【おとなのソロ部】「ニホンドウ漢方ミュージアム」で漢方を見て・知って・学んで、生活に取り入れよう!おひとりさま薬膳鍋も!
ストレスで肌荒れが気になる、万年冷え症で…。日々忙しく過ごしていると知らない間に疲労を溜め込み、身体に不調を感じる人も多いのでは。そんな悩みは放っておかずに、生活に漢方を取り入れてみてはいかがでしょうか。ちょっと敷居が高いイメージの漢方をより身近に、気軽にふれられる複合施設が南青山にあります。漢方とじっくり向き合う、ひとり時間を満喫してきました!
Summary
まずは2階ギャラリーで、漢方の基礎を見て・ふれてインプット
漢方専門店「薬日本堂」が展開する「ニホンドウ漢方ミュージアム」は、漢方相談ができるブティック、ギャラリー、スクール、薬膳料理を楽しめるレストランで構成された、漢方ライフスタイル提案型複合施設。場所は地下鉄表参道駅から徒歩2分、青山通りと骨董通りの交差点で、2022年に品川から青山に移転オープンしました。
漢方の基礎を知るために、2階の漢方ギャラリーへ行ってみると、100種類の生薬がずらっと並んだ展示を発見。“生薬”とは漢方薬の原料となる植物、動物、鉱物のことで、これらの生薬を2種類以上組み合わせたものを漢方薬といいます。生薬の展示は生姜(ショウキョウ)・山椒(サンショウ)・桂皮(ケイヒ)・鬱金(ウコン)といった、身近なものはほんの一部。そのほとんどは初めて見るものばかりで、俄然興味が湧いてきました。なんでも日本で使われている生薬は約300種類もあり、「薬日本堂」では約200種類の漢方薬を取り扱っています。
生薬展示の一部には、QRコードがあり、読み取ると、効能や薬用部位、帰経(作用する臓腑)などの詳細情報を見ることができます。季節の症状に適した漢方薬の生薬、2月は冷え症改善やむくみケアに対応できる「当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)」でした。また、漢方薬を実物の生薬とともに展示する引き出し棚もあるので、こちらもあわせて見ると、漢方をより深く知ることができますよ。
奈良時代に中国から伝来し、江戸時代になると日本国内で独自に発展した漢方(東洋医学)。漢方ギャラリーでは生薬を砕いたり、粉末にしたりするために使われていた「薬研(やげん)」を実際に使ってみることができます。中央の凹み部分に生薬を少しずつ入れて、薬研車の軸を両手で持って前後に動かします。ミキサーを使えば簡単に細かくできる現代、時間をかけて粉末にする大変さを感じました。
生薬の香りの違いを体験できるコーナーも。まずはムラサキ科の多年草の根を乾燥させた「紫根(シコン)」。スリ傷などの創傷治癒に効能があるとされ、酸味と木の根っこ特有の香りがします。鼻づまりを改善し、頭痛を和らげるというコブシの花のつぼみ「辛夷(シンイ)」は、スパイシーな香りがしつつ甘さも感じます。生薬といっても、植物なら根、樹皮、葉、果実、種子などさまざまな薬用部位があり、馴染みのあるものから独特の香りがするものまで、さまざまな生薬の香りをかぐことができます。
漢方相談員に身体の悩みを相談&漢方薬を選定
「ニホンドウ漢方ミュージアム」の中心となるのが、漢方専門の相談員によるブティックでの無料カウンセリング。電話や公式サイトから予約するのがおすすめです。漢方相談ブースは1階と2階の各フロアにあり、どちらもモダンで落ち着いた雰囲気。悩みを伝え、血流・顔色・舌の状態をチェック、さらに食生活・睡眠など多方面からアプローチして、症状と体質にあった漢方薬を選定、さらに食事や運動といった健康習慣も提案してくれます。
手足の冷えと疲労感があることを伝え、カウンセリングスタート。健康茶を味わいながら約1時間30分。選んでもらった漢方は「十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)」という、10種類の生薬を配合した“煎じ薬”です。これを土瓶またはやかんで煮出して、毎日服用すると、個人差もありますが、4カ月くらいから効果があらわれ始めるそうです。もちろん、生活習慣の改善も必要です。
試してみたいけど、費用はどれくらいなのかが気になるところ。煎じ薬は1日あたり660〜990円、粉薬(分包タイプ)だと1日あたり330〜825円、お手頃な錠剤は1日あたり165〜275円です。相談員に予算を告げれば、それに合った漢方薬を提案してくれるので、まずは相談してみては?
