
【茨城】あやめ咲く水郷潮来でタイムトラベル
どこか懐かしさを醸し出す水郷潮来。初夏を迎え、そろそろあやめが見ごろを迎えます。ろ漕ぎのサッパ舟が行き交う水路、古民家、古刹などを結んで歩けば、明治や江戸時代の面影も見えてきます。
Summary
週末には地産地消のマルシェが開催される「潮来駅」からスタート
利根川や筑波山の眺望が見事なJR鹿島線でも、便利な高速バスでも、潮来のゲートウェイは潮来駅。高架下の観光案内所前の広場では毎週日曜の9~15時に「いたこ駅マルシェ」が開催されます。コンセプトは地産地消。旬の野菜、地元のつくだ煮やおせんべいなどの加工品を販売していますからのぞいてみましょう。しっとり紫に咲き誇る「水郷潮来あやめ園」
「潮来といえばあやめ」と思う人が多いほど、あやめはこの地のシンボル。北利根川に注ぐ前川沿いに広がる園内を埋め尽くすのは、ハナショウブが中心でほかにアヤメやカキツバタの姿も見られます。アヤメは4月下旬~5月上旬、カキツバタは5月上旬~中旬、ハナショウブは5月下旬~6月下旬と、開花時期が少しずれるので、長期間花が楽しめるのも特徴です。花の最盛期にはここで「水郷潮来あやめまつり」が開催されます。会期中にはかつての風習を再現した嫁入り舟、潮来が水運で栄えた時代に花街でよく舞われたあやめ踊りの披露、ライトアップなど多彩なイベントが開催されます。2023年の「水郷潮来あやめまつり」は5月19日(金)~6月18日(日)に開催されます。
情緒あふれる手漕ぎのろ舟に揺られて「津軽河岸あと広場」まで
潮来にはさまざまな遊覧船がありますが、タイムトラベル感を満喫するなら、昔ながらの手漕ぎのサッパ舟に乗ってみましょう。4月1日(土)~5月14日(日)の鯉のぼりめぐり期間は土・日曜、祝日は「水郷あやめ園」の船着き場、火~金曜は「津軽河岸あと広場」から発着し(月曜休み)、5月19日(金)~6月18日(日)のあやめまつり期間はすべて「水郷潮来あやめ園」の船着き場が乗り場になります。ここから「津軽河岸あと広場」の船着き場を経てもとに戻る約30分間、往時に思いを馳せながら水上から町や花を見物しましょう。■潮来ろ舟遊覧 (いたころぶねゆうらん)
住所:茨城県潮来市あやめ1-5(水郷潮来あやめ園乗り場)、茨城県潮来市潮来590-2(津軽河岸あと広場乗り場)
TEL:0299-94-2800(株式会社いたこまちづくり観光事業部)
営業時間:10~15時の間の随時
定休日:月曜
料金:1000円(「水郷潮来あやめまつり」期間以外は、潮来市内の飲食店やホテルの1000円以上のレシート提示で800円に割引。1枚のレシートで2人まで有効)
交通:水郷潮来あやめ園乗り場はJR潮来駅から徒歩5分、津軽河岸あと広場乗り場はJR潮来駅から徒歩7分
再生された「石の蔵」で、青森県産リンゴを使ったパイを味わう
かつて水運の拠点として栄えた潮来には河岸跡がいくつか残されています。なかでもろ舟が立ち寄る「津軽河岸あと広場」は、津軽藩とゆかりが深かった港。米蔵として使われた大谷石の蔵が残されています。乗船料は半分になりませんが、ここで下船して見学するのもおすすめです(途中下船希望の場合は、乗船時に申し出ておきましょう)。住所:茨城県潮来市潮来590-2
TEL:0299-94-2800(株式会社いたこまちづくり観光事業部)
営業時間:10~17時
定休日:月曜(祝日の場合は翌平日。あやめまつり期間は無休)
交通:JR潮来駅から徒歩7分
明治時代に建てられた「水郷旧家 磯山邸」を見学
