【福島・大内宿】江戸時代へタイムスリップ!レトロな町並みさんぽ
福島県・南会津エリアの人気スポットといえば、江戸時代に宿場町として栄えた「大内宿(おおうちじゅく)」。茅葺き屋根の民家が立ち並ぶ町並みはまるで昔話の世界のようで、レトロな雰囲気たっぷり!立ち寄りたいオススメスポットのほか、ひと足延ばして行きたい景勝地もご紹介します♪
Summary
【大内宿三澤屋】名物グルメで‟朝そば”
大内宿名物と言えば、ネギがまるまる1本器に乗った「高遠(たかとお)そば」。会津地方に古くから伝わる風習で、子孫繁栄を願って祝いの席などでふるまわれたといいます。
大内宿に点在するそば処のなかでも、今回はテレビや雑誌などで話題の「大内宿三澤屋」にやってきました。1階と2階がある広々とした店内ですが、平日でも11時を過ぎると満席になるほどの人気店なんです。
訪れた日は紅葉シーズン真っただ中。お店は9時30分からオープンしているので、混雑を避けて‟朝そば”を楽しむことにしました♪
長ネギを箸がわりにして食べる一風変わったスタイルは、お店が考案し、今や大内宿の定番として広まったもの。なんとかそばをすくいつつ、途中薬味がわりでネギをかじりながらいただきます(もちろん割り箸をお願いしてもOK!)
つゆは大根おろしのしぼり汁と特製のかえしのみで作られており、あっさりと透き通る味わい。大根おろしとネギの辛みがダブルで利いてきて、口のなかがとってもさっぱり!身体が覚めるような軽やかさで、朝からでもとってもおいしくいただけました。
お口直しには店名物のスイーツを。ほかにも郷土料理の一品メニューもあるので、朝からお腹をすかせて福島の味をたっぷり堪能しましょう♪
【若松屋】和カフェでスイーツを堪能
寒い季節はおしるこ、のどが渇く夏にはシソジュースなどこだわりのメニューを楽しめる「若松屋」は、大内宿の入口から1番近い落ち着いた雰囲気のカフェ。店先に飾られた手書きのおしながきは味があって、ガラスの引き戸はどこか懐かしい気持ちにさせてくれます。
さっそく注文したのは店で1番人気だという「アイスもなか」。通年提供しているメニューで、フォトジェニックなかわいい見た目から大内宿の町並みをバックに撮影する人が多いのだそう♪
味はバニラと抹茶の2種類で、テイクアウトもOK!もち米を使用したサクサク食感の最中種(最中の皮)は東京・浅草の老舗、種亀(たねかめ)から取り寄せたもの。アイスと合うようにコーンスターチなどを配合し、こだわりの製法で作られているそうです。
ふっくらと仕上がった粒餡にアイスがちょうどよいやわらかさで溶け出すと、まろやかさが倍増♪やさしい甘みが体じゅうに広がるような心地がします。無料で出されるほうじ茶もいただいて、リラックスしながらひとときを過ごせました。
ほかにも店内には昔懐かしい駄菓子や雑貨なども置いているので、お土産にもオススメ。歩き疲れたら休憩がてら立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
■若松屋(わかまつや)
住所:福島県南会津郡下郷町大内字山本23
交通:大内宿駐車場から徒歩すぐ
TEL:0241-68-2913
営業時間:9~17時
定休日:不定休
【本家叶屋】手づくりちりめん雑貨をGET
大内宿をどんどん奥へ進んで行き、民芸品の専門店「本家叶屋」へ到着。お目当ては、軒下にずら~っと並ぶキュートなちりめん雑貨!手づくりの温かみを感じるお土産をここで探しましょう♪
干支や縁起物、野菜などをモチーフに作られたお手玉シリーズは、ひとつひとつ職人さんによって制作されたもの。ちりめんの素材感やこじんまりとしたサイズ感が絶妙で、何個でも持ち帰りたくなるほどのかわいさです。
ちりめん雑貨のほかには、会津木綿を使用したターバンなどもラインナップ。会津木綿は一般的な木綿より縮みにくく、色あせしにくいのでとっても丈夫。厚めの生地ですが使うほどに馴染んできてふんわりやわらかくなるのだそう♪
また大変貴重な純国産の山葡萄の一番皮で職人が編み込んだ工芸品も店頭に並んでいました。なかなか気軽に手を出せるようなお値段ではないのですが、ずっと受け継いでいける一生もののアイテム。丁寧に扱えば100年は持つ素材だといい、経年変化を味わいながら使い続けたいですね。
公式サイトではオンラインショップが併設されているので、買い忘れがあっても安心。ぜひのぞいてみてくださいね。
【大内宿見晴台 子安観音】大内宿を見下ろす展望スポット
次は、大内宿を上から一望できるビューポイントへ!大内宿の一番奥に位置する見晴台はちょっと勾配が急な石段をのぼってすぐのところにあります。
小高い丘の上から見渡す一直線の町並みは見事!この日はちょうど紅葉シーズンで、色づく山々とのコラボレーションが風情豊かでした。
雪深くなった2月中旬には「大内宿雪まつり」が行われ、一面真っ白な雪景色も神秘的。新緑や紅葉、深雪とさまざまな表情を見せてくれます。
年間80万人以上もの観光客が訪れる大内宿は、お昼の時間帯にかけてツアー客や修学旅行生などどんどんと人が増えるので、人の少ない静かな町並みを眺めたいなら早朝にのぼるのがオススメです。
見晴台のすぐそばには安産や子どもの成長にご利益がある子安観音と、金運にご利益がある弁財天が祭られているので、お参りしてから眺望を堪能しましょう!