ブティックで漢方コスメや和漢食材をチェック
「ニホンドウ漢方ミュージアム」では漢方薬のほかに、和漢植物エキスを配合した、オリジナルスキンケアイテムや健康茶、和漢食材、サプリメントなど漢方にまつわる商品も多数揃えているので、まずは手軽に健康茶からスタートしたい人、食生活に和漢食材を取り入れたい人はぜひ。
薬膳レストランで、滋味深い薬膳鍋をいただきます
漢方満載の時間を過ごしていたらお腹が空いてきたので、地下にある「薬膳レストラン10ZEN」へ行ってみました。ここは「薬日本堂」が監修する、漢方理論に基づいた和漢食材を使う薬膳料理のレストランです。スープ鍋からスイーツまで栄養満点な料理が揃います。
ランチメニューのなかで人気が高い「薬膳サラダバー」と「薬膳スープ鍋」をオーダーしました。「薬膳サラダバー」は、サラダバーコーナーから何度でも自由に盛り付けられるメニューで、レタスやニンジン、紫キャベツ、海藻、菊の花、さらにトッピングとしてクコの実、はと麦、黒胡麻など10種類の薬膳食材があり、オリジナルの薬膳サラダが作れます。罪悪感を抱かず食べられる幸せがここにあり!
鍋料理って2名分からという店が多くて、ひとりごはんのときに悔しい思いをしたことがありますが、「薬膳レストラン10ZEN」では「薬膳スープ鍋(お一人鍋)」というなんともうれしいメニューがあります!スープは牛テール、鶏白湯、辣湯と、3種類のなかから今回は、薬膳辣湯(やくぜんらーたん)を選び、さらに岩手県産岩中豚と玄米が付いたセットに。
薬膳辣湯は鶏白湯をベースに唐辛子、桂皮(ケイヒ)、八角、陳皮、コリアンダー、カルダモンなどさまざまなスパイスをオリジナルでブレンドした、辛味の利いたコク旨スープ。胃の中にすっと入っていき、身体がポカポカ温かくなっていきます。あっさりとした岩中豚、そして旬の野菜、キクラゲ、白キクラゲ、ヤマエノキ、豆苗など種類豊富な具材は食べごたえ十分。
漢方を楽しく学べる1DAYセミナーも開催
「ニホンドウ漢方ミュージアム」から徒歩3分、「薬日本堂漢方スクール青山校」では、薬膳、舌診、ツボなど、さまざまなテーマを用いた1回完結型で学べる漢方の1DAYセミナーを開催しています。漢方の知識を身につけることで、暮らしに役立てることができそう!気になる人は公式サイトでチェックしてくださいね。
■薬膳レストラン10ZEN青山店(やくぜんれすとらんじゅうぜん あおやまてん)
住所:東京都港区南青山5丁目10−19 青山真洋ビル B1F
TEL:03-6450-5834
営業時間:11時~22時
休み:無休
■薬日本堂漢方スクール青山校(くすりにほんどうかんぽうすくーるあおやまこう)
住所:東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山1F
TEL:03-6712-5920
※講座内容は公式サイトをご確認ください。
■おすすめの利用シーン:身体の不調や悩みを相談して、漢方薬を生活に取り入れたい、薬膳料理を楽しみたいとき
Text:木村秋子(editorial team Flone)
Photo:yoko
●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。