【京都】伏見稲荷大社の歴史・みどころをチェック!参拝前にきちんと知っておきたいこと

【京都】伏見稲荷大社の歴史・みどころをチェック!参拝前にきちんと知っておきたいこと

京都府 るるぶ&more.編集部 神社 ご利益 初詣
Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket

京都市伏見区の伏見稲荷大社といえば、フォトジェニックな「千本鳥居」が海外の観光客からも高い人気を集める、京都の名所のひとつ。全国に約30000社あるといわれる「おいなりさん」こと稲荷神社の総本宮で、特に初詣の時期には商売繁昌や五穀豊穣のご利益を求めてたくさんの人が参拝に訪れます。そんな伏見稲荷大社のみどころやアクセスなどをわかりやすくご紹介します!

Summary

創建は奈良時代!1300年以上の歴史を誇る神社

伏見稲荷大社は、都が京都に遷る前の和銅4年(711)に創建されたと伝わっています。当時、この辺りの発展に貢献した渡来系の秦氏の子孫・秦伊侶具(はたのいろぐ)が、稲荷山にある三ヶ峰に神を祀ったことが創建の由来。平安遷都以前の山城国の文化風土や地理などが記された『山城国風土記』の伝承には、秦伊侶具が射た餅が白鳥となって飛び立ち、降り立った山の峰に稲が実ったことから「伊奈利(いなり)」という社名になったと記されています。

初めは農耕の神として、後に商売繁昌の神として庶民から篤い信仰を集めてきた伏見稲荷大社。特に2月の初午(はつうま)の日には多くの参拝者で賑わいます。古くは清少納言が『枕草子』にこの初午詣の様子を記したほか、『蜻蛉日記』や『今昔物語集』などの古典にも、伏見稲荷大社のことを指す「稲荷社」の名前がしばしば出てきます。

現在の初午は一年で最も寒い時期にあたりますが、旧暦の初午はもう少し春めいてきた頃に巡ってきたものでした。四季の移ろいを繊細に感じた当時の人々は、初午の日にはこぞって伏見稲荷大社を詣でていたそうです。

平安時代に東寺(教王護国寺)の鎮守社となったことや稲荷詣の人気も重なり、都人から篤く尊崇された伏見稲荷大社。最高の格式である「名神大社」に数えられ、正一位(しょういちい)の極位が与えられました。

室町時代に入ると応仁の乱で社殿はことごとく焼失しましたが、全国各地からの寄付によって再建されました。この社殿再建の寄付を求めるために本願所としての愛染寺が全国各地を回ったことが稲荷信仰の普及などに大きく影響したといわれています。

幻想的な朱(あけ)の鳥居に彩られた境内を散策!

それでは早速、伏見稲荷大社を巡ってみましょう!
大きな鳥居の先に立つ楼門(重要文化財)は、天正17年(1589)に豊臣秀吉が母の大政所(おおまんどころ)の病気平癒祈願の御礼に造営したもの。豪奢な桃山様式を用いた入母屋造で、高さはおおよそ14mと、神社の楼門の規模としては最大級の大きさを誇ります。美しい朱塗りが目を引く二層構造が見事です。

こちらも国の重要文化財になっている本殿。応仁の乱後の明応8年(1499)に再建されたもので、牡丹唐獅子や唐草など、室町時代と桃山時代の両方の特徴をもつ繊細な装飾が特徴です。主祭神である宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)を中央の下社、佐田彦大神(さたひこのおおかみ)を北座の中社、大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)を南座の上社に祀り、その両側には摂社の田中大神(たなかのおおかみ)と四大神(しのおおかみ)が奉祀されています。これら5つの柱の祭神名は、稲荷大神の広大な神徳の神名化とされています。元々は五穀豊穣を司る神様でしたが、現在は商売繁昌や家内安全、交通安全、芸能上達の守護神としても信仰されるようになっています。

本殿の脇を抜け、参道を少し歩いた先にあるのが、伏見稲荷大社を象徴する千本鳥居です。思わず心を奪われる美しい光景をつくり上げているのが鳥居の「朱」。伏見稲荷大社の鳥居は社殿と同じく「稲荷塗」といわれ、朱(あけ)で彩色するのが慣習となっています。この「あけ」という言葉は、赤・明・茜など、明るい希望に満ちた気持ちを五感に含み、稲荷大神のチカラの豊かさを表す色ともいわれています。

境内にはこの朱の鳥居が1万本以上あり、祈願とその願い事が叶った感謝のしるしとして崇敬者から奉納されたもの。江戸時代からこの景観が整ったといわれており、その幻想的な景観は海外のメディアでも数多く取り上げられ、時間を問わず多くの参拝者で賑わいます。

千本鳥居を抜けると「奥の院」の名前で知られる奥社奉拝所がひっそりとたたずんでいます。稲荷山の3つの峰はちょうどこの社殿の背後にあり、辺りは神聖な空気が漂います。

奉拝所の右手奥には一対の石灯籠があり、頭部分の「おもかる石」は、願いを占えると参拝者から人気のスポット。願い事を心に念じて持ち上げて軽く感じるなら願いが叶い、反対に重く感じるとその願いが叶う日が遠いといわれています。心を静めて一心に願いをイメージしながら、石を持ち上げてみましょう。

伏見稲荷大社を参拝するならぜひチャレンジしてほしいのが、「お山巡り」。奥社奉拝所から稲荷山山頂を通って巡拝するコースで、道中には新池のほとりに位置する熊鷹社や眼病平癒のご利益があるという眼力社など、多数の社が点在するパワースポットです。途中、四ツ辻とよばれる場所からは京都市南部の街並みを一望でき、開放感も味わえます。ただし、急な山道となっているので、動きやすい服装や靴で出かけてください。

伏見稲荷大社へのアクセスは?

伏見稲荷大社の最寄り駅はJR稲荷駅と京阪伏見稲荷駅。どちらも小規模な駅ですが、コインロッカーがあるので「お山巡り」をする場合は、大きな荷物などを預けておけます。

JRの場合は、京都駅からJR奈良線で2駅、所要時間もわずか5分で到着。ただし普通電車しか停まらないので注意が必要。稲荷駅から伏見稲荷大社は徒歩すぐです。
また京阪を利用する場合は、伏見稲荷駅から伏見稲荷大社までは徒歩5分のアクセス。一本道なので迷う心配もありません!

■伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ)
住所:京都府京都市伏見区深草薮之内町68
TEL:075-641-7331
拝観:境内自由
定休日:無休
料金:境内無料


Photo:櫛ビキチエ
Text:津曲克彦
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket
記事トップに戻る

この記事に関連するタグ

編集部のおすすめ

ページトップへ戻る

検索したいキーワードを入力してください