おでかけ
2023.03.23
【尾道・広島・宮島】大人の広島旅1泊2日レポート(1日目)~観光列車「etSETOra」で!ノスタルジックな尾道からエキニシが楽しい広島へ~
2月のある日。日々の忙しさから逃れるように、1泊2日のご褒美旅に出かけました。今回旅の目的地に選んだのは、広島県。尾道駅と広島駅をつなぐ瀬戸内の観光列車「etSETOra」を旅の主軸に、尾道〜広島〜宮島をたっぷり巡ってきました!今回はそんな大人の広島旅1日目の様子をご紹介します。
【11:40】大人旅のスタートは尾道から!教室みたいな「あくびカフェー」で童心にかえるランチタイム
この日は待ちに待ったご褒美旅の日。東京駅から新幹線に乗って約4時間。途中、福山駅で在来線に乗り換えながらJR尾道駅に到着です!
尾道といえば、坂道やねこの町。映画のロケ地や文学作品の舞台としても有名で、駅前からはどこか懐かしい雰囲気を醸す商店街が続きます。
商店街を歩くこと約10分、カフェやゲストハウス、書店やCD店、サロンを擁する複合施設「あなごのねどこ」に到着です。「ここ、なんだろう?」とワクワクさせる外観に胸が躍りますね♪
間口が狭く、奥行きが深い町家建築を「うなぎのねどこ」と呼びますが、ここ「あなごのねどこ」もそれに似た建築様式。瀬戸内海の特産である“あなご”を掛けて名付けられたのだそうです。
まずはお待ちかねのランチタイム。今回ランチをいただく「あくびカフェー」は、この「あなごのねどこ」の手前(商店街側)にあります。「あくびカフェー」は“旅と学校”がコンセプトとなったカフェで、昔の教室のような内装、まるで給食のようなメニューと、童心を思い起こさせてくれるような空間です。
この場所の始まりは、明治時代に創業した呉服店。時代の変遷とともにお店も入れ替わり、最後の眼鏡店が閉店した後は長らく空き家でした。
そこで立ち上がったのは、尾道の空き家問題に取り組んでいるNPO法人「尾道空き家再生プロジェクト」です。ベニヤで覆われていた内装をはがし、元々の建築のよさを残しリノベーション!
2012年12月にオープンして以来、学生や子ども連れの家族をはじめ、多くの観光客が足を運ぶ尾道のホットスポットとなっています。
またスタッフは移住者がほとんどで、メニュー開発から企画、料理、菓子づくりまでそれぞれ自分の特技を生かしながら働ける場所としての側面ももっているのだそう。そんなスタッフの方の移住経験を聞いたり、ここで出会った旅人との話に花を咲かせたりするのも楽しそうですね。
使われているインテリアや木材の多くは、廃校になった島の小学校(木造校舎)からやって来たものだそうです。黒板や下駄箱、子ども用の小さな木の椅子など、懐かしさに胸がくすぐられます。
今回いただいたのは、「あくびのしまなみカリーライスセット」990円。牛すじの欧風カリーライス、ミニサラダ、ドリンクがついたセットで、カレーの海の中にぽつんと浮かんだライスにささったフラッグがかわいい♪使われているアルミ製のトレーや食器も、昔の給食をイメージしています。
こちらは友人がオーダーした「尾道れもんトースト 生クリームつき」935円。尾道の坂の途中に位置する「ネコノテパン工場」の食パンを使用していているのだそう。地元店舗とのつながりを大切にしながらカフェが営まれています。
「あくびの特製プリンパフェ」880円は平日限定!ランチだけでなくデザートメニューも充実しているので、旅の合間にぜひ、レトロで尾道らしい空間を味わってください。
■あくびカフェー住所:広島県尾道市土堂2-4-9
TEL:050-5240-3127
営業時間:11~17時
定休日:隔週木曜、毎週金曜
【13:00】遊び心が満載♪ゲストハウス「あなごのねどこ」を見学
この日は特別に、ドミトリー形式のゲストハウス「あなごのねどこ」の中も見学させていただきました!
