乗車レポ|西九州の海めぐり列車「ふたつ星4047」と西九州新幹線「かもめ」でとっておきの電車旅へGo!
西九州の海に面したルートを走行するJR九州の観光列車「ふたつ星4047(よんまるよんなな)」。2022年9月にデビュー以来、なかなか席を予約できないほどの人気を集めています。同じ日にデビューした西九州新幹線「かもめ」と合わせて、乗車レポートをお届け。九州の魅力がぎゅっと詰まった列車の人気の秘密をご紹介します。
Summary
【ふたつ星4047】西九州の海を車窓からのんびり楽しもう
「ふたつ星4047」は、佐賀県の人気温泉地の玄関口「武雄温泉駅」と「長崎駅」を結び、海に面したルートを走る観光列車。金・土・日・月曜および祝日を中心に運行し、運行日には、 「有明海コース(午前便)」と「大村湾コース(午後便)」が1日各1便ずつ運行しています。
「有明海コース」と「大村湾コース」ではルートが異なり、「有明海コース」は日本一の干満差を誇る有明海を、「大村湾コース」は大村湾を車窓から望むことができる、まさに“海めぐり列車”です!
車両の外観は、有明海・大村湾の水面に映える“パールメタリック”を基調としたデザイン。キラリと輝く金色のラインがレトロでカッコいい!
列車名の由来は、長崎と佐賀の2県=九州の観光におけるふたつの星を結ぶので「ふたつ星」なのだとか。星のロゴマークは、佐賀県と長崎県という九州観光におけるスターが並び立つ様子をイメージしています。車両はキハ40、47形を採用しています。
車内の定員は、87名程度。1号車と3号車は指定席、2号車は共用のラウンジ車両で、全席指定席。乗車には、乗車券とあわせて指定席特急券が必要です。発売は1ヵ月前の10時からですが、人気列車なので、とにかく早めの予約がおすすめ!
1,3号車は、木目調や茶色を貴重としたクラシックかつ温かなムードの内装。
今回は「大村湾コース」に乗車。長崎駅から武雄温泉駅を目指します。長崎駅を発車後、大草駅~東園駅間では美しい大村湾が見えてきました。一部区間では、列車が徐行するので、まるで海に浮かぶ列車に乗車しているかのような気分に。季節や時間によって変化する海の表情を愛でながらの列車旅は、なんとも贅沢な時間です。
【ふたつ星4047】 2号車の豪華な「ラウンジ40」で、沿線グルメをいただきます!
2号車の共用スペース「ラウンジ40(らうんじよんまる)」へ。沿線グルメやドリンクを販売する「ビュッフェカウンター」や、窓側を向いたカウンター席、ゆったりとしたソファ席が設けられています。
壁や床は、草花がモチーフの木版で彩られ、窓枠には障子、重厚な造りのソファや椅子なども置かれ、車内を彩るゴージャスなあしらいが非日常感を演出しています。
また、「有明海コース(午前便)」は佐賀海苔の試食体験(1000円)、「大村湾コース(午後便)」は波佐見焼転写体験(2500円)の車内体験を用意。車内にいながら、佐賀県と長崎県の魅力をしっかりと味わえるのも嬉しいですよね。体験は定員制で、乗車後にラウンジにて予約(先着順)が必要なので、気になる方は早めの予約を♪
ビュッフェカウンターでは、おみやげやグルメなどを購入できます。イチオシは、長崎焼き菓子専門店「ママン・ガトー」のスフレをアレンジした「長崎スフレ」。車内販売用にアレンジされていて、なんと車内で焼き上げています。アツアツふわふわのメレンゲ生地に感動〜!
「大村湾コース(午後便)」のみの販売で、購入にはJR九州のwebサイトから事前予約が必要なので、気になる方は予約を忘れずに!