「津軽河岸あと広場」の前にたたずむ趣ある日本家屋は、明治32年(1899)年に竣工した、地元の名家・磯山家の旧宅。今は一棟貸しの宿泊施設として活用されています。宿泊者がいない日は一般公開もされており、当時の見事な職人技を堪能できます。住所:茨城県潮来市潮来595
TEL:0299-94-2800(株式会社いたこまちづくり観光事業部)
営業時間:IN15時/OUT11時(見学のみは10~17時)
料金:1棟10人まで宿泊可能。1泊目5万5000円、2泊目3万3000円、3泊目2万2000円(食事別途)。見学のみは無料
定休日:月曜(祝日の場合は翌平日)
交通:JR潮来駅から徒歩7分
前川べりの食事処「和源」でボリューム満点のランチと名物団子
水郷潮来あやめ園にほど近く、行き交う舟を目の当たりに眺められる前川べりという理想的なロケーションにある食事処。丼もの、定食、麺類などメニューは幅広く、どれもボリューム満点です。しかも安くておいしい! 以前は慈母観音を祀る潮音寺の仲見世にあったため、今も名物の慈母だんごを販売しています。住所:茨城県潮来市潮来532
TEL:0299-63-0779
営業時間:10時30分~14時LO(慈母だんごの販売は9時~16時30分 ※なくなり次第、終了)
定休日:水曜、第2・4火曜(水郷潮来あやめまつり期間はお問合せください)
交通:JR潮来駅から徒歩6分
源氏ゆかりの「海雲山 長勝寺」で潮来の中世に思いを馳せる
鹿島神宮に隣接するこの地に、文治元年(1185年)、武運長久を祈願して源頼朝が創建したと伝えられている古刹です。多くの文化財を所蔵していますが、なかでも必見は北条高時が源頼朝の菩提のために奉納した銅鐘(国重要文化財)。銘文に刻まれた「客船夜泊常陸蘇城」(かくせんやはくひたちのそじょう)に、当時の潮来の情景がしのばれます。鎌倉時代から港として名高かったのですね。■海雲山 長勝寺(かいうんざん ちょうしょうじ)
住所:潮来市潮来428
TEL:0299-62-3038
営業時間:9~16時(堂内拝観は事前にご確認ください)
定休日:なし
交通:JR潮来駅から徒歩10分
昔ながらの製法を守る「にしくら」で、焼きたてのおせんべいをゲット
長勝寺にほど近い町角にある、昭和44年(1969)創業の手焼きせんべいの老舗。厳選した潮来産うるち米と天然醸造の秘伝の醤油を使い、一枚一枚手焼きで焼き上げています。一口食べると、軽快な噛み応えとともに香ばしさが広がります。薄焼き・厚焼きとも5枚入り500円。往年の映画スターたちが投宿した老舗宿の「昭和ミニ資料館」
故・美空ひばりさん主演の「娘船頭さん」、歌でも名高い橋幸夫さん初出演映画「潮来笠」など、ノスタルジックな景色が残る昭和の潮来では、映画の撮影がよく行われました。「阿や免旅館(あやめりょかん)」のロビーには、往年のスターのスナップや映画ポスター、赤電話や蓄音機など昭和を感じさせるレトロなアイテムが展示され、宿泊者を楽しませています。住所:茨城県潮来市潮来108-24
TEL: 0299-62-2127(阿や免旅館)
営業時間:IN15時/OUT10時
料金:1泊2食1万1000円
交通:JR潮来駅から徒歩5分
※5・6月の館内見学は宿泊者限定。他の季節は事前に予約をお願いします。
あやめ咲く潮来をゆっくり歩いてみたら、地方と江戸を結ぶ水運の拠点として栄えた歴史がそこここに刻まれていました。昭和、大正、明治、江戸、さらに鎌倉時代まで。涼やかな川辺の匂いに包まれながら、初夏の潮来でタイムトラベルしてみませんか?
Text:松尾裕美
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