細い路地を進むと、道の途中にゲストハウスの入口が。扉を開くと、チェックインカウンターや交流スペースとして使われる広間があらわれます。台所も併設されているので、食材を買ってきて料理を楽しむなど、宿泊客やサイクリストが連夜集まってわいわい交流しているようです♪
部屋タイプにはドミトリー(男女混合、女性専用)のほか、個室2部屋も用意されていて、個人利用だけでなく、友人同士、ファミリーにも人気なのだとか。この個室は、「あなごのねどこ」店主兼イラストレーター・つるけんたろうさんが描いたあなごの壁画が印象的でした。
ゲストハウス内にはいたるところに古本が!本に囲まれたベッド空間では、寝る前のひとときや雨の日など思い思いに本や漫画が楽しめそう。
■あなごのねどこ住所:広島県尾道市土堂2-4-9
TEL:0848-38-1005
チェックイン・アウト:16~22時/~11時
料金:ドミトリー3000円~(1名1泊利用時)
個室9000円〜(2〜5名1泊利用時)
※季節変動あり
【13:30】尾道の海沿いや商店街をのんびり散歩しながらおやつタイム
次の移動まで1時間弱あったので、尾道の町をぶらぶら散策してみることにしました。行き来するフェリーを眺めながら海沿いを歩いていると、さっそく人懐っこい野良ねこと出会いました。
甘いものが食べたくなったので、海岸通りにある手作りアイスクリームのお店「からさわ」で「アイスモナカ」170円を購入。
晴天に恵まれて日差しが気持ちよく、海を眺めながら「アイスモナカ」をいただくことにしました。穏やかな水面には日光が反射してキラキラと揺れ、向かいの島と本土をフェリーが行き来する……そんな尾道ならではの景色を眺めながら、のんびり。日々の喧騒から逃れた、かけがえのないひとときです。
■からさわ住所:広島県尾道市土堂1-15-19
TEL:0848-23-6804
営業時間:10~18時(11〜2月は~17時)
定休日:火曜、ほか季節により不定休あり
アイスモナカを食べたら温かいものが欲しくなりました。というわけで、ホットドリンクを求めて再び商店街へ戻ると、おしゃれでポップなお店を発見!
ここは自家製レモネードのテイクアウト専門店「檸檬とスパイス」。広島県瀬戸田で収穫されたオーガニックレモンをはじめ、季節に応じて高知や、瀬戸内で育てられた無農薬・減農薬レモンを使ったレモネードが自慢で、尾道本店のほか沖縄にも店舗があるそうです。
「ホットレモネードジンジャー」Mサイズ450円をオーダー。たっぷりすりおろし生姜と輪切りレモンが入ったホットレモネードで、レモンの酸味が疲れた体を癒やしてくれると同時に、生姜の風味が内側から体をポカポカと温めてくれました。あまりの気持ちよさに、また海沿いに出て一休み。海と商店街が近いのも、尾道のよいところ♪
■檸檬とスパイス(れもんとすぱいす)住所:広島県尾道市土堂1-4-22
TEL:0848-24-3303
営業時間:11~18時(季節により時短あり)
定休日:不定休
【14:30】尾道駅へ。瀬戸内の多島美を臨む観光列車「etSETOra(エトセトラ)」に乗車♪
尾道駅へ戻り、さあ次の目的地へ。尾道駅と広島駅を結ぶ観光列車「etSETOra(えとせとら)」に乗車します!