佐賀の特産・嬉野茶も購入できます。ひんやり冷たい嬉野茶で、ほっとひと息。カップに「ふたつ星4047」のロゴマークが描かれていました。
酒のつまみにぴったりな「からすみスライス」もおすすめ。「長崎の地酒」「佐賀の地酒」はともに500円で購入できるので、列車の中でぐびっと一杯!なんて過ごし方も素敵ですよね。
【ふたつ星4047】九州で最も有名な「海に近い駅」⁉ レトロな駅舎の「千綿駅(ちわたえき)」でくじら焼きをパクリ
「大村湾コース(午後便)」は、大村湾を一望でき、レトロな木造駅舎も魅力の「千綿(ちわた)駅」に10分間停車。ホームに一時下車することも可能です。かつては「青春18きっぷ」のポスターにも登場していて、「九州で一番有名な「海に近い駅」ともいわれているんですよ。
この便は、千綿駅のほか諫早駅でも約15分間、千綿駅で約10分間停車するのでホームに降り立って景色を楽しんでみては?
「千綿駅」には16時20~30分に停車します。季節によっては、夕日と美しい海をバックに「ふたつ星4047」の絶景写真が撮れちゃいますよ!
毎週金曜日には「ふたつ星4047」の到着に合わせて、長崎県東彼杵町を起点に活動する移動販売「CHANOKO号(ちゃのこごう)」が、銘菓“くじら焼き"の販売にやってきます。
大人気なので、購入したい方はすぐに並びましょう!今回は運良くゲットできたので、記念に駅名板の前で記念撮影してみました。
「千綿駅」の次の「ハウステンボス駅」では、長崎県佐世保市にあるテーマパーク「ハウステンボス」と海を1ショットに収めた写真を、一時下車したホームから撮影できます。こちらも季節によっては、夕日がかかった美しい景色を眺めることができますよ。
今回乗車した「大村湾コース(午後便)」の魅力はやはり、季節によっては「海」×「夕日」×「ふたつ星」を1ショットに収められる、とっておきのシャッターチャンスに巡り会えることかもしれません!「大村湾コース(午後便)」は、「長崎駅」を14時53分に出発し、終点「武雄温泉駅」に17時45分着です。
【西九州新幹線 かもめ】“日本一短い”新幹線!珍しい「対面乗り換え方式」を体験
今回は、西九州新幹線「かもめ」にも乗車しました。西九州新幹線とは、昭和48年に整備計画が決定した「九州新幹線西九州ルート」のうち、2022年9月に開業した佐賀県「武雄温泉駅」から長崎県「長崎駅」までの路線名称です。
武雄温泉駅から長崎駅の間には3つの駅しかない、“日本一短い”新幹線としても話題を呼んでいます。
車両のコンセプトは「九州らしいオンリーワンの車両」。JR九州のコーポレートカラーである赤色のラインが印象的。ロゴマークに描かれた「3つの輪」は、それぞれ福岡・佐賀・長崎を表しており、それをかもめがつないでいるイメージなのだとか。
「武雄温泉駅」では、日本では珍しい在来線から新幹線への「対面乗り換え」を体験できるのも注目ポイント。つまり、九州の玄関口「博多駅」と「武雄温泉駅」を結ぶ在来特急列車「リレーかもめ」から、同じホーム上で西九州新幹線「かもめ」へ乗り換えることができるのです。
これによって、福岡方面から、佐賀・長崎への旅がよりスピーディーに。博多駅から長崎駅を最速1時間20分で移動することが可能になりました。
西九州新幹線「かもめ」のインテリアデザインは和洋折衷。クラシックとモダンが組み合わされた、懐かしくて新しい空間です。
切符は窓口で購入可能。インターネット限定の割引きっぷ「かもめネットきっぷ」「かもめネット早特3」「おためし!私たちも、かもめ。早特7」もおすすめです。※インターネットでの購入は「JR九州インターネット列車予約」への無料会員登録が必要
九州の海沿いをゆく観光列車「ふたつ星4047」と、内陸ルートを走る西九州新幹線「かもめ」。どちらを選んでも、長崎・佐賀をめぐる旅が充実すること必至です!
text:Riyua Joe(mogShore)
photo:田中浩資
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