食・グルメ
2022.11.14
【名古屋】「珈琲処カラス」アンティーク調の美しい空間で「あんトースト」を味わう
1978年の老舗純喫茶「珈琲処カラス」。アンティークの置物や古時計がところどころに配された店内は、まさに異空間。その独特な美しさに惹かれてしまいます。名物の「あんトースト」は、餡の程よい甘さと食感が堪らない逸品。こだわりのコーヒーとの相性も抜群です。
アンティーク調の美しい純喫茶
名古屋を代表するオフィス街であり、多くのビジネスマンが行き交う伏見エリアに「珈琲処カラス」はあります。人気ドラマ『孤独のグルメ』に登場したことでも話題になりました。
一度扉を開けるとアンティーク品や古時計などが置かれた、褐色の空間。言葉では表現しがたい、独特な美しさを放っています。
この空間にときおり鳴り響く「チーン」というトースターの音。懐かしさを感じずにはいられません。古い純喫茶ではありますが、清掃が行き届いており床もピカピカ。とても居心地がよい空間です。
「カラス」という店名について店主の西脇美穂さんに訊ねると、日本神話に登場する導きの神である「ヤタガラス」に因んだそう。「先代の父が縁起をかついで名付けたんです。道にいるただのカラスじゃないんですよ（笑）」と明るく話してくれました。
こだわりが詰まった「あんトースト」
「珈琲処カラス」の名物は、なんと言っても「あんトースト」。食パン2枚で餡子をサンドしています。2代目店主の西脇美穂さんは、餡子に改良を加えるなど先代から引き継いだこのメニューをアップデート。人気を不動のものにしました。
餡子はつぶ餡を使っているのですが、手を加えてこし餡に近い食感に仕上げているそう。この食感がたまりません！さらに特製の調味料を混ぜることで、餡のおいしさをより引き立たせているのだとか。シンプルなようで実は奥が深い一品です。餡子と一緒に生クリームがサンドされているのもおいしさの秘訣。
昨今、レトロな喫茶店がブームになっている影響もあってか、人気が出ているのが「カラスのフロート」。コーヒーフロート、コーラフロート、ソーダフロートの3種類があります（各700円、数量限定）。
かなりリアルなカラス型のクッキーがのせられているのがポイント。アンティーク調の店内を背景に写真を撮ると、かなり映える一品です。
一晩寝かせてから提供するオリジナルブレンドコーヒー
初代店主が厳選した豆をブレンドした「カラスブレンドコーヒー」は、長く愛される一杯。
淹れたてではなく、一晩じっくりと寝かせることによって口当たりをまろやかにしているそう。平日の10時まではモーニングサービスを実施。ドリンク代のみでトーストとゆで玉子が付きます。かなりお得ですが「あんトースト」も食べてみたいのが悩ましいところ…。
11時30分からは食事メニューも味わえます。玉ねぎをじっくり炒め、独自に配合したスパイスで味付けした「カラス特製カレー」650円など、どれも手が込んでいます。平日限定の日替わりランチなどで使用する、ソース類もできる限り手づくりにこだわっているのだとか。
昔ながらの純喫茶の雰囲気を守り続ける「珈琲処カラス」。一方で店のアップデートも怠らず、常連客にも観光客にも愛される素晴らしい一軒です。
■珈琲処カラス（こーひーどころからす）
住所：愛知県名古屋市中区栄1-12-2
TEL：052-231-1563
営業時間：8～18時（日曜、祝日9～17時）
定休日：土曜不定休
Text：安田淳
Photo：村山直章
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