【金沢】実力派パティシエの新展開「Pâtisserie L'aube 花鏡庵」の色とりどりのスイーツたち

【金沢】実力派パティシエの新展開「Pâtisserie L'aube 花鏡庵」の色とりどりのスイーツたち

石川県 食・グルメ パティスリー カフェ スイーツ るるぶ&more.編集部
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2022年4月、金沢の近江町市場近く、古い街並みが残る一角に誕生した「Pâtisserie L'aube 花鏡庵(パティスリー ローブ かきょうあん)」。オーナーである平瀬祥子さんは、世界的レストランガイドで6年連続星を獲得し、ベストパティシエにも選出されたトップパティシエ。初の直営パティスリー開店に金沢の地を選んだ平瀬さんが生み出すスイーツに、注目が集まっています。

Summary

築150年以上の町家でトップパティシエが自身初のパティスリーを開店

金沢市尾張町。古い街並みと共に昔ながらの風情が残るこの町にオープンした「パティスリーローブ花鏡庵」。かつて料亭だった建物は金沢市指定保護建造物に指定されている町家で、古き良き趣のある空間を平瀬さんの可憐なスイーツが彩ります。

オーナーパティシエの平瀬祥子さん
オーナーパティシエの平瀬祥子さん

フランスの名だたる店で腕を磨き、帰国後はレストランパティシエとして活躍した平瀬さん。シェフ、今橋英明氏と東京・東麻布に開いたフレンチレストラン「Restaurant L'aube(レストラン ローブ)」で6年連続ミシュラン一つ星を獲得し、ゴ・エ・ミヨベストパティシエ賞を受賞するなど、その技術と感性は世界からも注目されています。

店内に散りばめられたテーマカラーの濃紺は、「レストラン ローブ」の由来でもある夜明けや生まれ変わりをイメージした色。改装は最小限にとどめ、太い梁や大階段はそのまま受け継いだこの空間も「生まれ変わったもの」の一つ。新旧の時間がゆっくりと溶け合うような心地よい時間が流れています。

カラフルで可憐なスイーツは金沢らしさを感じさせる逸品

伝統的なフランス菓子をベースに、レストランでデザートとして提供していたものをお菓子に仕立てるイメージで作るというスイーツは、毎日10種ほどを用意。華やかながらもやさしいトーンの色合いや小花をあしらった可憐な姿が特徴的で、ショーケースを前にするとまるで洋服を選ぶようなワクワクとした気持ちになります。

シュシュ650円
「シュシュ」650円

パリ仕込みの技術や経験に、金沢の歴史や文化、素材から受けたインスピレーションを融合させ「金沢でしか作れないお菓子を作りたい」という平瀬さん。チョコレートムースの下にパッションマンゴーのクリームやキャラメルソースが層になっている「シュシュ」は、陶器の欠けなどを修繕する伝統技法、金継ぎからヒントを得た金箔のラインが印象的な菓子。まさに金沢らしさを感じさせる一品です。

カガ・ブレスト650円
「カガ・ブレスト」650円

「カガ・ブレスト」も、金沢らしさあふれる菓子。伝統的なフランス菓子パリ・ブレストをアレンジしたもので、サクサクの生地で加賀棒茶とナッツのバタークリームなどをたっぷりとサンド。小ぶりの菓子を5つ並べて、加賀藩主前田家の家紋である加賀梅鉢紋をかたどっています。ボリュームたっぷりと思いきや、クリームは濃厚なのに後味は軽やか。5つ並べた菓子の一つひとつは直径3センチほど。お行儀悪いかも…と心配になるかもしれませんが、思い切って指でつまんで丸ごと食べてみて!生地とクリームの一体感を余すところなく味わえます。

シトロン600円
「シトロン」600円
花鏡庵プリン480円
「花鏡庵プリン」480円

小花を飾ったシトロンは、レモンムースにピスタチオクリーム、アーモンドの焼菓子を重ねたかわいい菓子。しっかりとしたレモンの酸味とナッツのコクが口の中でバランス良く溶け合います。プリンやチーズケーキなど親しみやすいスイーツも、焼き加減や素材選びなど独自のアレンジが加えられており、気軽でありながらも満足度の高さはさすがトップパティシエ!

おみやげにするなら、焼菓子がおすすめ。「フィナンシェ」330円や「フロランタン」275円といった定番から能登塩を使った「サブレショコラ」378円など6~7種が日替わりで並びます。どれも美味しそうで迷っちゃう!そんな楽しみが尽きません。

カフェでは作りたてならではの温度や食感の違いを楽しんで

蔵前のスペースはカフェになっていて、平瀬さんが得意とする“作りたて”を提供しています。バターの香りや焼きたてのパリッとした食感など、できたてを味わってほしいという想いから、メニューには季節のフルーツを使ったミルフィーユやリベイクした焼菓子などが並びます。

この空間は、平瀬さんが好きだという「古いものを生かしながら、新しいものをつくっている」金沢を体感できるスペースでもあります。ぜひ、格子戸から差し込む光や漆喰の壁を眺めながらゆっくりと過ごしてみてください。

地元の生産者とのつながりも増え、それが新たなスイーツを生み出すきっかけにもなっているという平瀬さん。これからもどんどん新作を増やしていく予定だというから目が離せません。どんなスイーツに出合えるのか、金沢での楽しみがまた一つ増えました。

■Pâtisserie L'aube 花鏡庵(ぱてぃすりー ろーぶ かきょうあん)
住所:金沢市尾張町2-4-13
TEL:076-254-0903
営業時間:11~13時、14時30分~18時(カフェ14~18時)売り切れ次第終了
定休日:火・水曜

Text:濵田典子
Photo:山岸政二

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