【栃木県 茨城県 群馬県】個性キラキラ☆ おいしいかわいい北関東生まれのイチゴたち
イチゴシーズンまっさかり! 北関東では抜けるような冬の青空の下、温かいハウスでかわいいイチゴたちが育っています。イチゴ生産日本一の栃木はもちろん、大農業地帯の茨城、そしてちょっと意外ですが群馬にも県生まれの品種があります。どの品種も個性キラキラ。ちょこっと知って食べれば、いっそうおいしい。
summary
大きくてジューシー。切り口の映えも魅力。群馬生まれの「やよいひめ」
「とねほっぺ」に「とちおとめ」を交配したものに、もう一度「とねほっぺ」を掛け合わせて誕生。平成17年(2005)に品種登録されました。1粒平均約20gと食べ応えたっぷり。ザ・イチゴともいうべき三角錐の美形。真っ赤ではなく淡くオレンジがかった色味や切り口の模様もオシャレです。一口食べるとまろやかな酸味が甘さを引き立て、冴えわたるジューシーな果汁が口中に広がります。これはおいしい!
県内一の産地である藤岡市のイチゴ農家・松本智之さんに、やよいひめについてお聞きしました。手入れの行き届いたハウスの中は明るく温かくいい香り。丁寧に育てていることが伝わってきます。松本さんはイチゴ農家の2代目。以前は別の品種も育てていましたが、今はやよいひめに特化しているそう。「ひめ(姫)だけに少し手のかかるところもあるけれど、やよい(弥生)と名前にあるように、3月でも高い品質を維持できるんです」。お訪ねした12月は栽培の最盛期。「忙しくしているときも、かたわらで一所懸命に受粉に飛び回っているミツバチを見ると和みます」。ヒトとハチがタッグを組んで、今日もおいしいやよいひめは育っています。藤岡市のイチゴは以下の農協直売所に出荷されています。
住所:群馬県藤岡市本動堂226-1
TEL:0274-23-5858
営業時間:9~18時
定休日:年中無休〈年始を除く〉
アクセス:(車)上信越自動車道藤岡ICから県道13号経由約4.5㎞8分
P:あり
住所: 群馬県藤岡市矢場203
TEL: 0274-24-1252
営業時間:8時30分~17時
定休日:火曜日
アクセス:(車)上信越自動車道吉井ICから県道41号経由約8㎞10分
P:あり
自家栽培のやよいひめを絶品スムージーで提供。松井ファーム(前橋市)
イチゴ栽培を手掛けて半世紀以上、現在は2代目の松井利彦さんとその息子の貴一さんが、家族ぐるみでおいしいイチゴを育てています。栽培しているのはやよいひめを含めて13品種。手塩にかけたイチゴをスイーツに加工するのは貴一さんの担当です。一方、利彦さんは「私はイチゴを詰めているだけ」と冗談めかして笑いますが、県のいちご品評会で金賞・県知事賞を、国が選出する令和4年度の全国優良経営体表賞では担い手づくり部門賞で農林水産大臣賞を受賞。研修生を受け入れて、自らが試行錯誤して獲得したノウハウを惜しみなく群馬の未来のイチゴ栽培の担い手に教えています。住所:群馬県前橋市上佐鳥町1189-1
TEL:027-265-1086
営業時間:直売所はいちごのある時期の9~17時、イチゴ狩り(完全予約制)は9~12時
定休日:期間中無休
アクセス:関越自動車道高崎ICから県道27・13号線利用で約4.5㎞10分
P:あり
茨城県からは、きらりと光る深紅の「いばらキッス」と真っ赤なうりざね顔の「ひたち姫」
姉が育てたいばらキッスを妹がお菓子に。姉妹で営む ひぐまのいちご屋さん&ひぐまのおかし屋さん (北茨城市)
メルヘンでかわいらしい名前をもつこの店。お姉さんが茨城生まれの品種「いばらキッス」と静岡の「紅ほっぺ」を栽培し、そのイチゴで妹がお菓子を作るという、姉妹がコラボしたお店。ハウスにイチゴの旗が出ているときは、お菓子のほかイチゴも直売しています。紅ほっぺより少し手がかかりますが、いばらキッスは赤く大きく、ヘタもかわいく元気があり、お菓子にすると、とても華やかだそう。収穫期には、ロールケーキ、ショートケーキ、ババロアなどで、自家栽培のこだわりイチゴを味わえます。可能な限り無添加な素材を使い、食材そのものを感じる自然で優しい味わいです。住所:茨城県北茨城市中郷町下桜井61-1
TEL:080-5381-3105
営業時間:10時~16時30分(無くなり次第終了)
定休日:日・月曜
アクセス:常磐自動車道北茨城ICから県道69号・22号経由で約3.5㎞8分
P:あり
品種の数も生産量も作付面積も日本一。「いちご王国」栃木生まれの品種は粒揃い
50年以上連続生産量日本一! 栃木県が「いちご王国」になったわけ
栃木は生産量が昭和43年(1968)から連続して日本一。そして先ほど見たようにオリジナルの品種もバラエティ豊かです。このように盛んになった礎を築いたのは、栃木のイチロー。U字工事の漫才でおなじみの仁井田一郎さんです。明治時代に現在の足利市で生まれた仁井田さんは、戦後の農政の混乱で困窮する農家が増えるなか、収入につながりやすいイチゴの栽培を提唱。視察に東奔西走し、自ら栽培に取り組みました。平成20年(2008)には全国で唯一の県営「いちご研究所」が誕生。イチゴに特化した研究開発の拠点で、先に挙げた新種も、この研究所で開発されました。いちご研究所の特別研究員・松本貴行さんに、栃木県が日本一のいちごの産地になった理由をお訊ねすると、仁井田さんら先人の努力、冬の晴天率がイチゴ栽培に合うこと、大消費地に近く輸送に有利なことを挙げてくださいました。そして、これは私見ですが…と前置きして「栽培には失敗もある。そんなときに仲間の生産者が助けてくれるなど横のつながりの強さも、安心して取り組める土台になっていると思います」。
なお、いちご研究所は農業試験場であり見学施設ではありませんが、「道の駅にのみや」にはイチゴを紹介する施設があり、一般に開放されています。栃木県のイチゴの直売やオリジナルスイーツも販売しています
カントリーサイドのキュートなイチゴスポット いちご日和り(小山市)
イチゴ農家篠原ファームの直営店舗で、自家栽培する新鮮なイチゴを使った各種スイーツを味わえるほか、イチゴを購入もできます。栽培品種は「とちあいか」「とちおとめ」の2種。甘さが際立つ「とちあいか」、酸味がよいアクセントになり味に深みが出る「とちおとめ」を特徴に応じて使い分け、この店ならではのスイーツに仕上げています。また、当サイトでも人気の姉妹店「chezfraise(シェフレ)」のお菓子や加工品も販売しています。住所:栃木県小山市小薬釜田70-2
TEL:.0285-35-2630
営業時間:10~18時
定休日:無休(6~10月は月曜休)
アクセス:東北自動車道栃木ICから県道32・37・296号経由で約12㎞20分
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とれたてのイチゴのおいしさは段違い。自分が大切に育てたイチゴで作られるスイーツは愛情いっぱい。今度の週末、あなたも北関東のイチゴ旅に出かけてみませんか?
text 松尾裕美
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