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【愛知・岡崎】「カクキュー八丁味噌」八丁味噌製造元を予約不要で気軽に見学!

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徳川家康公が誕生した岡崎城から西へ向かって八丁(約870m)の場所にあった、「八丁村」で造られていたことからその名がついた「八丁味噌」。正保2年(1645)に創業した八丁味噌製造元「カクキュー(合資会社八丁味噌)」は、現在まで伝統製法を用いた味噌造りを行っています。敷地内には史料館や売店、食事処などの施設があり楽しみが満載。八丁味噌の魅力に、あらゆる角度から触れることができます。

Summary

徳川家康公も愛した豆みそ

大正末期から建て始め、昭和2年(1927)に完成した本社屋。国の登録有形文化財に指定されている
大正末期から建て始め、昭和2年(1927)に完成した本社屋。国の登録有形文化財に登録されている

「八丁味噌」とは大豆と塩のみを原料とする「豆みそ」に分類される味噌。大豆由来の旨味を感じる、濃厚な味わいが特徴です。岡崎で生まれた徳川家康公も、この地で造られる豆みそを好んで食したとされています。現在では「カクキュー」と「まるや」の2社が伝統的な製法で八丁味噌を造り続けています。

そのひとつ「カクキュー」の敷地内は「八丁味噌の郷」として整備されており、観光客にも広く開かれています。個人の場合、予約不要で味噌蔵見学も可!10~16時の毎正時(土・日曜、祝日は毎正時と毎30分~※12時30分の回は休憩)に、ガイド付きの見学ツアーがスタートします。見学所要時間は30分ほど。

味噌蔵見学をスタート!

袋詰めの行程も見学できる(曜日や時間帯によって作業を休止している場合あり)
袋詰めの行程も見学できる(曜日や時間帯によって作業を休止している場合あり)

まず案内されるのが袋詰め工場。八丁味噌はとても固い味噌であるため、一つひとつ手作業で袋詰めをしているのだとか。リズミカルに次々と袋詰めされていく様子についつい見入ってしまいます。「これぞ工場見学!」といった感じで、序盤からテンションが上がります。

次に見えてくるのが、かつて味噌の仕込み蔵として使われていた「大蔵」。明治40年(1907)に建てられた歴史的な建築でもあり、国の登録有形文化財に登録されています。

史料館に入って右側に見える大きな看板は、かつて国鉄岡崎駅に掲げられていたもの。日吉丸(少年時代の豊臣秀吉)と、野武士の蜂須賀小六(はちすかころく)の出合いのシーンが描かれている
史料館に入って右側に見える大きな看板は、かつて国鉄岡崎駅に掲げられていたもの。日吉丸(少年時代の豊臣秀吉)と、野武士の蜂須賀小六(はちすかころく)の出会いのシーンが描かれている
宮内庁御用達関係の資料や古文書などが並べられている
宮内庁御用達関係の資料や古文書などが並べられている

この大蔵の内部は史料館となっています。同社は幸いにも太平洋戦争の戦火を免れたため、歴史を現在に伝える大変貴重な史料が多く残っているそう。

味噌ができるまでを、人形や実際に使われていた道具を用いて解説する展示も。人形は実際に同社で働いていた方々がモデルとなっているそう。妙にリアルなのも納得がいきます。

天保10年(1839)にできた同社で最も古い「六尺桶」。直径約180cmあり、ガイドさんと並ぶとその大きさは一目瞭然
天保10年(1839)にできた同社で最も古い「六尺桶」。底板の直径が約180cmあり、ガイドさんと並ぶとその大きさは一目瞭然

見学ツアーで忘れてはならないのは、ガイドさんの存在。とても明るい笑顔で、八丁味噌の魅力をイキイキと伝えてくれます。ともすれば見逃してしまいそうな展示物についても丁寧に解説してくれるので、終始興味をもって見学ができます。

