【京都Newカフェ】花と抹茶と玄米と……「和想日々」で美しくてヘルシーな新感覚グルメ体験
2022年に京都にオープンしたお店のなかで、目を離せないお店があります。それが「京都 食と暮らしの研究所」ビル内にあるカフェ「和想日々(わそにちにち)」。花を使った美しいランチや苔庭を模した抹茶のパフェはもちろん、研究の成果である斬新でおいしい商品の数々はおみやげにもイチオシです。
Summary
「京都 食と暮らしの研究所」ビル内にある隠れ家的カフェ
二条城と京都御苑の間のエリアにある3階建てのビルが「京都 食と暮らしの研究所」です。料理のレシピを開発したり、商品企画や製造を行ったり、イベントやワークショップも開催される食の複合施設です。
新しい食の発見を続ける研究所の一画におしゃれなカフェがあると聞きつけ、お邪魔しました。
扉を開けると、高い天井から光が降り注ぐ白い空間にテーブルと椅子が並んでいます。あれ? でも人がいません。戸惑っていると、奥の扉から現れたのがオーナーの吉村さん。料理家で、管理栄養士、フードコーディネーターの資格ももつ食の研究家です。
招かれるまま、奥の扉を開けると、エントランスとはまるで違う、レトロモダンな空間が広がっています。ここがカフェ「和想日々」。古い木の柱、土壁に塗り重ねた漆喰、カットガラスのペンダントライトなどビルの中なのに古民家のような雰囲気が不思議。
吉村さんが物件を探しているときに「ぱっと目に入ってきて、決め手になりました」というのがレトロなガラスブロックの壁。光を透過させ、やわらかな自然光に満ちた店内にしてくれるとともに、外からの視線を遮断してくれます。
模様入りのすりガラスや欄間など昭和レトロな台所の雰囲気のなかに新しい設備が入って、生まれ変わったキッチン。
カウンターに置かれた水に入っているハーブは、ビルの屋上で収穫されたもの。屋上では野菜やフルーツも育てているそうです。ハーブの種類はティーツリー。ティーツリーといえば、すっきりとした香りで殺菌・消臭効果のあるアロマというイメージだったのですが、生の葉っぱをかじるとほんのり甘い味がします。
美しく、ヘルシーで美味なご馳走ランチ「和想日々の花膳」
「和想日々」の看板メニュー「和想日々の花膳」。スイーツと飲みもの付きのセットにしました。値段だけを見ていたので、普段使いにはちょっと高いな……と思っていたのですが、ずらりと並ぶとそのコスパの高さに驚きます。
《和想日々の花膳2500円の内容》
・有機玄米 花そぼろ寿司
・旬魚の和風カルパッチョサラダ仕立て
・野菜の具だくさんおつゆ
・本日の和スイーツ3種盛り
・お飲み物(抹茶、生姜ほうじ茶、珈琲からチョイス)
ひとつひとつご紹介していきますね。まずは、有機玄米の花そぼろ寿司。ヘルシー志向で「主食が玄米」という人でもお寿司ばかりは白米ですよね? それが驚きです。玄米なのでほどよくパラパラとしていながら、甘さとしっとり感もあります。
その秘密は、そぼろ。さば味噌のそぼろが玄米のすし飯を包み込む、とても上品な味わいです。上にはうまみをぎゅっと濃縮させて逃さないように焼いた野菜が乗っていて、ヘルシーかつ美味!
こちらは花の乗った美しいサラダ。奥には旬魚のお刺身が入っています。特筆したいのは、添えられたオイル。吉村さんいわく「なんでも燻製にしてしまう」燻製調味オイルなのです。
この日のお魚は銀鮭。燻製にしてもおいしい魚だけあって、ドレッシングとの相性は最高。スモークサーモンとも違って、サラダにもすごく合います。一口食べるごとに新しい味覚との出合いがあって、感動。
そして、具だくさんのおつゆ。味噌汁にしていないのは、「野菜から出るスープの自然の甘みを感じてほしいから」と吉村さん。名前どおり具だくさんで、にんじん、三つ葉、かぶら、きのこ……とおつゆよりも具の方が多いです。食べておいしいのはもちろん、楽しくなってくるごはん。貴重な体験です。
3種のデザートのなかにも不思議なものがあります。それが豆乳を米由来の乳酸菌で発酵させた豆酪ケーキ。ごま豆腐のようなやわらかい食感で、甘みも酸味もやわらかい。自然でやさしい味です。今までに食べたものの何にも似ていません。上に乗っているのは、発酵果実酢ジャムとティーツリー。果実酢を漬けるときに使ったフルーツで作ったジャムは甘さだけじゃないまろやかな酸味もあります。ジャムは販売もされているので、気になる人はぜひ。
お寺の苔庭をイメージした「和想日々パフェ」
デザートにも店名を冠したメニューがあります。それが「和想日々パフェ」。抹茶かきな粉味を選べるのですが、今回は抹茶をチョイス。京都で江戸時代から続く茶園「上嶋爽禄園」の濃くてうまみのある抹茶を使い、抹茶本来のうまみを感じられるように甘さは控えめに。グラスに敷かれた苔のようなパウダーは、砕いたクッキーに抹茶をまぶしたもの。
甘さが足りない人のために、抹茶シロップを別添えし、自分で好みを調節できるようになっています。デザートはほかに抹茶豆乳葛餅、ぜんざい、ほうじ茶あんみつ、豆酪ケーキなどさまざま。和スイーツ好きにはどれか1つを選ぶのが悩ましいラインナップです。
発酵、野草、豆乳……体にやさしいおみやげも多数販売
“食と暮らしの研究所”というだけあって、ほかではあまり見かけないような商品に出合えます。4種類のプリンは、グルテンフリー・カゼインフリー・卵不使用の「豆乳あんプリン」。よもぎやさくらなど日本在来種の植物を使ったあんこが豆乳プリンに風味を添えます。
「ガトーショコラ」と聞くと、チョコレート色の焼き菓子を想像しますが、こちらはホワイトチョコレートを使用。見た目はパウンドケーキやマフィンのようで、何も知らずに食べるとガトーショコラとは気付きません。何より山椒味であれば山椒の粒を、生姜であれば繊維を感じるほど味の輪郭がくっきりとしていて、とても美味。誰かにプレゼントしたくなるおいしさです。
美しいラベルのガラス瓶に入ったドリンクは、「有機玄米甘酒×果実酢」を組み合わせた新しい飲み物。天然繊維を豊富に含むナチュラルな栄養ドリンクともいえます。果実酢のさわやかな甘酸っぱさもクセになりそう。
“研究所”だけに、これからどう変化し、新しいものが生み出されていくのか目が離せない「和想日々」。ランチやカフェ使いはもちろん、まだあまり知られていない京都みやげを購入するのにもおすすめです。
■和想日々 Wasonichinichi(わそにちにち)
住所:京都府京都市中京区東竹屋町416 京都食と暮らしの研究所1階奥
TEL:070-1744-0707
営業時間:11~18時
定休日:月~水曜
アクセス:地下鉄丸太町駅から徒歩6分
Photo: photo scape CORNER.大﨑 俊典
Text:京都ライター事務所 小西尋子
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