【京都】「宇治市源氏物語ミュージアム」で今注目の『源氏物語』の世界に浸ろう!

【京都】「宇治市源氏物語ミュージアム」で今注目の『源氏物語』の世界に浸ろう!

京都府 るるぶ&more.編集部 ミュージアム おでかけ 観光スポット
Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket

1998年に開館した宇治氏源氏物語ミュージアム。実寸大の展示物や『源氏物語』への理解が深められるアニメ、体験コーナーなどさまざまな角度から『源氏物語』の世界をじっくりと楽しめます。そんな宇治市源氏物語ミュージアムのみどころをご紹介します!

Summary

「宇治市源氏物語ミュージアム」とは?

京阪電車宇治駅から徒歩8分の場所にある宇治市源氏物語ミュージアムは、1998年に『源氏物語』の最後の10帖「宇治十帖」の主な舞台となった宇治に開館しました。

『源氏物語』とは、全54帖に渡る世界最古の長編物語。平安時代中期に紫式部によって創作されました。主人公・光源氏と女性たちとの恋愛模様や栄華などが書かれています。全54帖のうち、41帖までが光源氏が主人公の話で、残りの13帖は光源氏の子や孫が主人公の話です。このうち最後の10帖が「宇治十帖」とよばれます。

館内には、『源氏物語』はもちろん平安時代の文化に親しめるものが盛りだくさん。時代背景まで知ることで、物語への理解が深まります。いたるところに『源氏物語』に関係するものがあるので、探しながら回るのもおすすめです。

館内は、展示ゾーン(有料)と情報ゾーン(無料)に分かれています。展示ゾーンには原寸大に再現された調度品などやアニメ、体験ゾーンが充実。情報ゾーンには『源氏物語』に親しめる展示物や図書室があります。今回は展示ゾーンから鑑賞していきます。


平安時代の文化と『源氏物語』の世界の展示を鑑賞

さっそく入ってみましょう。まずは平安の間。入り口には実寸大に復元された牛車が展示されています。牛車とは、平安時代の貴族が利用した乗り物。『源氏物語』内でもたびたび登場します。
こちらに展示されているのは「網代車(あじろぐるま)」という、もっとも一般的な車種。

牛車には社会的地位を表す面もあり、貴族の位などによって、乗車できる車種に規制がありました。

牛車の横には、光源氏と女君たちが暮らした邸宅・六条院の復元模型が展示されています。人や牛車を見ると、とっても小さく見えると思いますが、六条院自体が、6万5300㎡ととんでもない大きさでした。水流まで細かく丁寧に造られているので、一つ一つに注目するのもおもしろいです。いろいろな角度からじっくり眺めてみましょう。

平安の間の右側には、室内で囲碁を打つ様子を御簾の外から垣間見る場面が再現されています。

垣間見とは、明かりによる効果によって、例えば、暗い外にいる男性が明るい部屋の中にいる女性の姿を見ることを指します。平安時代の女性は、成人すると、家族であっても男性に顔を見せることはありませんでした。そのため、偶然の垣間見によって、男性が女性の姿を見て恋心を抱くことがありました。

垣間見を体験してみましょう。同じ平安の間に、実際に垣間見を体験できるボックスがあります。2つある開口部それぞれから中の様子を見ると、明かりの効果による違いが体験できます。


物語の世界に入り込む!展示室全体で「宇治十帖」をわかりやすく!

次は、宇治の間へ移動します。平安の間と宇治の間をつなぐ架け橋を歩いていくと…

宇治の間に到着です。宇治の間は展示室全体が物語シアターとなっていて、「宇治十帖」のあらすじが5分ほどで学べます。「宇治十帖」とは、光源氏の子とされる薫と孫の匂宮、そして、八の宮の娘である女君たちとの恋の物語。

「宇治十帖」物語シアターは、音声や照明演出で幻想的に「宇治十帖」を紹介しています。とてもわかりやすく、5分とは思えない満足感で夢中になること間違いなし。宇治十帖を知らない人も、これを見ればあらすじがわかるので、館内の見学がより楽しめます。

物語シアターの中でもう一つ興味深かったのが、立体画像宇治十帖。所蔵品の「源氏絵鑑帖」を立体的に見ることができるパネルで、平面で見るよりも部屋の奥行などが分かりやすく、当時の雰囲気がリアルに想像できます。

宇治の間で『源氏物語』宇治十帖について学んだ後は、映像展示室へ。映像展示室では、『源氏物語』の誕生をひもとくアニメ「GENJI FANTASY ネコが光源氏に恋をした」や宇治十帖がテーマの人形「浮舟」、実写「橋姫」が鑑賞できます。それぞれ20分ほど。上映は月替わりなので、ホームページでチェックしておくのがおすすめです。宇治市源氏物語ミュージアムオリジナルアニメ「GENJI FANTASY ネコが光源氏に恋をした」は、紫式部の日記である「紫式部日記」を基に制作。楽しみながら学べる内容です。

ワクワク!体験コーナーで『源氏物語』への理解を深めよう

さらに進んで、次は物語の間に行ってみましょう。ここでは『源氏物語』のあらすじと物語の中の宇治について詳しく紹介されています。奥には、「源氏香」の体験コーナーがあります。

こちらが源氏香の体験コーナー。源氏香とは、5種類の香木をそれぞれ5つずつ用意し、計25個の中から5つ選び、その香木の香りの違いを当てる組香です。解答が全部で52通りあるので、『源氏物語』全54帖から最初と最後を除いた52帖の各名が解答名に使われています。

源氏香は、圧倒的に子どもたちの正解率が高いそう。大人は繰り返し匂いを嗅いでわからなくなる人が多いそうです。1回で当てる気持ちで挑戦すると、正解しやすいかもしれません。

次は無料で楽しめる情報ゾーンへ。こちらの『源氏物語』に親しむコーナーでも、物語の世界を堪能できます。

『源氏物語』に親しむコーナーとは、体験を通じて『源氏物語』の世界と繋がることができるコーナー。こちらはルーレットを回して出た絵を探す、カルタに似たゲームです。

こちらは六条院が再現された六条院引き出し。六条院の住人である女君などの描かれたパネルをひきあげると、さまざまな人や物の紹介や説明が読めるというもの。こちらにも仕掛けがあり、すべてのパネルを引きあげていくと、何かが見つかるかもしれません…! 柔軟な思考で楽しみましょう。

自分で情報を得て、発見する体験をしてほしいという思いから、館内には仕掛けや工夫がたくさん。『源氏物語』を知らない方も楽しめること間違いなしです。

『源氏物語』が好きな方は、展示物や体験コーナーなどを通して、『源氏物語』への理解がより深まるはず。古典に苦手意識がある方は、まずは無料で楽しめるコーナーや図書室を訪れるのもいいですね。宇治市源氏物語ミュージアムで、1000年の時を超えて愛される『源氏物語』のおもしろさに触れてみてください。


■宇治市源氏物語ミュージアム(うじしげんじものがたりみゅーじあむ)
住所:京都府宇治市宇治東内45-26
TEL:0774-39-9300
時間:9~17時(16時30分最終入館)
定休日:月曜(祝日の場合はその翌日)、年末年始
料金:一般600円

Photo:鈴木誠一
Text:武田百加(エディットプラス)

●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際には事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。



Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket
記事トップに戻る

この記事に関連するタグ

編集部のおすすめ

ページトップへ戻る

検索したいキーワードを入力してください