村の村落の生活様式などさまざまな角度から今帰仁村を紹介しています。今帰仁城跡の入場券で入館できるので、半券はなくさないように注意しましょう。

金色に輝く千代金丸(レプリカ)
金色に輝く千代金丸(レプリカ)

さまざまな展示品のなかでも、ぜひ見ておきたいのは、北山王に代々伝わる、金装宝剣拵、千代金丸(ちよがねまる)です。ここに展示されているのはレプリカですが、金色に輝く拵(こしらえ)と輝きを放つ刀身は目を奪われるほどです。
1416年、北山王・攀安知(はんあんち)が、中山軍との戦いで敗れた際、守護神として崇めてきた「テンチジアマチジ」を千代金丸で切り付け、城郭外の志慶真川に投げ捨てます。千代金丸はその後、志慶真川下流域で発見され琉球王府に献上されたと伝えられています。なお、本物は国宝に指定され那覇市歴史博物館に所蔵されています。

中山軍と戦いをゲーム感覚で追体験
中山軍と戦いをゲーム感覚で追体験

今帰仁村歴史文化センター内には、MR(複合現実)を用いた体験型コンテンツが登場しました。その名は「THE BATTLE OF NAKIJIN」。自らが北山王・攀安知となり中山軍と戦うというストーリーで、ヘッドマウントディスプレイを装着すると目の前に敵軍が現れます。コントローラーを刀に見立て迫りくる敵兵を倒しましょう。1回約10分のコンテンツですが、次から次へと現れる敵軍との戦いはリアルで、体験後はヘロヘロになりました。1人500円で予約制です。

世界遺産・今帰仁城跡は、規模が大きく堅固な城壁など見どころも多く、MR体験など新しいコンテンツも魅力的です。琉球王国よりも前に存在した王国、北山に思いを馳せながら城跡巡りを楽しんでみてはいかがでしょうか。

■今帰仁城跡(なきじんじょうあと)
住所:沖縄県今帰仁村今泊5101
電話番号:0980-56-4400
料金:大人 600円、中高生 450円、小学生以下無料
(料金には今帰仁村歴史文化センター入館料含む)
営業時間:8~18時(最終入場は17時30分)、5~8月は~19時(最終入場は18時30分)
定休日:無休
アクセス:沖縄自動車道許田ICから27km
駐車場:320台
URL:https://www.nakijinjoseki-osi.jp/
   https://www.nakijinjoseki-osi.jp/information.php#mr(THE BATTLE OF NAKIJIN)


Text 伊東一洋(トラベローグ)
Photo 根原奉也

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