マドリード

【スペイン2023年最新】スペインの新たな世界遺産、プラド通り周辺を散策!

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2021年7月、スペインで49番目となる世界遺産が、マドリードの中心地に誕生しました。アトーチャ駅とシベレス広場の間に延びるプラド通りとレティーロ公園、そしてヘロニモス地区。この地域全体が『プラド通りとブエン・レティ―ロ公園地区。芸術と知の景観』として登録されました。もともとマドリードの定番観光エリアではありますが、改めてみどころや観光スポットをモデルコースとしてご紹介します。

Summary

まずは、歴史をざっくりとおさらい

マドリード

16世紀にスペインの新たな首都となったマドリード。市街地開発の一環として、ヨーロッパの都市では初めての並木道が建造されました。それが現在のプラド通りです。さらに周辺にはプラド美術館や王立植物園、王立天文台などアカデミックな施設が次々と建てられ、芸術と科学、文化、そして自然が共存する都市の姿はスペイン国内のほか、ラテンアメリカの多くのモデルとされました。そういった歴史的背景が評価され、近代的な都市としては珍しく世界文化遺産に登録されたのです。

散策の起点は、マドリード最大のアトーチャ駅から

アトーチャ駅
アトーチャ駅

では、さっそく散策を開始しましょう。スタート地点はマドリードの玄関口、アトーチャ駅。新駅舎と赤レンガのレトロな旧駅舎が隣接する形になっており、旧駅舎内は現在、木々が生い茂る植物園のような姿に。待合スペースとしても利用されていて、市民に親しまれています。

プラド通り

アトーチャ駅から北のシベレス広場まで、プラド通りを歩きはじめます。車道に挟まれた通りの中央は、噴水やベンチが置かれた緑豊かな並木道になっているので、ここを歩くのがおすすめ。

王の命によって設立された歴史ある植物園

王立植物園
王立植物園

プラド通りを歩き始めて10分ほど、まず最初に訪れたのは1755年にフェルナンド6世の命によって設立された「王立植物園」。街の中心にありながら圧巻のコレクションを誇るユニークな植物園。5000種以上の生きた植物のほか、100万本以上の植物標本や約1万本のデッサンを所蔵し、開園以来、植物界における研究、保存、普及の役割を果たしてきました。また、日本人にとって親しみのある盆栽のコレクションも見られます。

カルロス3世の像
カルロス3世の像

園内に立つカルロス3世の像。アルカラ門やシベレスの噴水など今も残るマドリードの街並みを作り上げた名君として知られる人物で、マドリードの歴史を語る上では欠かせません。植物園が現在の場所に移されたのも彼の手によるもので、マドリード最高の市長ともいわれています。

■王立植物園(おうりつしょくぶつえん)
住所:Plaza de Murillo.2
TEL:(91)4203017
営業時間:10時~20時30分(4・9月は~19時30分、3・10月は~18時30分、11~2月は~17時30分)
定休日:なし
料金:€4(火曜の14~18時は無料)

スペインが誇るアートの殿堂、プラド美術館

プラド美術館
プラド美術館

植物園のすぐお隣にあるのは、スペイン王家のコレクションが一堂に会する「プラド美術館」。マドリード観光のハイライトで世界三大美術館にも数えられる、必見中の必見スポット。スペイン観光でほとんどの人が訪れると思うので、ここを中心にして散策プランを練るのもいいかもしれません。ちなみに、18時以降は無料で入館できるので、プランを作る際の参考にしてみては。

像

ベラスケス、ゴヤといった美術史に名を残すスペインの芸術家たちの像がプラド美術館を囲むように立っており、芸術の薫りが漂います。

ソフィア王妃芸術センター
ソフィア王妃芸術センター
ティッセン・ボルネミッサ美術館
ティッセン・ボルネミッサ美術館

ちなみに、プラド美術館とともに“マドリード3大美術館”に数えられる「ソフィア王妃芸術センター」と「ティッセン・ボルネミッサ美術館」もプラド通り周辺に集まっており、プラド美術館とは徒歩数分の距離。プラド通りはマドリードの芸術の中心地といえますね。

■プラド美術館(ぷらどびじゅつかん)
住所:C.Ruis de Alarcón 23
TEL:(91)3302800
営業時間:10~20時(日曜、祝日は~19時、1月6日、12月24・31日は~14時)
定休日:なし
料金:€15(18時~、日曜、祝日の17時~は無料)