瀬戸内海の海や波をイメージした外装がおしゃれな「etSETOra」は、2020年10月に運行をスタートした観光列車。海岸線の真横をいく呉線を走り、瀬戸内の海や島々を眺めながらおよそ3時間かけて尾道駅と広島駅をつないでいます。
“エトセトラ”は、ラテン語で「その他いろいろ」、さらに“えっと”は広島弁で「たくさんの、多くの」という意味。「etSETOra」は、瀬戸内のたくさんの魅力を楽しんでほしいという想いで命名されたそうです。
「etSETOra」は2両編成で、1号車にはバーカウンターも併設。カクテルやノンアルコールの飲み物のほか、オリジナルグッズや沿線にちなんだおみやげを購入することができます。
こちらは尾道駅から出発する復路(下り)で購入できる「瀬戸の小箱〜チ〜」2000円(乗車4日前までの要事前予約)。
広島市草津のチョコレート専門店「marco chocolaterie(まるこ しょこらとりー)」が手がけたセットで、ピオーネと無花果をトッピングした「etSETOra」限定のクランブルショコラや、広島県産のオレンジを使った自家製ピールのオランジェット、グレインショコラなどが楽しめます。
同じく復路で購入できる「瀬戸の小箱〜焼〜」2000円(乗車4日前までの要事前予約)は、福山市にある「ドルセ洋菓子店」の焼き菓子セット。
内容はティラミスタルト、イチゴタルト、レモンタルトそれぞれ2個ずつで、イチゴとレモンは「etSETOra」オリジナルなのだそう。
途中、ノンアルコールカクテルの「SETOUCHI BLOSSOM」550円を購入。竹原市にある「アヲハタ」のフルーツスプレッドなどがふんだんに使用されている、甘酸っぱくスッキリとしたカクテルで、流れる車窓や見える景色との相性も抜群です♪
ほかにもクラフトビールやウイスキー、季節によってラインナップの変わる日本酒など、広島県で生産された多種多様なお酒が楽しめ、ここはさながら動くバー!?明るいうちから観光列車でお酒を楽しむなんて、まさに大人旅の醍醐味です。
乗車記念のボードは写真撮影にピッタリ。海沿いを走るタイミングを見計らって仲間みんなで写真を撮りあったりしながら、「etSETOra」乗車の思い出をたくさん作ることができました♪
カクテルを楽しみながら会話に花を咲かせるもよし、日常の喧騒から逃れてゆっくりとした時間を過ごすもよし、持ってきた本を読みふけるもよし。それぞれの過ごし方が叶う大人の快適旅には、「etSETOra」がおすすめです。
■etSETOra(えとせとら)所要時間:尾道駅〜広島駅間およそ3時間
料金:大人2520円(乗車券1520円、グリーン券1000円)、子ども1760円(乗車券760円、グリーン券1000円)
【18:45】どのお店にしようか迷うのも楽しい♪広島屈指の飲み屋街「エキニシ」であらゆる広島グルメに舌鼓
「etSETOra」に揺られること約3時間。広島駅に到着です♪駅前のホテルにチェックインしてひと息ついたら、広島駅の西側に広がる飲み屋街・通称「エキニシ」へと繰り出します!
駅から徒歩3分という恵まれた立地に広がる「エキニシ」。以前はサラリーマンであふれる場末感のある飲み屋街だったそうですが、ここ数年で変貌を遂げ、今や女性グループ、カップル、出張で訪れた人などで賑わう、飲食店カルチャーの集積エリアとなっているのだそうです。
古きよきたたずまいの居酒屋をはじめ、古民家をリノベーションしたおしゃれなお店など、多彩な店舗が軒を連ねていました。
まず向かったのは「瀬戸内バル fuus。」です。絵本に出てくる家のようなかわいいたたずまい、青い扉が目印!
隠れ家のような雰囲気のバルで、1階にカウンター、2階にテーブル席が。瀬戸内の食材を使用したイタリアン、フレンチ、スパニッシュなどの各国料理が楽しめます。
まずは「瀬戸内自家製生レモンサワー」680円で乾杯!広島県産レモンの皮、果肉、種を全て使い、自家製シロップで味を整えた、店こだわりの一杯なのだそうです。
「広島県産 茹で牡蠣 レモンの泡」880円は、広島県産の牡蠣にゆっくり火入れをした牡蠣のしゃぶしゃぶです。牡蠣のだし、広島の老舗醤油メーカー・川中醤油の醤油、白ワイン、レモン汁で味付けされていて、口に入れた瞬間、爽やかな風味と牡蠣のミルキー感があふれて幸せな気持ちに。
「広島に行ったら絶対においしい牡蠣を心ゆくまで味わいたい!そんな願いを叶えてくれる逸品です。
こちらは「瀬戸内鮮魚のカルパッチョ」1人前500円。その日に獲れる魚や季節によって内容は異なるメニューで、ドレッシングはそれぞれの食材に合ったものを一つひとつていねいに手作りしています。
この日は鯛のカルパッチョ。鮮魚にふられた蒲刈の藻塩をはじめ、野菜にかかった人参とキンカンのドレッシング、焦がし玉ねぎ・砂糖・塩でブレンドした調味料、ブラックオリーブなど、この一皿には食材と丁寧に対話したゆえのこだわりが盛りだくさん。「手間暇しかかかっていないです(笑)」と店長が話すのにも納得です!