【大内宿町並み展示館】歴史を学べる必訪スポット
大内宿のほぼ中心にある「大内宿町並み展示館」は、大内宿の歴史や昔の生活を学ぶには外せません。
大内宿は江戸時代に会津若松と日光・今市を結ぶ会津西街道の宿場町として整備され、多くの旅人たちが疲れを癒した場所。昭和56年(1981)には国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
かつての問屋本陣跡を再建した展示館では写真や生活用具1300点を展示し、実際に生活で使われていた民具や農具などから江戸時代の生活の様子を垣間見ることができます。
囲炉裏からはもくもくと煙が立ち上り、天井はすす(煤)で真っ黒!薪の爆ぜる音や燻された匂いが独特な雰囲気をまとって、違う世界に来たような感覚になりました。
ちなみに大内宿では、ほとんどの方がいまでも実際に居住されているといい、家の軒下にお店を開きながら暮らしているそうです。
ほかにも展示館では殿様が休憩した上段の間や檜風呂など、参勤交代の際に重要な役割を果たした部屋などを間近で見ることができます。往時の面影に思いを馳せながら大内宿の魅力をさらに深めましょう♪
【茶房やまだ屋】モダンなカフェ&セレクトショップ
かわいいお土産を探すなら「茶房やまだ屋」がオススメ♪こだわりの「コーヒー」550円や「出汁巻たまごのサンドイッチ」800円が楽しめる古民家カフェでありながら、併設するショップには福島の作家を中心としたモダンでスタイリッシュなアイテムが揃います。
まず目に入ったのは、福島を代表する民芸品の「赤べこ」。赤く塗られた伝統的な赤べことは180度違って、ユニークなデザインでカラフルに描かれた赤べこがとにかくおしゃれ!
会津若松にある「Atelier Karasu(アトリエ カラス)」さんの作品で、アクリル絵の具で細部まで丁寧に描かれていて、まるでビーズのようなプクッとしたラインが特徴。一個だけでも存在感抜群です♪
そしてこちらは会津若松で活動する「ほくるし堂」の豆皿。赤べこやだるまなど縁起物が描かれていて、赤べこには“魔除け”、だるまには“無病息災・家内安全”の意味が込められています。
上品で落ち着いた質感と、スッと馴染む手触りがあり、使えば使うほどに艶が増していくのだとか。見ているだけでほっこりするワンポイントのイラストにも注目です。
コーヒーやスイーツとともに、自分だけのお気に入りアイテムを見つけてみてくださいね♪
【塔のへつり】ひと足延ばして行きたい人気スポット
せっかく大内宿まで訪れたなら、ぜひ立ち寄ってほしいのが「塔のへつり」。大内宿から車で15分ほどの距離にある景勝地で、自然によって造られた荒削りな岩の造形美を間近で観賞できます。
秘境のような場所かな…と想像していましたが、「塔のへつり」周辺はお土産処や軽食を提供する休憩スポットがあり、駐車場も目の前なのでアクセスが楽!‟東北の駅百選”に選ばれた無人駅「塔のへつり駅」からも350mほどなので、車がなくても列車で気軽に行けそうです。
会津の方言で「険しい崖」の意味をもつ‟へつり”。その名前通り、全長200mにわたって柱状の断崖が立ち並びます。そこには一本の吊り橋が架かっており、川の真ん中から、あるいは橋を渡ったりしながら、観光客は思い思いに写真撮影を楽しんでおられました。
また吊り橋を渡った先にはもうひとつみどころが。足元が不安定な石段を慎重にゆっくり上っていくと、吊り橋を真上から望めるビュースポットに到着!木の葉が揺れるすき間から見える風景はとっても雅な雰囲気で、なんだかパワースポットのよう。洞窟の奥には坂上田村麻呂が創建したと伝えられる虚空蔵菩薩が祭られていました。
手すりも少なく、急こう配な岩の上なので無理は禁物ですが、十分に安全に配慮しながらその唯一無二の景色を楽しんでみてくださいね。
Text & Photo:ジェンティーレ恵
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