【石川・小松】歌舞伎十八番『勧進帳』の舞台「安宅住吉神社」で“難関突破”のご利益をお祈り

【石川・小松】歌舞伎十八番『勧進帳』の舞台「安宅住吉神社」で“難関突破”のご利益をお祈り

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日本海に面した石川県小松市安宅町にある安宅住吉神社は、1200年以上の歴史を誇る神社。境内には歌舞伎十八番にも選ばれている演目『勧進帳』の舞台となった「安宅の関」跡があり、弁慶と義経が関所を突破した物語にちなんで、全国唯一の“難関突破”の守護神としても信仰されています。歌舞伎ファンはもちろん、人生に必ず訪れるさまざまな“難関”を切り抜けるために、一度はお参りしたい安宅住吉神社をご紹介します。

Summary

二堂山の松林に鎮座する安宅住吉神社

日本海に面し、古くから陸路、海路の要衝だった安宅。ここに鎮座している安宅住吉神社(あたかすみよしじんじゃ)は、「安宅の住吉さん」として北陸を行き来する人たちに親しまれてきました。小高い丘のように見える二堂山(標高15m)の松林の中に広がる境内には、歌舞伎十八番の一つとして有名な演目『勧進帳』の舞台となった安宅の関跡が残っています。

江戸時代から愛される歌舞伎の十八番『勧進帳』とは

安宅の関が舞台となった『勧進帳』を簡単にご紹介しましょう。物語は鎌倉時代の初め、平家打倒を掲げた源平合戦で大活躍した源義経が、兄・源頼朝に追われる身となったところから始まります。義経とその家来一行が、奥州平泉へ逃げ延びる途中、義経を捕らえるために各地に設けられた関所の一つと伝わるのが、安宅の関でした。山伏姿に変装した義経とその家来弁慶の一行を関守の富樫左衛門が見咎めたところ、弁慶は東大寺の修復の寄付を募る(勧進)ために諸国を巡っていると説明し、たまたま持っていたありあわせの巻物を“勧進帳”として読み上げて追及を切り抜けます。さらに富樫の家来が従者に変装した義経を疑うと、弁慶は金剛杖で主君である義経を激しく打ち付けて叱責します。富樫は従者が義経であることを見抜きつつも、主君を思う弁慶の忠義に心を打たれ、安宅の関の通行を許した、というお話です。

『勧進帳』は江戸時代に歌舞伎の演目として成立し、天保年間(1830~45年)に七代目市川團十郎が成田屋(市川宗家)“家の芸”として選定した歌舞伎十八番にも選ばれた名作です。江戸から現在に至るまで絶大な人気を集め、十三代目市川團十郎白猿の襲名披露公演でも上演され、話題となっています。

巫女さんの無料ガイドつき。神社本殿には『勧進帳』ゆかりの奉納品が

安宅住吉神社でユニークなのが、自由参拝でも巫女さんによる無料ガイドを受けられること。神社の由来から『勧進帳』との関わり、そして江戸時代から奉納されてきた『勧進帳』ゆかりの絵馬などを丁寧に説明してくれます。

本殿内には、江戸から明治にかけて『勧進帳』の各シーンを描いた浮世絵や奉納絵馬が展示されていて、古くからこの演目が愛されていたことが伝わってきますね。


全国唯一の“難関突破”の守護神「難関突破お守り」

安宅の関という難関を突破した義経一行の故事にちなみ、安宅住吉神社は全国唯一の“難関突破の守護神”として信仰を集めています。 “難関突破守”などのお守りはもちろん、“特別難関突破守”というスペシャルなお守りも。弥生時代に小松市産の碧玉を加工して実際に作られた“管玉”を配したかわいらしいデザインです。受験、就職、健康など、誰にとっても人生に難関はつきもの。難関突破できるよう、一度安宅住吉神社にお参りしてみては。

安宅住吉神社の境内は海に隣接しており、日本海に沈む夕暮れを見ることができます。取材当日も夕焼けを見ることができました。義経、弁慶の時代に思いを馳せながら、松林や海辺を散策するのもおすすめです。

■安宅住吉神社(あたかすみよしじんじゃ)
住所:石川県小松市安宅町タ17
TEL:0761-22-8896
参拝時間:8時30分~17時
定休日:無休
料金:境内自由、巫女のガイド無料

隣接する「勧進帳ものがたり館」で歌舞伎『勧進帳』を体感

安宅住吉神社に隣接する「安宅の関 こまつ勧進帳の里(あたかのせき こまつかんじんちょうのさと)」には、安宅の関が舞台になった歌舞伎『勧進帳』をより深く詳しく学べる「勧進帳ものがたり館(かんじんちょうものがたりかん)」があります。物語の解説や、歌舞伎の型や隈取りの体験コーナーのほか、安宅勧進帳シアターでは実際の歌舞伎『勧進帳』の映像も上映。歌舞伎をより身近に感じられること間違いなし。

■勧進帳ものがたり館(かんじんちょうものがたりかん)
住所:石川県小松市安宅町タ140-4 安宅関 こまつ勧進帳の里
TEL:0761-21-6734
営業時間:9~17時(最終入館は16時30分まで)
定休日:水曜(祝日の場合は翌日)
料金:大人300円、高校生以下150円

最後はオーシャンビューの「ATAKA CAFE」でひと休み

同じく「安宅の関 こまつ勧進帳の里」内にある「ATAKA CAFE(あたか かふぇ)」は、ガラス張りの店内から目の前に広がる日本海の景色が一望できます。季節ごとの旬の石川県産食材を使ったパスタやドリンクを楽しみながら、往時に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

■ATAKA CAFE(あたか かふぇ)

住所:石川県小松市安宅町タ140-4  安宅関 こまつ勧進帳の里
TEL:070-1461-7561
営業時間:11~21時
定休日:水曜(祝日の場合は翌日)


Text:江本典隆
Photo:上田順子・小松市観光交流課

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