そして見学のクライマックスとも言えるのが甲子蔵(きのえねぐら)です。閉ざされた扉を開けると現れるのは、連なる巨大な味噌桶。円すい状に重石が積まれた桶のなかで、八丁味噌を熟成させているのです。温度調整は一切せずに自然の温度変化に任せ、二夏二冬(2年以上)かけてゆっくり熟成の時を待つ味噌。
八丁味噌とは岡崎の風土が生み出す、この土地ならではの貴重な伝統食材であることを改めて感じることができます。

お待ちかねの試飲&ショッピング

見学の最後に、北海道産大豆を使って作られた味噌を使った最上級の味噌汁を試飲できます。いざ味わってみると、コクと甘さを同時に感じる衝撃的なおいしさ。思わず眼が見開いてしまいます。

左から「北海道産大豆使用 八丁味噌」(800g1900円)、「矢作大豆使用 八丁味噌 ヴィンテージタイプ」(400g2200円)
左から「北海道産大豆使用 八丁味噌 800g」1900円、「矢作大豆使用 八丁味噌 ヴィンテージタイプ 400g」2200円

試飲で味噌汁として味わった味噌は、「北海道産大豆使用 八丁味噌」として売店で販売されています。創業当時に使用していたと見られる地大豆、「矢作」で仕込んだ「矢作大豆使用 八丁味噌 ヴィンテージタイプ」もおみやげに人気。通常の八丁味噌の熟成期間が2年以上であるのに対し、こちらの味噌は5年以上の熟成を経て完成します。

「八丁みそまん」(2個入り、各300円)。2023年歴史ドラマ放映記念パッケージ(左)も登場
「八丁みそまん 2個入」各300円。2023年歴史ドラマ放映記念パッケージ(左)も登場

味噌を使った菓子や加工品も多く販売されています。売れ筋は「うなぎパイ」で有名な春華堂が製造する「八丁みそまん」など。「2023年歴史ドラマ放映記念パッケージ」も話題です。よくよく見ると、家康公をモチーフにしたキャラクターの口ひげとあごひげが「八」「丁」という文字に!

そのほか、八丁味噌をフリーズドライにし、パウダーにした「八丁味噌のパウダー 200g入」1650円ほかも人気だそう。カレーの隠し味として使ったり、ホットケーキに混ぜて味噌風味にしたりアレンジ自在!八丁味噌をより身近に感じられそうです。

味噌製造元が作る絶品味噌煮込みうどん

「ゆば天 味噌煮込みうどん」(1200円)
「ゆば天 味噌煮込みうどん」1200円

立ち並ぶ味噌桶を眺めながら食事を楽しめる「食事処 休右衛門(やすみえもん)」にもマストで立ち寄りましょう!特におすすめなのが「味噌煮込みうどん」。味噌製造元が作る味噌煮込みうどんは、コクを感じられひと味もふた味も違うおいしさです。もちろん、八丁味噌もふんだんに使われています。

そのほか八丁味噌ベースのオリジナル味噌だれをかけたこだわりのとんかつを味わえる、「味噌かつ定食 120g」1500円などが人気。「味噌串カツ」1本300円など、見学後の休憩時などに気軽にオーダーできる一品メニューもあります。味噌蔵見学をする時間がない場合でも立ち寄る価値ありの食事処ですので、岡崎を散策する際、ランチをこちらで味わうのもいいかも。

味噌蔵見学を通して「八丁味噌」をより身近に感じられる「カクキュー八丁味噌」。おみやげ探しや食事にもぜひ立ち寄りたい、岡崎観光のハイライトのひとつです。

■カクキュー八丁味噌(かくきゅーはっちょうみそ)
(八丁味噌の郷)

住所:愛知県岡崎市八帖町往還通69
TEL:0564-21-1355
営業時間:売店9~17時、食事処 休右衛門11~15時(14時30分LO)
定休日:無休

Text:安田淳
Photo:村山直章

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