「ジビエ」(値段は肉の種類により変動)は、安芸高田産の猪と日本鹿を使った一品。鹿肉にかかっている甘酸っぱいカシスソースは、食材とのマリアージュにも一役買っています。
というのも、鹿は木の実を食べて育つからなのだそう。猪肉はワインと醤油、西洋わさびで味付けされ、臭みもなく豊かな風味が口の中に広がっていきました。
女性ひとりでも入りやすい「瀬戸内バル fuus。」。瀬戸内産食材を駆使したこだわりの料理を、ぜひ堪能してみてください。
■瀬戸内バル fuus。(せとうちばる ふーず)住所:広島県広島市南区大須賀町11-2
TEL:082-569-6790
営業時間:17~24時(料理は23時LO、ドリンクは23時30分LO)
定休日:水曜
エキニシを歩いていると、はしご酒をしないと損では……!?という気がしてくるから不思議。せっかく来たのだからと、次のお店へ向かいます。
次に訪れたのは、古民家をリノベーションしてオープンしたという和食居酒屋「BALTAN本店」です。
通されたのは2階のロフト席。一般の席よりも少し高い位置にあって、特別感も満載♪女子トークにも花が咲きそう!カウンターやテーブル、掘りごたつ席などもありましたよ!
店の目玉の一つは、なんといってもお酒の数。日本酒と焼酎は、それぞれ100種類も常備しているとのこと!ほかにもワインや果実酒など、スタッフの方が好みに合わせたお酒を提案してくれるので、これまで見たことのなかった地酒に出合えるかも…?
印象的だったおつまみをいくつかご紹介。こちらは「雲丹クレソン バケット付き」1188円です。TVで取り上げられたことでも話題になった広島のご当地グルメ「ウニホーレン」(ウニとほうれん草をバター醤油で炒めたもの)をアレンジしたメニューなのだそうです。クリーミーなウニがバターの風味やクレソンのハーブ感とマッチして、最高のおつまみでした!
「ホルモン天ぷら」858円は、古くから精肉店が立ち並ぶ広島市西区(福島町)のご当地ソウルフードなのだそう。大きめのホルモンは噛めば噛むほどうま味があふれ出し、食べごたえが抜群!旅先でいただくご当地グルメ、最高です。
こちらは「白い牡蠣フライ」418円。広島の牡蠣を愛し広める活動をしている牡蠣のスペシャリスト集団「牡蠣食う研」が主宰する講習会を経て、条件を満たしたというスペシャルな牡蠣フライなのだそう。
本来は何もつけずにそのままいただくのが通(ツウ)ですが、お好みでタルタルソースやレモンをどうぞ。大粒の牡蠣にさくっさくの衣、口に入れた瞬間「この瞬間のために仕事をがんばってきた…!」と牡蠣好きもうならせる逸品です。
実はここエキニシ、2021年11月に起こった大規模火災によって約30棟が罹災。「バルタン本店」も火災により営業ができない状態となり、お客さんやクラウドファンディングなどによって2022年6月に復活を果たしたのだそうです。
復活を遂げパワーアップした「バルタン本店」でぜひ、広島グルメを思いっきり楽しんでください。
■BALTAN本店(ばるたんほんてん)住所:広島県広島市南区大須賀町12-6
TEL:082-258-2337
営業時間:18~24時(23時30分LO)
定休日:不定休
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URL:https://dive-hiroshima.com/
Text&Photo(一部):安藤未来
Model:永澤菜緒(ひろしま、宝しまレディ)
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