オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ

【フランス・パリ 2023年最新】新美術館「オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ」で煌びやかな18世紀へタイムトリップ!

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フランス・パリでもっとも有名な広場「コンコルド広場」に立つ、18世紀末建造の建物「オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ」が約4年間の大修復を経て美術館として一般公開されました。王室家具保管所、海軍省本部として使われていた豪華絢爛な豪奢な館は、パリ観光の新たなマストスポットです!

Summary

「オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ」ってどんなところ?

オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ
コンコルド広場に立つ歴史的建造物

フランス語で「海軍省庁舎」の意味をもつ「オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ」。建物は1757年から1774年にかけて王室主席建築家のアンジュ=ジャック・ガブリエルによって建てられ、王立調度品保管所として利用されていました。フランス革命後から15区への移転が決まった2015年までは海軍省本部として使われていましたが、その後、約4年にわたって大修復工事が行われ、2021年6月ついに一般公開が開始がスタート。18世紀フランス王朝時代から19世紀の美しい装飾品や生活様式を見学できるパリの美術館として、注目されています。

「オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ」の楽しみ方

オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ
中庭にあるチケット売り場

中庭に設置された券売機または対面窓口でチケットを購入。混雑を避けてスムーズに見学したい人は公式サイトの事前予約・購入がおすすめ。パリ市内や郊外にある50以上の美術館や観光施設で利用できるお得な「パリ・ミュージアム・パス」も利用できます。

見学は19世紀のサロンやバルコニーからコンコルド広場の眺望が楽しめる所要時間45分の「サロン&ロッジア」と、「サロン&ロッジア」を含む、建物を見てまわれる所要時間1時間30分の「グランドツアー」のふたつのコースから選びます。どちらもコースは決まっていますが、自由に見てまわれます。
※「サロン&ロッジア」は2023年5月22日まで併設する「アル・サーニ・コレクション財団美術館」の企画展、ヴェネツィアのルネッサンス傑作展の鑑賞込み

オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ
チケット売り場の中庭に備わるガラス屋根は、今回の大修復で作られました。晴天時は自然光が差し込みます
オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ
最新ヘッドフォン音声ガイド「コンフィダン」

見学にはヘッドフォン音声ガイド「コンフィダン」が付きます。“3Dサウンド”と呼ばれる、最新技術のバイノーラル・サウンドによる、ヘッドフォンを着けている人の動きを自動的に感知して、まるですぐ近くで会話をしているような臨場感のある、没入型ナレーションを体験できます。日本語版の音声ガイドを聞けるのは「グランドツアー」のみ。音声ガイドのテーマは3つあり、そのうちのひとつ「Voyage dans le temps(250年の歴史を物語る証人)」で「オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ」の歴史を含んだ館内装飾の解説を日本語で聞くことができます。

グランドツアーのコースで18・19世紀の世界へ!

オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ
シンプルな装飾の「控えの間」。この先は保管所長マルク=アントワーヌ・ティエリー・ドゥ・ヴィル・ダヴレーの仕事部屋へと続きます

18世紀の豪華な生活様式を見られるのは、建物2階東側部分。王室家具保管所時代、保管所長の仕事場兼アパルトマン(住居)として使われていたため、18世紀当時の高級官僚の豪華な暮らしを見ることができます。写真の「控えの間」は、新古典主義の装飾が施されたほかの部屋に比べるととてもシンプルな部屋。床の幾何学模様の装飾がおしゃれです。

オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ
18世紀の食卓を再現したダイニングルーム

一般公開するにあたり、さまざまな分野の職人が集まり、天井や床、壁紙などが美しく再構築されました。装飾品はルーヴル美術館など、フランスにある美術館から貸し出されているそうです。

こちらは18世紀のダイニングルームを再現した部屋で、テーブルの上にはカキをのせたお皿が見えます。当時からフランス人にとって生カキは好まれていたことがわかりますね。フランスの歴史あるセーヴル陶磁器も使われています。

オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ
コーナーサロンの娯楽部屋
オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ
仕事机のように見えて、実はゲームを備えた机

娯楽部屋として使われていた、エンジェルというサロン。ラクダや雄牛が描かれたゴブラン織のタペストリーが見事です。この部屋のたたずまいから、ゲームをしながらおしゃべりを楽しんでいた当時の人々の姿が目に浮かんでくるようですね。

オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ
ティエリー・ドゥ・ヴィル・ダヴレー夫人の寝室
オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ
写真中央に注目。愛犬のベッドが置かれています

ペパーミントグリーンの壁が印象的な保管所長夫人の寝室は、天蓋付きのベッドに、シャンデリア、ダマスク柄の壁紙、絨毯などロマンチックな装い。隅にある扉の先にはドレスが展示されています。

このほか、保管所長の寝室やバスルーム、応接室、四方を金箔の装飾鏡で囲った小さな鏡の間などもあり、18世紀のアパルトマンだけでも見応え十分。

オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ
「グランドツアー」のほか、「サロン&ロッジア」コースでも見学できるサロン

こちらはロッジアとよばれる19世紀の内装を施したサロン。ヴェルサイユ宮殿の鏡の間を彷彿とさせる煌びやかな装飾です。海軍省本部として使われていたことから、海軍提督を描いた絵画も飾られています。こちらのロッジア、ルイ16世とマリー=アントワネットの結婚祝宴会が開かれたという記念すべき場所なのですが、フランス革命時には「オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ」が立つコンコルド広場(当時は革命広場)で王と王妃が処刑されたという、なんとも皮肉な歴史があります。

オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ
王と王妃の結婚祝賀会では花火も打ち上げられたといわれます。マリー=アントワネットはこのバルコニーから眺めていたかもしれません
オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ

ロッジアにはギリシア神殿のような重厚な柱が並ぶ大バルコニーが備わり、コンコルド広場とオベリスク、エッフェル塔、ブルボン宮も眺められるこれまでの観光名所にない、ビュースポットです。

1778年の友好通商条約に調印した場所であり、帝政時代は皇帝ナポレオンの戴冠式を記念した祝賀会が開かれるなど、さまざまな歴史を見てきた「オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ」。敷地内には老舗レストランのカフェ「Café Lapérouse Concorde(カフェ・ラペルーズ・ コンコルド)」もあり、見学後の休憩やランチにぴったり。地下鉄コンコルド駅から徒歩すぐの便利なロケーションなので、次のパリ観光ではこの新名所をぜひ訪れてみてください。

■Hôtel de la Marine(オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ)
住所:2 Pl. de la Concorde 8e
アクセス:メトロ1・8・12号線Concorde駅から徒歩すぐ
TEL:01 87 05 30 30
営業時間:10時30分~19時(金曜は~22時)※チケット販売は閉館の45分前まで)
休み:無休
料金:サロン&ロッジア€13、グランドツアー€17(オンライン購入を推奨)

Text:木村秋子(editorial team Flone)
Photo:yoko

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