スペイン海軍のミュージアムから美しい広場へ

海軍博物館
海軍博物館

プラド美術館からプラド通りをさらに北へ5、6分ほど歩いたところにもユニークなスポットがあります。スペイン海軍付属のミュージアム「海軍博物館」は、入口の帆船のモニュメントが目印。

海軍博物館展示品

2020年10月にリニューアルした館内では、新大陸の発見から大航海時代、現代までのスペイン海軍の歴史や航海技術の進化、航海に使われた帆船模型などを展示しています。ファン・デ・ラ・コサが描いた現存する最古の新大陸地図のオリジナルなど、海軍管轄のミュージアムならではの貴重な資料を目にすることができます。

海軍博物館おみやげ

館内のミュージアムショップに並ぶ海軍グッズはおみやげにもよさそう。

■海軍博物館(かいぐんはくぶつかん)
住所:Paseo del Prado, 3
TEL:(91)5238516
営業時間:10~19時
定休日:月曜
料金:€3

シベレス広場

そしてシベレス広場に着いたところでプラド通りは終わり。アトーチャ駅からここまでは大体1㎞ちょっとの距離です。女神と2体のライオンのモニュメントが立つ広場中央のシベレスの噴水は、カルロス3世によって造られたもの。マドリードのシンボルとして親しまれる美しい広場は、サッカーの超名門、レアル・マドリードが優勝パレードを行う場所としても有名です。

シベレス宮殿
シベレス宮殿

広場の東側にそびえる白亜のシベレス宮殿は、その昔、中央郵便局として使われていた壮麗な建物。現在は市役所庁舎となっており、上階には眺めのよいレストランや展望台があるので行ってみましょう。展望台は受付にて€3を支払い入場できます。プラド通りやシベレス広場、その先に延びるグラン・ビア通りなど、マドリードの街並みを見晴らせます。

王宮と同じ白い御影石の巨大な門

アルカラ門
アルカラ門

シベレス広場からは進行方向を変えて、アルカラ通りを東へ。すぐ目の前に現れる「アルカラ門」は、これまたカルロス3世の命による建造物で、マドリードで有名なモニュメントのひとつ。建築家フランシスコ・サバティーニが設計したもので、君主の首都到着を祝う凱旋門として建てられました。高さは19.5mにも及び、なかなかの迫力があります。

アルカラ門が立つ独立広場から北に延びるのが、ショッピングストリートのセラーノ通り。今回はその逆の南側に延びるアルフォンソ12世通りを進んで、ゴールの「レティーロ公園」を目指します。

かつての王家の庭園は、今は市民の憩いの場に

レティ―ロ公園
レティ―ロ公園入口

レティーロ公園入口の門を見上げてみると、スペインの国章が彫られているのを発見。マドリードには多くの公園がありますが、最初に公的に設立されたのがこのレティーロ公園。もともとは宮殿などが建てられていた王家の庭園で、今もその面影を随所に残しています。

公園の様子

現在は公共の公園として開放されており、水と緑の豊かな憩いの場として市民に親しまれています。園内をしばらく進んだところにある大池の周辺には多くの人が集まっており、ボード遊びを楽しむ人々の姿も。中央にそびえるのは多数の彫刻、レリーフ、柱、階段で構成されたアルフォンソ12世のモニュメントで、頂に立つアルフォンソ12世の騎馬像が平和なマドリードの街を見守っているようです。

ベラスケス宮殿
ベラスケス宮殿

こちらは建築家のリカルド・ベラスケス・ボスコが設計した「ベラスケス宮殿」。よく誤解されますが、画家のベラスケスではありません。現在はソフィア王妃芸術センターの別館として、作品の展示館になっています。

公園で遊ぶ人々

レティーロカードゲームを楽しむおじいちゃんたち。声をかけると気さくに話してくれました。なごやかな光景を見ていると、ここが世界遺産であることを忘れてしまいますね(笑)

ここで紹介したスポット以外にも「王立天文台」をはじめ、みどころが点在していますので、スペインを訪れた際は、その歴史を感じながら、ぜひ散策を楽しんでみてください!

■レティーロ公園(れでぃーろこうえん)
住所:Plaza de la Independencia, 7
営業時間:6~24時(10~3月は~22時)
定休日:なし

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